ウリは静音性。ダイニチのハイブリッド加湿器「HD-7012」

「HD-7012」は、ダイニチの誇るハイブリッド式加湿器「HDシリーズ」のミドルクラスとなります。

ワンサイズ下は最大加湿量500ml/hの「HD-5012

ワンサイズ上は最大加湿量900ml/hの「HD-9012」となります。

そして、この「HD-7012」の最大加湿量は700ml/hとなっています。適用面積は木造12畳・プレハブ19畳となり、比較的ハイパワーな加湿器だと言えます。

クラス的に最大のライバルとなりそうなのは、パナソニックの「FE-KXH07」と「FE-KFH07」という感じがします(この2モデルは、ナノイーを発生するかしないかの違いしかなく、加湿器としての能力はほぼ同等です)。

何しろ「FE-KXH/KFH07」は気化式の加湿器のため、消費電力が少ないです。

最大加湿量(670ml/h)での消費電力は、わずかに23W(KXH07は25W)しかないのです。この「HD-7012」の消費電力は最大で285Wに達します。

10倍以上の消費電力です。

加湿器を毎日8時間使い続けると、1ヶ月で1,300円以上の電気代の差となります。

、、、これは厳しい。

ここで期待してしまうのが、本体価格です。

売上高が200億円を超えるダイニチも、決してチビっ子メーカーではありませんが、パナソニックと言えば、売上高が7〜8兆円にも達する巨大メーカーです。小さな企業の方が価格も控え目、、、ということは往々にしてあることです。

、、、しかし。

パナソニックの2モデルの本体価格は、ナノイー有りの「FE-KXH07」が約20,000円、ナノイー無しの「FE-KFH07」が約18,000円と、巨大メーカー製品らしい比較的高価な加湿器ですが、このダイニチ「HD-7012」も同じく約18,000円と、本体価格でも一歩も譲っていないのです。

本体価格は同じ。
けど、電気代は高い。

、、、これは厳しい。当然です。

逆に「HD-7012」が優れているところは、どこか無いのか?

という悲鳴のような声が上がる訳ですが、残念ながら電気代の差を埋めるようなスペック的な差は、ダイニチ「HD-7012」とパナソニック「FE-KXH/KFH07」の間には見当たりません。恐るべし巨大メーカーというところでしょうか。

、、、ただ。

ダイニチ「HD-7012」の加湿方法は、あくまで「ハイブリッド式」だということは強調しておく必要があります。

この「HD-7012」の場合は、パナソニック「FE-KXH/KFH07」と同じ「気化式」と、ヒーターを利用した「加熱気化式」の「ハイブリッド」です。

ヒーターを利用するがゆえに消費電力が激増する訳ですが、ヒーターを利用することで、加湿したい時に加湿出来るというパワーを備えているのも事実です。気温が低くて乾燥する冬などには、ヒーターで空気を加熱しつつ加湿した方が、快適な環境をより早く作り出すことが出来ます。

そして、ある程度湿度が高くなったら、ヒーターを切り、気化式加湿器として運転することが出来るのです。

この「HD-7012」には、自動運転を可能にする温度センサー、湿度センサーはもちろん、湿度60%(低温時は湿度70%)を目標にする「のど・肌加湿」の他、結露の起こりにくい湿度(温度の兼ね合いで決定)に調整する「サラリ加湿」など、融通の効く運転モードを備えています。

ヒーターを切った場合、「HD-7012」の消費電力は18Wまで減少する上、始めから強制的にヒーターを切って運転する「省エネモード」も搭載しています。しかも、その「省エネモード」でも加湿量は460ml/hとなかなかのパワーを維持するのです。

省エネ性のみの評価ではパナソニック「FE-KXH/KFH07」の方がベターです。しかし、トータルの使い勝手という点では、ダイニチの「HD-7012」も大きく劣っている製品では決してないでしょう。

また、最小15dB〜最大34dBという運転音の小ささでも優れており、メーカーはこちらを強調しているようです。確かに睡眠時に加湿器を使用する場合はポイントとなるかもしれません。ただ、パナソニック「FE-KXH/KFH07」も最小23dB〜最大37dBなので、やかましい加湿器という訳ではありません。

もう1つ。

このダイニチは、自社の加湿器本体全てに「3年」という長期保証を付けているのも評価したいところです。パナソニック及び他のほとんどのメーカーは基本的に1年保証となっています。

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