機能美とまで言えるのか微妙なところですが、2本のヒーターを持つオーソドックスな形状をしています。
この「DS-D086」は、石英ガラス管に発熱体となるニクロム線のコイルを入れて熱を発生させる電熱器具=電気ストーブです。
石英ガラス管を使用しているヒーターの中には発熱体を炭素系の素材にすることで遠赤外線の放射量を増やしているものもあり、「カーボンヒーター」とも称されますが、この「DS-D086」の発熱体は通常のニクロム線なので、普通のいわゆる「電気ストーブ」となります。
ヒーター1本が400W、2本で800Wの出力となります。暖房器具として特別強力ではありませんが、本体サイズを考えれば、まぁ普通のパワーを持つストーブと言えるでしょう。ヒーターの電源を入れて手をかざせば、手はすぐに暖かくなりますが、空気を暖めるわけではないので、部屋全体の暖房には向きません。
また、石英ガラス菅を使用したヒーターは、石英ガラス管に衝撃を加えると割れてしまうという弱点をもっています。このため、石英ガラス管より耐久性が高い金属パイプを使用した「シーズヒーター」なども存在しますが、製品の種類は圧倒的に石英ガラス管を使用したヒーターが多くなっています。これは石英ガラス管を使用したヒーターの方が安いコストで製造出来るためで、なかでもこの「DS-D086」のように発熱体をニクロム線としている、いわゆる「電気ストーブ」は最も安価なタイプとなります。
購入する側にとって、価格が安いことは全く悪いことではありませんが、価格を最優先にしている都合上、いわゆる単純な「電気ストーブ」に属する製品には多機能なモデルは少なく、安価なモデルが中心となっています。
この「DS-D086」も例外ではなく、電源を兼ねた運転切換スイッチの他に操作するものはありません。転倒オフスイッチは内蔵されていますが、最低限の安全装置という以上の存在ではないでしょう。あえて言うのであれば、この「DS-D086」は、上下2本のヒーターを、上だけ、下だけ、そしてもちろん両方でも点灯させることが出来るというところが多少使い勝手を高めているかもしれません。
そしてこの「DS-D086」は、巨大企業とこそ言えないものの、「ジェネリック家電」メーカーとして実績のある山善の製品だということで、ある程度の安心感が持てることも長所となるでしょう。
そうは言っても、アイリスオーヤマ、テスコムなど同じく低価格の電化製品に実績のあるメーカーも数多く、それらのメーカーが手掛ける、ほぼ同じような仕様を備えているライバルモデルもたくさんあるので、結局のところ、この「DS-D086」を選択する際には、その時、その瞬間の価格が決定的に重要な指標となることは間違いありません。
■DS-D086のスペック
発売 | 2015年8月 |
サイズ | 幅305×奥行135×高さ3651mm |
重さ | 1.7kg |
消費電力 | 800W |
適用畳数(断熱材50mm) | - |
運転切替 | 弱・強 |
安全機能 | 転倒OFF |
コメント