大人な暖房機。デロンギの「マルチダイナミックヒーター(MDH15-BK)」

デロンギ MDH15-BK



[ Delonghi ]デロンギ マルチダイナミックヒーター [ MDH15-BK ]
「大人時間を暖める。」

と来ました。

ヒュー。

イタリア仕込みの口説き文句はさすがに違います。
デロンギから登場した「新しい」暖房機、それがマルチダイナミックヒーター「MDH15」です。

「温度を一定に保つ」それが第3のヒーター!

デロンギでヒーターと言えば「オイルヒーター」というのが、一般的な認識ですが、この「MDH15-BK」には「マルチダイナミックヒーター」と、「オイル」よりは少し現代風な感じがする名前が付けられています。「マルチ」で「ダイナミック」とたたみかけられると、なかなか力強そうな印象です。見た目は完全にオイルヒーターと相似形ですが、この「マルチダイナミックヒーター」はオイルヒーターではありません。

メーカーいわく「極上の温もりを実現する第3のヒーター」

なのだそうです。

第3?

メーカーによると、

第1のヒーターは、暖炉のように温度をひたすら上昇させるしかないヒーター。

第2のヒーターは、エアコンのように温度の上昇と下降を繰り返すことで室温をコントロールするヒーター。

そして、第3のヒーターは、極めて高い精度で温度を一定に保つことが出来るヒーターなのだそうです。

へー。

お得意のオイルヒーターは第いくつのヒーターにあたるのかについてもちょっと興味があるところですが、ともかく、この「マルチダイナミック(MD)ヒーター」は、何と!±0.5℃という僅かな範囲で温度をコントロールしてみせるのだそうです。

へー。

確かに、エアコンをつけていても、暑くなり過ぎたり、急に寒く感じたり、常に一定の室温が保たれているかというと、そうでも無い気がします。

その温度変化を±0.5℃の範囲に収めてみせる!と、、、。

これは、なかなかスゴいことなのではないでしょうか?

この繊細な温度管理を行うのが「オートアダプティブテクノロジー」だそうです。
自動(オート)で適応(アダプト)する技術(テクノロジー)ですね。ふむふむ。

真冬の夜中を想定して、外気温を5℃から0℃の範囲で急激に変化させるという環境でテストをした結果、室内の温度をほぼ一定に保つことが出来たのだそうです。

ほー。

もちろん、これは部屋の断熱性にものすごく影響されるので、新省エネルギー基準の断熱性を備えた住宅(11畳)という設定での話ということのようです。結果を見ると、確かに±0.5℃の範囲で温度変化が収まっているので、例えばこの「MDヒーター」をつけっ放しで眠ったとしても快適に室温が保たれるという期待は持てそうです。

オイルヒーターの弱点を解消!、、、していない!?

温度を一定に保ってくれるのは、確かにありがたいです。

しかし!

暖房器具に要求される能力で忘れてはいけないのが、スピード性です。

冷えた部屋を快適な温度にまでスピーディに暖める能力に欠けていると、どうしても不便を感じてしまいます。デロンギが得意とするオイルヒーターが最も不得意としているのが、この速暖性だというところもちょっと気がかりなところです。

メーカーもそのことは十分認識しているようです。

この「MDヒーター」においては「スピードヒーティング」がうたわれていて「包まれれるような暖かさを、スピーディに実現」してくれるのだそうです。

おー。

完璧です。
これこそ、望んでいた機能です。

しかし、はたしてどれくらいスピーディなのでしょうか?

メーカーはそれを示すものとして、「従来型ヒーター」と「MDヒーター」の本体周辺の温度を示す(ような)写真を並べて示しています。

、、、。

写真を見る限り、明らかに「MDヒーター」の方が本体周りだけでなく、室内の広い範囲が暖まっているような感じがします。

それは良いのです。

しかし、この暖かそうな状態になるのにどれくらいの時間が掛かるのか、「従来型ヒーター」とはいったい何者なのか、重要だと思われる情報がスッポリと抜け落ちているのです。

これは意図的なのでしょうか?

別の箇所で「スピードヒーティング」の説明として、「外気温が5℃の状態でもわずか25分足らずで一気に20℃にまで暖めます」という記載があります。

、、、。

外気温が5℃のとき、暖房を入れる前にその部屋の室温は何℃だったのかは不明なのです。
スタート温度が分からないのに、ゴール温度だけ教えてもらっても、果たしてそれがスピーディなのかどうか全く判断がつきません。

これは意図的なのでしょうか?

この「MDヒーター」の適用面積がオイルヒーターと同じ10畳までだったり、消費電力も同じ1500Wだったり、出力の切換えも同じく1500W/900W/600Wだったりするところを見ると、ちょっと不安になって来ます。この「MDヒーター」はオイルヒーターからオイルを抜いて、別の熱源を積み替えただけなのでは?という疑問が生じて来るのです。

これはバルミューダーのスマートヒーターとかなり似通った発想と言えそうです。

オイルヒーターの快適性を保ちつつ、なるべく早く暖めることが出来るように熱源を変更したという訳です。

オイルヒーターに代表される輻射熱方式の暖房器具の快適さについては、まったくメーカーの言う通りだと思われるので、速暖性についてはあまり期待し過ぎず、必要とあれば立ち上げ時にはエアコンを併用したりして、うまく付き合えばそれほど気にならないかもしれません。一度暖まった部屋の温度を保つことについては、メーカーも自信たっぷりです。

また、なるべく狭い空間で使用することもポイントかもしれません。なかなか暖まらない広い部屋で輻射熱タイプのヒーターに24時間全力稼働をさせると、冷や汗が出る程の電気代請求書が送られて来る可能性が極めて高いので注意が必要です。暖まりが遅くてイライラしたり、電気代を気にしたり、いざというときにアタフタしなくて良いように大人暖房機「MDヒーター」の特性をしっかり押さえて大人の対応を心がけましょう。

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