世界のボッシュさんのコードレス掃除機「アスリート」

ボッシュと言えば、ドイツの誇る世界的メーカーです。電動工具や自動車部品においては、世界トップクラスの知名度があると言って間違いではないでしょう。

「世界のボッシュ」

メーカーに胸を張ってそう名乗られても、全く違和感はありません。

その世界のボッシュさんの掃除機です。

BOSCH アスリート(25.2V)



BOSCH コードレスクリーナー アスリート25.2V スノーホワイト BCH6AT25JP

世界のボッシュさんは「吸引力」など、とっくに超越

日本ではそれほど有名ではありませんが、世界のボッシュさんは家電も手がけているのだそうです。これはちょっと期待度が高まります。

掃除機を選ぶ基準は、まだ「吸引力」だけですか?

とボッシュさんはのっけから挑戦的な感じですが、なにしろ世界のボッシュさんなので仕方ないのかもしれません。

製品の紹介動画を見ると、トラ(猛獣の)が暴れまわって、砂やら羽毛やらが飛び散りまくった部屋をあっと言うまに掃除してみせたり、サッカーのピッチ全体に撒かれた白い粉をキレイに白線の分だけ残して吸い取ってしまったりと、仰天してしまうほどの高性能ぶりを発揮しています。

これがホントなら「吸引力」だけでも十分すぎるほどの性能だと思うのですが、世界のボッシュさんは「卓越した吸引力は、当たり前の事実」とあくまでクールです。

「掃除をしているわずかな間の吸引力だけを競い合うのは、あまり意味がない」とクール過ぎて嫉妬してしまいそうなほど、完全な上から目線です。これだけの「吸引力」を持ちながら、ボッシュさんは「吸引力のその先」を目指しているというのですから、その理想の高さには脱帽するほかありません。

ここでボッシュさんは「生涯仕事量」という新しい基準を提案して来ます。これは「充電回数」×「連続使用時間」で表される指標で、「掃除機がそのバッテリー寿命を終えるまでに吸引できるごみの総量」なのだそうです。ボッシュさんいわく、「バッテリーの質は、そのまま掃除機の質になりえるほど重要」なのだそうです。

、、、。

そうでしょうか?

バッテリーの質=掃除機の質?

いやいや、高い理想を掲げるボッシュさんには申し訳ないのですが、バッテリーの質はバッテリーの質に過ぎないのでは?という気がしてなりません。

確かにバッテリーがすぐに切れてしまうコードレス掃除機の質が低いのは間違いありませんが、バッテリーは保っているのにゴミを取り残しまくる掃除機も別の意味で質が低いということになるでしょう。

ただ、これは「吸引力」が高いことは「当たり前」とのたまうボッシュさんならではの考えなのかもしれません。ボッシュさんは「吸引力」だけを競うことは意味がないとしながらも、「吸引力」から逃げているわけではありません。もちろん、ボッシュさんの「アスリート」も当然のことながら「吸引力」は卓越しているのです。

ボッシュさんによると「アスリート」はボッシュ社製の2400W相当のキャニスタータイプの掃除機なみの吸引力を持っているのだそうです。

2400Wの掃除機と言われても日本では一般的なものではないので、ピンと来なかったりするのが残念なところですが、要するに、ものすごく強力なんだぜ!ということなのだと思われます。

その強力度合いを示すものとして、フローリングでのごみ除去率(ダストピックアップ率)が99.2%だという数字が上げられています。ボッシュ社製2400W相当キャニスター掃除機が同じ条件で68.8%ということなので、圧倒的にこのアスリートの方が優れています。カーペットでは「アスリート」が71.1%、2400W相当キャニスター掃除機が64.1%とやっぱり「アスリート」の方が優れています。

それって「2400W相当キャニスター掃除機」がダメっていうだけの話なんじゃないの?

という多くの人が抱きそうな感想については、残念ながらボッシュさんはノーコメントです。

一応、フローリングで99.2%、カーペットで71.1%というダストピックアップ率の数字自体は、エレクトロラックスなど欧州系の他のメーカーの製品の数字と比べて遅れを取るものではなさそうなので、ボッシュ製「2400W相当キャニスター掃除機」についてはともかく、少なくとも「アスリート」についてはそれなりの「吸引力」があると考えても良さそうです。

最長60分の連続使用

「生涯仕事量」という独自の指標まで持ち出すボッシュさんの「アスリート」の最大の特徴は実のところバッテリーにあると思われます。

ボッシュさん自慢のバッテリーにより、「アスリート(25.2V)」の連続最大稼働時間は60分となっています。一般的なコードレス掃除機の稼働時間は20分前後という印象があります。これはスゴいのではないでしょうか。

ただ。

60分の長時間駆動を誇る掃除機はエレクトロラックス「エルゴパワープラス」など、他にも存在しないわけではありません。ティファールの「エアフォース エクストリーム」も稼働時間最大55分とそれほど遜色はありません。

そして、この「アスリート」は、回転ブラシを搭載していますが、60分稼働させるためには最もパワーが弱い「クリーニングレベル1」にする必要があります。そして「クリーニングレベル1」だと回転ブラシは回らないのだそうです。

パワーを上げて「クリーニングレベル2」にすると、稼働時間は半分の30分。最もパワーのある「ターボ」にすると、稼働時間は約10分と特別長いものではなくなってしまいます。

うーん、微妙です。

世界のボッシュと言えども、異次元のバッテリーを搭載しているというわけではないようです。

まとめ

なかなか高いレベルの吸引力、そしてやはり、なかなか高いレベルの稼働時間を考えると、このボッシュ「アスリート」は決して悪いコードレス掃除機ではなさそうです。

ただ、図抜けた製品なのかというと、そうでもなさそうです。

運転音は最小56デシベルとなかなか抑えられていますが、これもやはり最もパワーが弱いモードでの数値で、最大パワー時の騒音は67dBと普通より少しうるさいくらいのレベルに達します。

本体も3kg以上の重さがあり、付属のノズルなども無いため、完全に床掃除のみの掃除機だというところも、最近流行りの2in1タイプや、ダイソンのように先端が軽いタイプと比べた場合に、床以外の場所を掃除する際の使い勝手では大きく見劣りしてしまうところがあります。

自慢のバッテリーも寿命がどれくらいなのかは秘密となっていて、交換もサービスセンター経由で行う必要があり、その費用もまた秘密という密室主義的なところも、海外メーカー製品だけにちょっと敷居が高く感じるところかもしれません。

「吸引力」以外で掃除機を選ぼうとして際に、迷わずこの「アスリート」となるのかどうかは、ちょっと断言出来なさそうです。

ちなみに最大稼働時間が60分→40分に減っている下位モデル「アスリート18V」もあります。こちらは色が黒です。

BOSCH アスリート18V



BOSCH コードレスクリーナー アスリート18V ミラーブラック BCH6AT18JP

「アスリート 25.2V」との違いは純粋にバッテリーだけらしく、この「アスリート 18V」では、運転モードごとの稼働時間が(10分/20分/40分)です。「アスリート 25.2V」では(10分/30分/60分)なので、ターボ以外は約3割減となっています。

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