ベンタ「エアウォッシャー(LW45J)」

ブラックメタリック↓

ベンタ エアウォッシャー / ブラックメタリック《LW45J》 正規販売店 2年間保証


そして、ホワイトグレー↓

ベンタ エアウォッシャー / ホワイトグレー《LW45JW》 正規販売店 2年間保証


空気を水で洗う機械だそうです。
だから「エアウォッシャー」。

加湿器+空気清浄機の1台2役です。
この「LW45J」の空気清浄の最大範囲は約24畳ですが、加湿については、なんと45畳と一般家庭ではめったにお目に掛かれない大広間サイズでもこの1台で対応出来ることになっています。

「空気を水で洗う」

なんだかエコっぽい感じがします。

しかし、いったいどうやって洗うのでしょうか?

説明によると、本体に水を入れ、その中でローラーディスクがグルグル回ることで、乾いた部屋の空気が洗浄され、適度に加湿された上で吹き出されてくるのだそうです。

、、、それだけ?

そう、本当にそれだけなのです。

フィルターも無し、ヒーターも無し、当然、センサーやイオン兵器などもありません。
「清掃が簡単」「給水が簡単」「取り扱いが簡単」と言われて、いちいち反論する気にもなりません。

「そりゃそうでしょ」
だって、水を掻き回してるだけなのだから、、、という言葉をここはぐっとこらえます。

簡単なのは結構。
しかし、性能はどうなのかということです。
はっきり言えば、バケツに水をためてグルグル回すのといったい何が違うのか、ということなのです。

「エアウォッシャー」の加湿方法は「常温気化式」だそうです。
メーカーによると、これが最適の加湿方法だそうです。

加湿の方法にはいくつかありますが、どれも一長一短です。

「ヒーター式加湿」→加湿力はあるけど、電気代が高いし、熱くて危険。加熱するので衛生面は安心。

「超音波式加湿」→加湿力も高くて、電気代も安く、熱くもならないが、きちんと清掃しないと衛生面が不安。

「(フィルター付)気化式加湿」→加湿力は弱いが、電気代は安く、熱くもならない。衛生面を維持するためフィルターの交換が必要。

しかし、この「エアウォッシャー」の「常温気化式(フィルター無し)」は違います。

「常温気化式(フィルター無し)」→高い加湿力があり、電気代も安く、熱くもならず、衛生的。フィルターは不要な上、空気まで綺麗にする。

おおー、完璧です。

上記で比べる限り、確かに常温式加湿に優る方法は存在しません。

ただ、本当にそうなのか?
という疑問はまったく解消されません。

まず、高い加湿能力があるとなっていますが、具体的に1時間で何mlくらい加湿するのかなどが分かりません。
代わりに「空気処理量」という数字が4.5㎥/分となっています。

「空気処理量」というのは、適度に加湿(と清浄も)された空気を、本体から毎分4.5㎥吹出すことが可能ということだと思われます。

ここで仮に、この「LW45J」は室温が20℃の時に、湿度30%の乾燥した空気を湿度50%の快適な空気として毎分4.5㎥吹出すものとしてみます。

その場合、4.5㎥の空気中に「LW45J」によって追加される水分量は毎分約15.6mlです。
1時間あたりに直すと、約940mlの加湿量ということになります。

まあ、なかなかと言って良い加湿量です。

しかし、国内の基準に当てはめると、適用畳数は木造で15畳、プレハブで25畳クラスということになります。
メーカーが主張する45畳とはだいぶ差があります。

ただ、この計算は推測でしかありません。
この「LW45J」は「常温気化式」のため、加湿量は部屋の室温、湿度の状態に相当影響されることが予想されます。

まさかメーカーの数字が間違っているとは考えにくいので、条件が異なれば、45畳の空間を加湿することが可能ということなのでしょう。

ただ、その加湿量が、少し分かりにくい感じがしてしまうことも事実です。

ファンが付いているので、バケツに水を貯めているだけの状態よりは、加湿力があるのは確かでしょうが、その時の室温と湿度によっては、必ずしもスペック上の「高い加湿力」を発揮しないかもしれません。

メーカーはその点を、「加湿しすぎる心配もありません」と前向きにとらえています。

、、、。

まあ、確かにその通りです。
ただ、スポット的に加湿したいという用途には不向きかもしれません。

そして、見逃せないのが電気代です。

この「LW45J」には、風速の違いで3つの運転モードがありますが、消費電力は低い順から3W→5W→8Wです。

これは、掛け値なしに相当低い消費電力です。
他製品では気化式でも10W以上するのが普通です。しかも、この「LW45J」の方が圧倒的に広い面積をカバーするのです。水をグルグルするだけなので、当たり前と言えば当たり前なのかもしれませんが、まあ消費電力が少ないに越したことはありません。

本体の温度についても、水を入れた容器を掻き回しているだけなので、モーターがちょっと温かくなる程度でしょう。何しろ「常温式」です。貯水タンクとそれほど変わらないくらいに安全だと思われます。

少し不安なのが「衛生面」です。

貯めた水には雑菌が繁殖する危険性があります。
「(本体の中に)バクテリアの宝庫となるフィルターパッドや芯は有りません」というのが、「極めて衛生的」である理由となっていますが、それだけで水自体の雑菌の繁殖を抑えられるのでしょうか?

ちょっと疑問が残りますが、この「LW45J」ではお手入れの手順として定期的に「ハイジェン液」という液体をタンクの中に入れることになっています。「ハイジェン液」は水垢の生成を抑制するらしいので、これによって衛生面が保たれるのかもしれません。

ただし、この「ハイジェン液」は1本500ml入で4,000円〜5,000円するようです。1本で5ヶ月くらいはもつらしいので、毎月1,000円くらいのコストを見込んでおく必要がありそうです。

説明があまり多くないので、今ひとつこの「エアウォッシャー」への理解が進まないのですが、この「エアウォッシャー」はヨーロッパではブランドとしての地位を確立しているらしく、30年以上前から愛用されているロングセラーの製品だそうです。

そして、そんな「エアウォッシャー」がドイツ製であることにメーカーのベンタ社は強い誇りを持っているようです。

「他社製品の多くがアジアで生産されていますが、ベンタの製品は100%ドイツ製」と露骨なくらいのドイツアピールがされています。ジャパンブランドの凋落が嘆かれる現在においては、ちょっとカチンと来るくらいの自信っぷりですが、「ドイツ製品は品質が良い」と言われれば、まあ、そんな気もするので渋々スルーします。

同じくメーカーに強調されているのが、この「エアウォッシャー」が世界的にもユニークなテクノロジーだということです。それは別に良いのですが、ユニーク過ぎるせいか、比較対象も無いのがちょっと不便なところです。

しかし、詳細な測定条件は不明にしても何しろ45畳クラスです。

大広間用に加湿器を置きたいという場合は、必然的に候補となってくることでしょう。
本体価格も約50,000円以上と大広間に相応しい設定となっています。

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