パワーを除けば高性能&多機能モデル「Dyson Pure Hot+Cool HP04」

いわゆる「羽根の無い扇風機」の多機能タイプです。


空気清浄・送風機能付ファンヒーター Dyson Pure Hot+Cool link HP04WSN(ホワイト/シルバー)

この「HP04」は、扇風機としてだけではなく、温風を吹き出すヒーター、さらには空気清浄機としても使うことの出来る一台三役モデルです。

特に突出しているのは、空気清浄の性能です。

なにしろ、この「HP04」に搭載されているフィルターは、直径0.1マイクロメートル以下の微粒子を99.95%キャッチするというのです。

直径0.1マイクロメートル以下の微粒子=PM0.1です。

PM0.1は一時大きな話題となったPM2.5よりもずっと小さな粒子なので、これをほとんど除去することが出来るということは、PM2.5の除去率は当然それよりも高いということになります。

空気清浄機としてこれほど高い能力を持ちつつ、暑い時には扇風機、寒い時にはヒーターとしても使えるのです。

なるほど、これは便利です。

おまけにこの「HP04」は、wi-fiを経由することでアプリからの遠隔操作をしたり、部屋の空気の状態を外部から確認したりすることも出来ます。それでいて、小さいながら空気の状態を表示するディスプレイが本体に付いているほか、直接操作するためのリモコンも付属するなど、まさに至れり尽くせりな仕様となっているのです。

しかし、この「HP04」が部屋に1台あれば、もうそれで十分!

とはなりません。

この「HP04」の最大の弱点、それはパワーが思いのほか弱いということです。

この「HP04」の最大風量は17.4㎥/分となっていますが、例えばパナソニックのスタンダードなリビング扇風機「F-CS324」の最大風量は42㎥/分(50Hz)となっており、半分未満の風量しかありません。

もちろんこの「HP04」には、空気清浄をするという重要なミッションが課せられているので、普通の扇風機と同列に扱うわけにはいきません。

ただ、その空気清浄についても、8畳空間の清浄時間目安が約27分とされています。空気清浄機の適用面積は30分でキレイに出来る広さが基準となっているので、この「HP04」の場合、8畳の部屋であれば基準的には問題なく使うことが出来るということになります。

しかし、これは空気清浄機としてはかなり非力な部類に入る数字と言って良いでしょう。

空気清浄機市場で根強い人気を誇るシャープの現行ラインアップの中で最も非力なモデルである「FU-J30」は空気清浄の適用面積が13畳となっていますが、この「FU-J30」でも8畳空間をキレイにするのにかかる時間の目安は約21分となっています。

実際の部屋の空気は常に入れ替わっているので、いくら空気清浄機からキレイな空気が出てきても、それ以上に外部から汚れた空気が流入してきては意味がありません。なので、空気清浄機のパワーは強ければ強いほど、実感できる効果が高いことは間違いありません。

実際、シャープの空気清浄機のトップモデル「KI-JP100」の8畳空間の清浄スピードは約6分と格段に早くなっています。

この「HP04」は細かな汚れをキャッチする能力は確かに高いのでしょうが、広い空間に置いてしまうと、その仕事が追いつかないという危険性がありそうです。

ファンヒーターも広い空間用の暖房では無いことを考えると、この「HP04」はなるべく広くない部屋で使うことで、より高い満足感を得られることが出来る製品と言えそうです。

また、この「HP04」の高い空気清浄能力は高価なフィルターによって支えられているので、いまだに明示されていませんが、おそらく数千円と思われるフィルターの交換コストが、1年ごとくらいに掛かってくることは想定しておく必要があるでしょう。

■Dyson Pure Hot+Cool(HP04)のスペック

発売2018年9月
サイズ高さ764×幅248×奥行248mm
重さ5.7kg
適用畳数9畳(空気清浄)
風量17.4㎥/分
運転音-
消費電力-
センサー3種(詳細不明)
交換品フィルター(2種)

コメント