恐怖のダニクラッシャー!?日立のふとんクリーナー「PV-FC100」

日立「PV-FC100」


日立 掃除機 ふとんクリーナー PV-FC100 N シャンパン

メカニカルでちょっといかつい印象もする日立のふとんクリーナーです。

この「PV-FC100」は、サイクロン式のふとんクリーナーで「ふとんやソファのハウスダストを軽い操作でしっかり吸引」してくれるそうです。

まあ、、、とりあえず普通な感じです。

あまりワイドじゃないワイドビーター

この「PV-FC100」には「ワイド電動パワフルビーター」という、単純に機能を箇条書きしてみたっぽい名前の装置が組み込まれています。

この装置は、ブラシ機能とたたき機能が一体化したローラーとなっていて、ぐるぐる回ることで、ふとんをたたき、ブラシでかき出し、またふとんをたたき、またかき出し、とゴミを集めてくれるのだそうです。

たたき・かき出し効果=約10,000回/分だそうですが、メーカーお手製のイラストを見る限り、ふとんを叩くための突起と、かき出すためのブラシはローラーに交互に付いているようなので、たたき効果=5,000回/分、かき出し効果=5,000回/分と考えるのが正しいのかもしれません。

5,000回という回数は、ふとんクリーナーのたたき回数としては特に悪い方ではありませんが、かき出すためのブラシと併用されることが、どれだけプラスなのか、逆にもしかしてマイナスだったりするのかについては不明です。

そして、この「ワイド電動パワフルビーター」はその名の通り、幅が20cmとワイドなのもウリとされていますが、レイコップ「RS2」、シャープ「コロネ」、パナソニック「MC-DF500G」など、同じような回転機構を備えているライバル製品と比べて、特別ワイドというほどではありません。

だいたい、ふとんクリーナーの回転機構について「標準」となるような幅は定まっていないような気がします。

なのに「ワイド!」と言い切ってしまうのはどうなの?という感じもしますが、これは言ったもの勝ち効果を狙っているのか、あえて自らが率先して「ワイド」の基準となることで、ライバルメーカーにも「ワイド」と名乗りやすくしてあげているのか、実は次世代モデルの開発がもう進んでいて、そのモデルで「ダブルワイド(WW)」を打ち出すための巧妙な布石なのか、メーカーの意図は読めませんが、読めなくても特に問題は無さそうです。とりあえずこの「ワイド電動パワフルビーター」は、今のところそんなに「ワイド」じゃない、という結果は覆らないでしょう。

必殺!?ダニプレス!?

「ワイド電動パワフルビーター」が、実はそれほどワイドではないということは、軽く肩透かしな雰囲気もありますが、幸いなことに、この「PV-FC100」の最大の特徴は「ワイド電動パワフルビーター」ではありません。

この「PV-FC100」の最大の特徴、それは吸い込んだダニの殺傷率です。

強運転を3分間続けると、この「PV-FC100」に吸い込まれたダニのなんと94.9%が死滅するというのです。

これはメーカーの依頼を受けた試験担当者がダストケースの中で生存したダニの個体数を数えた結果らしいので間違いないでしょう。うーん、なんと不運な担当者でしょう。

そして、それらのダニの死因を調査したところ、ダストケース内壁への衝突がその主な要因だったというのです!

実は、この「PV-FC100」に搭載されているサイクロン機構は、流速約180km/時の強い気流を発生させるらしく、ダニはここに吸い込まれてしまったが最後、猛烈な強風で回転させられ、哀れ最後は壁に激突してその生涯を終えることになるというのです。

名付けて「ダニプレス」サイクロン!

ひゃー!
ダニプレス!

ダニを意図的にプレスしてしまうという、祇園精舎の鐘が鳴りまくりそうな容赦の無さです。掃除が終わった後に、ダストボックスに耳を近づければ、ダニの断末魔の叫びが聞こえて来るかもしれません!

ただ。

これまでダニの殺傷率を前面に出してくる掃除機があまり無かったため、この94.9%という殺傷率が高いのか、実はそれほどでもないのか、よく分からないところもあります。

だいたい、この「ダニプレス」サイクロン自体、本気でダニを殺傷するために開発されたという感じがありません。その証拠に「ダニプレス」は「ふとん内部のダニへの効果は未確認」とされています。

未確認?!

ふとんの表面をトコトコ歩いているダニには効果があるけど、ふとんの中に身を潜めているダニにはそれほど効果がありません!というのでさえなくて、どれくらい効果があるか、未確認?!

そこは確認しときましょうよ!

と言いたくなるところですが、同じくダニ対策にフューチャーしているライバルのふとんクリーナー、シャープ「コロネ」によれば、ダニは掃除機に吸い込まれそうになると、ツメをふとんの繊維に引っ掛けて耐えようとするらしく、ダニにそのツメを外させるためには、40度以上の温風が必要なのだそうです。

なので、シャープさんのダニ研究が正しい場合、ふとんの表面を歩いているダニも、そう簡単には吸い込めなさそうですし、ましてやふとんの中にいるダニなどには、この「ダニプレス」サイクロンはまったく届かない可能性が濃厚なのです。

もし、本当にこの「ダニプレス」サイクロンがダニをターゲットとして開発されたのだとしたら、吸い込んだダニを衝突死させるだけでなく、より多くのダニを吸い込むような工夫がもう少し施されていてもおかしくないはずです。

さらに、この「ダニプレス」は、せっかく吸い込んだはずのダニさえも、その5%以上は逃してしまいます。ダニを気流でグルグル回して壁に激突させるという方法にしても、ダニと一緒に吸い込んだ綿ボコリがクッションになってダニの命を救う、みたいなことは簡単に起こりそうです。

つまるところ、「ダニプレス」という名前はインパクト十分なのですが、確実にダニを探し出し、引きずり出し、そして仕留める!みたいな殺気がこの「ダニプレス」からはあまり漂って来ないのです。

まあ、別にダニをこの世から根絶する必要はないので、それはそれで構わないのですが、この殺気の無さから判断する限り、この「PV-FC100」の開発段階で、吸い込んだゴミを調べてみたら、結構な割合でダニが息絶えてました!じゃ、「ダニプレス」にしちゃう?みたいな、結果としての「ダニプレス」なのではないかという気もしてくるのです。

まとめ

普通に吸引力がウリのふとんクリーナーかと思いきや、ダストボックスでダニを衝突死させてしまおうという、なかなかタカ派な一面のある製品です。ただ、ダニを死に追いやるための必殺のテクノロジーを備えている訳でもないので、威勢は良いんだけど、、、みたいな感じがしないでもありません。

もう1つの決め技として控えている「ワイドパワフルビーター」がそんなにワイドでなかったりする拍子抜けとの合わせ技で一本負けを喫する危険性も感じるのですが、これはよく考えたらワイドではなく、普通なだけなので、実際のところそれほどマイナスポイントではないのかもしれません。

そんな前向きな心持ちで改めてこの「PV-FC100」を見てみると、アイドリングストップ機能も付いていたり、ダストボックスも水洗い出来たりして、良いところもちゃんと備えていることに気がつきます。

何より、ハウスダスト除去率は3分間の強運転で約99.9%とされていて、ダニプレスだ、ワイドビーターという勇ましい言葉だけではなく、実際きっちりと仕事も出来るようです。ただ、フィルター頼みのサイクロン機構の宿命として、サイクロン部のお手入れはそれなりに面倒くさそうなところはちょっと注意が必要でしょう。

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