なかなか油断出来ない多国籍加湿器。VICKS「V105CM」

いかにも海外製品っぽい外観をしたVICKSの加湿器です。



アメリカ、KAZ社のメキシコ工場でライセンス製造され、日本ゼネラル・アプラィアンスという会社が輸入代理店という、なかなか多国籍な製品です。

これは色々な意味で衝撃的な製品です。

まず、加湿方法はスチーム式なのですが、取扱説明書に「電極式」だと記載があります。

あまり聞き慣れない仕組みですが、これは水に直接電流を流して水を蒸気化させる方式で、産業用加湿器などではよく見られる方式だそうです。

ほうほう、なるほど。
産業用でも使われるくらいだから、効率が良いのかな?

そう思いながら、説明書を確認していくと、

「使用時に水の中に塩を入れてくれ」

という記述があります。

、、、塩?

そう、塩です。

電極式の加湿器は、タンクの水に塩を入れないと蒸気が出ないそうです。
加湿量は塩の量によって変わり、塩が多いと加湿量も増えるらしいです。
ただし、塩を入れすぎると、電源プラグやコードが熱くなり危険だそうです。

、、、。

それって、面倒くさいのでは?

そんな気がしますが、仕方ありません。
そういうものなのです。

使用する時にタンクに塩を3〜4つまみ(=約2g)入れなければなりません。

ここは要注意です。

「つまみは親指と人差し指の二本ではさんだもの」という若干おせっかいめいた注意書きすらあります。

そして、それだけでは終わりません。

塩を入れた後、「加湿ユニットをタンクにセットしたら、そのまま約10秒手で押さえて下さい」とあります。

ええっ?

よく見ると機械部であるスチームユニットとタンクは結合されている訳ではなく、タンクの上にスチームユニットが乗っかっているだけらしいのです。

そのため、「スチームユニットが浮いてしまう時は、タンク内の水を少し減らして下さい」とあります。

浮くんかい!

そして、「しばらく様子を見て、加湿量が少ないときのみ、少し塩を加える」そうです。

そんな、塩加減を見るみたいな、、、。
料理じゃないんだから、、、。

ちなみに「蒸気が出始めるまでの所要時間は水温20℃で約10分」だそうです。

なるほど。

10分様子を見て、加湿が足りないなー、と思ったら塩を足す、、、と。
、、、何だかホントに料理みたいです

「早く蒸気を出したい場合は、ぬるま湯を入れることをおすすめいたしますが、熱湯はやけどの恐れがありますので入れないで下さい」

と、ここでもまた、若干余計なお世話めいた注意書きが、、、。

また、スチームユニットはタンクの上に乗っかっているだけなので、コードを引っ掛けたりするとユニットがタンクから外れる可能性があります。

とあります。これは危ない。

タンクも大きめ(3.7リットル)だし、ちゃんと固定して使わないといけませんね。

と思ったら、「長時間同一の場所で使用すると床や家具の材質、塗料によっては変色、変形、破損(!)の原因」になるそうです!

えー!

そして、この製品は9時間の連続運転が可能です。

えーと、、、

これは、9時間は同じ場所に置いておいて大丈夫ということなのでしょうか?
それとも稼働中に電源落としたりして動かさなきゃダメなのでしょうか?

まさか、、、。

変色、変形、破損しても良い場所でしか使用しちゃダメだとか、、、。

さすがにそこまでは記載してないようです。

ただ、「木製家具」「ガラス製家具」など熱に弱いものの上で使用せず、「固く水平な場所」に置いてくれ、とあるだけです。

残るのは、コンクリートとか、金属、なのでしょうか、、、?
あれば、ですが。

そんな、なかなか手の掛かるこの加湿器「ヴィックス君」ですが、お手入れでも容赦はしてくれません。

まず、週に1度のタンク清掃。

たかが、タンクとあなどってはいけません。

「お手入れの際はゴム手袋等をして行って下さい。タンクで手を切る恐れがあります」

ひえー!
手を切るタンク!!

そして、クライマックスが月に1度のスチームユニットの清掃です。

まず、ネジを外す必要があります。
ここは大丈夫です。普通のドライバーでOKです。

そして、ご本尊となる「電極棒」のお手入れをします。

「電極棒」という見慣れぬ言葉にたじろいではいけません。下手な考え休むに似たり。ともかく掃除です。

「金属のヘラのようなものまたはカッターナイフで」とあり、現実問題、使用する道具の最有力候補はカッターナイフです。

そして、「電極棒に付着している堆積物をけずり落と」します。

ただし!

「電極棒に付着している堆積物をけずる際には十分に気を付けて下さい」

なぜなら、

「手を切り、ケガをするおそれがあります」

、、、そりゃ、カッターナイフですから。
大丈夫。たぶん、みんな小学校で習ってます。

しかし、厳しい作業指示ばかりではありません。

「汚れが落ちにくい場合は、電極棒部分を酢に浸して8時間程おいてから、けずると取れやすくなります」

と生活の知恵的なことも教えてくれます。加湿器の酢漬けです。

ちょっと!そこのあなた!
ダメだ、、、面倒くさ過ぎるとか言ってあきらめてはいけません!

「電極カバー内の堆積物は必ず取り除いてください。ショート、発煙、発火の原因になります」

そう。

「あなたのためだから」

自分の身を守るための清掃なのです。

そんな風に大切にお手入れを行う「電極棒」なのですが、

これ、実は消耗品です。

しかも、、、

「電極棒が細くなったり、短くなるなど消耗の激しい場合はスチームユニットを交換してください」

とあり、交換は「電極棒」だけでなく「ユニット」ごとです。

頑張って険しい道を越えれば、心地良い時間が待っています。
そう、この製品にはアロマ機能が付いているのです。

別売りの専用リフレッシュ液がお部屋に香りを届けてくれます。

やり方は至って簡単です。
吹出し口の上にある受皿に約10ml程度のリフレッシュ液を入れて下さい。

リフレッシュ液はこちらです↓

ただし!
入れ過ぎてはいけません!
入れ過ぎると、、、

もう、想像がつきます。

そう、、、「あなたのため」なのです。

ただ、この受皿、とてもこぼれやすそうな形状をしているので、よくよく注意しましょう。

そんな目を離せない、(要)注目の加湿器がこの「ヴィックス君(V105CM)」です。
他を圧倒する要注意性は、もはや危険物の域に近づいていると言えるかもしれません。

日々の生活に湿度の他にスリルを取り入れたい方にはぴったりの製品かもしれません。
また、きちんとお手入れが出来る方限定なので、初心者はお断りです。たぶん。

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