クルクル回るフィルターが特徴的な、コロナの加湿器「UF-H5018R」と「UF-H7218R」

暖房機で有名なコロナですが、加湿器も手掛けています。

といっても、ラインアップされているのは、見た目も中身もほとんど同じな2モデルだけなので、コロナが加湿器に社運を懸けているということは全くないでしょう。

2つあるコロナの加湿器の違いは、基本的にはパワーだけで、パワーの弱い方が「UF-H5018R」、強い方が「UF-H7218R」となります。

UF-H5018R↓



コロナ 4.0L ハイブリッド式加湿器 500mLタイプ (木造和室8.5畳まで/プレハブ洋室14畳まで) チョコブラウン UF-H5018R

UF-H7218R↓



コロナ 4.0L ハイブリッド式加湿器 720mLタイプ (木造和室12畳まで/プレハブ洋室20畳まで) チョコブラウン UF-H7218R(T)

コロナの加湿器は、気化式加湿器にヒーターを搭載した加熱気化式となっています。いわゆるハイブリッド式の加湿器です。

ヒーターを搭載することで、単なる気化式の加湿器が苦手とする低気温時にも強い加湿力を維持することが出来ます。その代わりヒーターを使うので消費電力が掛かります、という分かりやすい仕組みです。

まあ、暖房機を得意とするコロナにしてみれば、ヒーターを搭載しない手はないという感じもします。実際、コロナの製品分類では、加湿器も暖房機のカテゴリーに入っているのです。確かに湿度が高い方が、低い時よりも体感温度が上がるので、寒い冬は暖房機そのものにこそならなくても、暖房の補助としてであれば加湿器は大いに役に立ってくれるでしょう。

そして、この「UF-H5018R」(と「UF-H7218R」)は、ヒーターを切って気化式の加湿器としても運転することが出来ます。

ヒーターを付けた状態の時はもちろんですが、ヒーターを切った状態の時でも、「ecoモード」として目標湿度を設定して自動運転をすることが出来るので、加湿力を重視したい時と、消費電力を抑えたい時と、使い分けることが可能となっています。

ただ。

当たり前ですが、この「UF-H5018R」(と「UF-H7218R」)の「ecoモード」を本家本元の気化式の加湿器の性能と比べてしまうと、大きく見劣りしてしまいます。

この「UF-H5018R」の「ecoモード」での加湿力は、ヒーター有りの状態の約70%とされています(「UF-H7218R」は約50%)。

なので、この「UF-H5018R」の「ecoモード」での加湿力は、350ml/時くらいということになります(「UF-H7218R」は360ml/時くらい)。

この「UF-H5018R」に近い適用畳数を持つ本家本元の気化式の加湿器として、パナソニックの「FE-KXR05」がありますが、もともとヒーターを持たない「FE-KXR05」の加湿力は、ヒーター無しで500ml/時あります。しかも、その時の消費電力はわずかに8Wしかありません。

この「UF-H5018R」の場合、最も風量が小さくて消費電力の少ない「静音」モードにしても10/11W(50/60Hz)は掛かってしまいます。自動で風量が調節される「ecoモード」の消費電力は明らかにされていませんが、「静音」よりは消費電力が掛かることは間違いないでしょう。

これはパワーの大きい「UF-H7218R」でも当然同様というか、加湿力に占めるヒーターの比重がより大きい「UF-H7218R」の場合は、さらに気化式加湿器との差が大きくなります。「UF-H7218R」に近い気化式の加湿器として、同じパナソニックに「FE-KXR07」がありますが、その加湿力は700ml/時で、その際の消費電力は13Wしかないのです。「UF-H7218R」の「静音」での消費電力は、12/13W(50/60Hz)で、加湿力は200ml/時しかありません。

消費電力に対する加湿力の効率では、この「UF-H5018R」(と「UF-H7218R」)は、気化式にまったく及びません。

やはり、この「UF-H5018R」(と「UF-H7218R」)は使うべきときにヒーターを使ってこそ、意味がある加湿器なのです。

ヒーターを使うことで、単なる加湿効率ではない快適な加湿能力を備えていることが、この「UF-H5018R」(と「UF-H7218R」)のハイブリッド式加湿器としての特徴です。もしも、ハナからヒーターを点けるつもりがないなら、この「UF-H5018R」(と「UF-H7218R」)を選択する意味はない、と言ってしまっても良いでしょう。

加湿効率の悪さ(気化式と比べて)を納得出来れば、この「UF-H5018R」(と「UF-H7218R」)は、加湿器に求められる機能は一通り揃っている、なかなか使い勝手の良い製品といえます。

特に画期的なのが、搭載されている加湿フィルターです。

「ロータリー加湿フィルター」と名付けられた加湿フィルターは、その名の通り、フィルターそのものが自動で定期的に回転することで、常にフィルターを万遍なく濡らしておけるというメカニカルな仕組みです。

さらにこの仕組みを生かして、加湿器の運転が停止しているときには、フィルターを水に浸からない位置で静止させて、フィルタ-を乾かすことが出来るようになっています。その上、ヒーターを使用して温風でフィルターを乾燥させ、雑菌の繁殖を抑えることも出来るという優れものです。

単なる気化式の加湿器ではどこか物足りないという場合、室温に左右されにくい加湿力を持ち、それでいてスチーム式ほどは電気を使わなくても済む、という融通の利く使い方が可能な加湿器として、この「UF-H5018R」(と「UF-H7218R」)が候補に上がったとしても、全く不思議ではないでしょう。

となると、この「UF-H5018R」と「UF-H7218R」のどちらがベターなのか、という問題も出てきます。

基本的にはよりパワフルな加湿の出来る「UF-H7218R」の方が、加湿器としての能力は高いということになるのですが、この「UF-H5018R」と「UF-H7218R」は、本体サイズが同じ=ファンのサイズが同じ(たぶん)、なためか、ヒーターを切ったときの加湿能力はほとんど変わりません。

なので、加湿器を使う予定の部屋がそれほど大きくなかったり、いくら何でもヒーターをガンガン使うのはちょっとやだな、という場合はパワーの弱い「UF-H5018R」でも、それほど大きな使い勝手の差は無いという可能性もありそうです。

また、本体サイズが同じ=タンクの容量も同じなので、単純な連続加湿時間は、パワーの無い「UF-H5018R」の方が長くなっています。しかし、より早く部屋の中を快適な湿度にすることが出来るのは、よりパワフルな「UF-H7218R」の方であることは間違いありません。

■UF-H5018Rのスペック

発売2018年8月
加湿タイプハイブリッド式
適用床面積木造:8.5畳 / プレハブ:14畳
加湿量160~500ml/時
連続加湿時間8時間
消費電力(50/60Hz)10/11~180W
運転音23~39dB
サイズ幅355×高さ362×奥行165mm
重さ約3.9kg
タンク容量約4.0L
フィルター交換約8シーズン

■UF-H7218Rのスペック
発売2018年8月
加湿タイプハイブリッド式
適用床面積木造:12畳 / プレハブ:20畳
加湿量200~720ml/時
連続加湿時間約5.5時間
消費電力(50/60Hz)12/13~345W
運転音29~40dB
サイズ幅355×高さ362×奥行165mm
重さ約3.9kg
タンク容量約4.0L
フィルター交換約8シーズン

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