意欲的な製品ながら腰にズッシリ来そうなパナソニックのサイクロン掃除機「MC-HS700G」

かなり意欲的な製品と言えるのではないでしょうか。

なにしろ充電池を搭載しており、コードレスの掃除機としても使用出来るというのです。


パナソニック サイクロン掃除機 メタリックシルバー MC-HS700G-S

掃除機にコードがあった方が良いのか、無い方が良いのか?

と聞かれれば、無い方が良いに決まっています。

部屋を移動するたびにコードを抜き差しするという手間は、全くの無駄な動きでしかありません。

しかし、どうしてもコードレスの掃除機は稼働時間やパワーが限定されるため、広い範囲を掃除する際にはちょっと頼り切れないという弱点があります。

ところが!

この「MC-HS700G」はコードをつないでも、つながなくても使用することが出来るため、広い範囲は「コード式」、階段や、コードが引っ掛かりそうな場所は「コードレス」、という使い分けが可能なのです!

うおー!

これは便利なのではないでしょうか!!

、、、。

と、素直にいかないのがなかなか難しいところです。

最も気になるのが、本体重量です。

この「MC-HS700G」の本体重量は4.0kg。
ホースやノズルを装着すると5.9kg。
そして、充電池を入れると6.8kg。

6.8kg。

掃除機として異常な重さではありません。
ただ、決して軽い掃除機ではありません。

これをコードレスで使う?

階段や狭い場所となると、本体を片手で持ち、もう片手でノズルを持つというスタイルになることが予想されます。実際メーカーのホームページでも、そのように掃除をしている映像があったりします。

、、、。

結構、重たいのではないでしょうか。

コードの抜き差し手間の苦痛 > 片手で6.8kgを持つ重み

という不等式が成り立つのかどうか、微妙な感じもしないではありません。

まあ、いつも片手で持つわけじゃないし、重たくなったら置けば良いんだしね!

と妥協ポイントを事前に考えておく必要はありそうです。

そして、他にも気になる点があります。

メーカー自慢のエコナビがこのモデルにも搭載されているのですが、従来品(SSシリーズ)では、ゴミの量を感知するセンサーと床面の種類を感知する2つのセンサーでブラシの回転数を制御していたのに対し、この「MC-HS700G」では床面の検知は行わず、ゴミの量だけで回転数を制御することになっているようです。

これだと、どう考えても回転数を制御する正確性が劣るような気がするのですが、もしかすると蓄積されたノウハウにより、床の検知など不要になったということかもしれません。

また、フィルターも従来品(SSシリーズ)ではULPAフィルターが搭載されていたのに対し、「MC-HS700G」では「アレル物質抑制抗菌酵素加工フィルター」というやたら長い名前になっています。要するに高性能といわれるULPAフィルターでは無さそうな感じがするのです。

さらにフィルターの自動クリーニング機構もなくなっていますが、これはゴミ捨て前にグリグリとハンドルを回してあげれば良いだけなので大したことは無いかもしれません。

おまけに細かいことを言うと、「全長が従来品(SSシリーズ)と比べて約60mmカット!」とされている割に、全幅で18mm、全高で47mm大きくなっていてサイズ感としては大差ないんじゃないかという疑惑もあったりします。

コードレスには出来るけど、能力&仕様はちょっと低下、、、という印象もしないではありません。

しかし、もちろん良いところもあります。

運転音は54〜57dBと比較的静かな部類に入りますし、静電気を除去して細かいゴミを取ることが出来る「パワフル自走ノズル」や暗い場所を照らすことの出来る「LEDナビライト」、ワンタッチでヘッドからノズルを分離出来る「親子のノズル」などの便利機能は継続されています。

エコナビは機能削減されていたとしても、約20ミクロンのゴミを感知する「ハウスダスト発見センサー」は健在ですし、アイドリングオフ機能もあります。

従来品と比べさえしなければ、それなりに良く出来た掃除機ということになるのではないでしょうか。

そして、ともかく充電池を搭載しているのです。

片手で持ち上げて振り回すという無茶をしなければ、やはり何かというときに電源につながなくても掃除が出来るというのは決してマイナスポイントではないでしょう。

欲を言えば、電源コードを差しているときに自動で充電もしてくれると良かったかもしれません。一応、本体をコードにつないで使用している間、取り出した電池だけ別に充電出来るようにはなっています。

充電池があることで従来には無い使い方も可能です。

USBコードをつなぐことで電源としても使用できるのです。スマートフォンで60時間の通話が出来るくらいという電気量が、実際問題どれくらい役に立つのかは良く分かりませんが、無いよりはあった方が良いということは間違いないでしょう。

肝心の「パワープレスサイクロン」なるサイクロン機構は、ある程度大きなゴミを遠心力で除去しつつ、最後はフィルターでばっちりと受けとめるという、典型的なフィルター&サイクロン構造ですが、これは他のメーカーのフィルター&サイクロンモデルと同じく、フィルターの掃除さえしっかり行えば、掃除機としては全く不都合はないので、「問題無し」と考えるしかありません。

家のコンセントや家具の配置に問題があって、掃除の仕方にいつも頭を悩ませている、という人にとっては検討候補に上がって来る製品かもしれません。まあ、メイン掃除機とハンディタイプの掃除機との2台持ちの方が先に検討されてしまうかもしれないという懸念もありますが、、、。

■MC-HS700Gのスペック

タイプサイクロン式
集じん容量0.4L
吸込仕事率約100〜300W
消費電力約380〜850W
運転音コード式:約54〜57dB(コードレス:53dB)
サイズ幅286×奥行342×高さ360mm
重さ(標準使用時)4.9kg(6.8kg)※電池含む

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