ハイグレードなのに、やや残念感のあるシャープのロボット掃除機「ココロボ RX-V95A」

シャープ ココロボ「RX-V95A」

シャープの誇る人工知能「ココロエンジン」を搭載したロボット掃除機のハイグレードモデルです。


SHARP ロボット家電 COCOROBO ハイグレードモデル ゴールド系 RX-V95A-N

しゃべるロボット掃除機「ココロボ」のハイグレードモデルです。

「ココロボ」シリーズは様々なタイプが出ているせいで体系が複雑化していますが、この「RX-V95A」は一応NO.2のモデルになるのだと思われます。

実質的にはシリーズNO.1モデル

この「RX-V95A」は位置付けはNO.2(たぶん)とはいえ、NO.1(たぶん)「RX-V200」は2013年発売の製品ということもあり、付加機能は優れているのものの、清掃能力についてはこの「RX-V95A」方が優っていると考えた方が良さそうです。

最大の違いは細かな部分の清掃能力です。「RX-V95A」、「RX-V200」のどちらも複数のセンサーを駆使して掃除を行っていくのは同じですが、「RX-V95A」はセンサーでゴミを感知した部分ではパワーアップをした上で8の字を描くように動くことでゴミの取り残しを防ぎます。「RX-V200」はパワーアップはするものの動きは変わりません。

また、コーナーでは「RX-V95A」は本体からわざと風を出すことでブラシの届かない部分のゴミを自分の進行方向に吹き飛ばした上で、首を振るような動きで丁寧にゴミを集めるという機能がありますが、「RX-V200」にはありません。

走行能力についても、「RX-V200」が乗り越えられる段差は約1.5cmでしたが、「RX-V95A」は約2cmとわずか5mmですが、盟主「ルンバ」と肩を並べています。

自動モードでは「RX-V95A」は部屋を2方向からジグザグに掃除し、複雑な場所ではランダムな動きも組み合わせるようです。「ルンバ」の1カ所平均4回走行には及ばないものの、まあ比較的丁寧に掃除をしてくれそうな印象はあります。

基本的な仕様も向上

バッテリーの交換目安が3年という長寿命タイプなのは旧モデルと変わりませんが、この「RX-V95A」は充電時間が3時間となっており、従来の4時間より短くなっています。

それでいて稼働時間は従来と同じ約120分(清掃時間は約100分)です。

また、バッテリーの交換も従来はサービスセンターに依頼する必要がありましたが、この「RX-V95A」では自分で交換が出来るようになっています。その分費用もバッテリー代(9,800円)のみとなり、作業賃が掛かっていた従来の金額(15,000円)より安く済むようです。

ダストボックスのフィルターには相変わらずティッシュを手前に挟むことが推奨されていて、ゴミの分離能力には不安を残しますが、その方がフィルターが傷まないというなら仕方ありません。使う方としては大きな実害はありません。そして、集じん容量は0.25リットルとそこそこの容量が確保されるようになりました(「RX-V200」は0.1リットルしかありませんでした!)。

だけど、やっぱり微妙な「ココロエンジン」

「ココロボ」シリーズ最大の特徴である人工知能「ココロエンジン」ですが、言葉のバリエーションなどが旧モデルより増えているようです。

ただ正直言って、人工知能はまだ開発途上の技術なのだな、ということを感じさせる仕様となっています。

この「RX-V95A」は声でコミュニケーションを取れることがウリの1つとなっています。

ただ、現状では当たり前と言えば当たり前なのでしょうが、「ココロボ」君はあらかじめ登録されている言葉にしか反応しません。

声を掛けて掃除を始めさせることは出来ますが、「きれいにして」という言葉でしか掃除を始める合図として認識してくれないのです。

「掃除してください」とお願いしてもダメですし、「はやく掃除しなさいよ!」と叱ってみてもダメです。

これってどうなのでしょう?

言葉でコミュニケーション出来るって言われても、「ココロボ」君に通じる言葉をこちらがまず覚えておかないといけないというのは、何ともストレスのたまるコミュニケーションとはならないでしょうか?

しかも、いったん掃除を初めてしまうと、もう「ココロボ」君を言葉で止めることは出来ません。なんと掃除中は音声入力を受け付けないのだそうです。

、、、。

これってどうなのでしょう?

「ココロボ」君が近づいてはいけないところに近づきつつあるときに、離れたところから「ちょっと待って!」と叫んでもムダです。一刻も早く「ココロボ」君に近づき、スイッチを止めなければいけません。

、、、。

しかも、掃除中に音声入力は受け付けないくせに、SDカード経由で音楽の再生はしてくれるのだそうです。わずか10曲、しかもSDカードへの録音は自分で行う必要があります。

Web経由でのDJ機能があって、最新ヒットに合わせてノリノリに踊りながら掃除でもしてくれるならともかく、それほど高性能とも思えない「ココロボ」君のスピーカーを使って、手持ちの曲を再生するという機能がどうして必要だと思ったのか、ちょっと聞いてみたい気もしますが、「ココロボ」君が答えてくれないのは間違いありません。

まとめ

国産ロボット掃除機として「ココロボ」君は一定の地位を占めているような気はします。

掃除機能は色々改善が図られており、王者「ルンバ」と比べると見劣りしてしまう感はありますが、決して悪くはなさそうです。

ただ、ウリである独自のコミュニケーション機能は、やっぱりちょっと中途半端なような気もします。

名目上のNO.1モデルである「RX-V200」はその点、無線LANでのコントロールやカメラ機能など、突き抜けている部分もあるのですが、こちらは価格も突き抜けていたりするところが難しいところです。

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