きちんと見劣りするシャープの空気清浄機の下位モデル「FU-J30」

全般的に高い人気を誇るシャープの空気清浄機のラインアップの中で、機能と価格を抑えることを意識していると思われる安価モデルです。


シャープ 空気清浄機 プラズマクラスター 7000 2018年モデル ホワイト FU-J30-W

まず注意しなければならないのは、この「FU-J30」は加湿機能を持たない、ただの空気清浄機であるということです。

空気清浄機に加湿機能があった方が良いのかどうかは大きく意見が分かれるところです。

部屋の空気環境を左右する要素を考えると、空気そのもののキレイさはもちろんですが、空気の乾燥度合いも無視できないところです。

キレイな空気を部屋中に行き渡らせる空気清浄機が加湿機能も備えていると、部屋の空気がキレイなうえに適度に湿度を保っている快適な空間とすることができます。また特に気温が下がる冬においては、適切な湿度を保つことで風邪などのウイルスの働きを抑えることも期待できます。

シャープ、パナソニック、ダイキンなどの国産系メーカーの空気清浄機のメインモデルが加湿機能付きの製品となっているのも、その併せワザ効果を意識していることは間違いありません。

しかし、空気清浄機が加湿機能を備えていることが必須なのかというと、そんなことはありません。

加湿機能を備えるということは、本体内に水分を一度取り込むことになるため、お手入れがしっかりと出来ていないと衛生面の不安を抱えてしまうという弱点も持っているのです。

このため、海外メーカーのブルーエアに代表される本格派空気清浄機の一部などには、空気清浄のみに機能を絞ったモデルも存在します。加湿機能を持たない代わりにパワフルなモデルも多く、ともかくキレイな空気を部屋の中に循環させることに集中して、湿度の調整は加湿器などを使って別途対応しましょうというスタンスです。

なので、この「FU-J30」が空気清浄に特化しているからといって、そのことを承知さえしていれば、それ自体は何の不都合もありません。

次に問題となるのが、この「FU-J30」のパワーです。

この「FU-J30」の最大風量は3.0㎥/分となっており、率直に言ってこれはパワフルとは言いがたい数値です。シャープの現行空気清浄機の最上位モデル「KI-NP100」の最大風量が10㎥/分であることと比べれば、少なくともその数値が大きいものではないことが分かります。そして空気清浄機はその性質上、パワフルなために損をするということがほとんどありません。パワフルな空気清浄機が部屋の空気を素早くキレイにしてしまうことで、困ることは何もないのです。

もちろんパワフルな空気清浄機はそれだけ消費電力も大きくなるのですが、パワフルなモデルの方が運転の効率が高いということもよくあることです。

たとえば、この「FU-J30」の場合、風量3.0㎥/分である「強」運転のときの消費電力は37/43W(50/60Hz)となっていますが、現行の最上位モデル「KI-NP100」は、風量6.5㎥/分である「中」運転のときの消費電力が44Wと、この「FU-J30」の「強」運転のときとそれほど変わらない数値となっています。

しかも、パワフルなモデルは機能も充実していることが多く、素早く室内の空気をキレイにした後は、パワーをセーブして消費電力を抑えた運転に自動で移行することも可能だったりします。

このことが、この「FU-J30」のさらなる弱点を明らかにします。

この「FU-J30」には、空気の汚れを検知するセンサー類が付いていないのです。

このため、この「FU-J30」は、たとえ部屋の空気がキレイになったとしても、自動で運転モードを切り替えることが出来ません。手動で切り替えないかぎり、「強」運転を永遠と続けてしまうのです。たとえ消費電力そのものはそれほど高くなかったとしても、運転を無限に続けてしまった場合は、消費電力=電気代も無限大となります。

要するに、この「FU-J30」は加湿機能もなく、パワーもなく、機能も高くない、ということになってしまうわけですが、まあ、それが下位モデルということです。それほどパワーを必要としない狭い空間で割り切って使用する分には特に大きな弊害は無いでしょう。
ただ、この「FU-J30」のフィルターは、10年目安で交換となるシャープの他の多くのモデルとは異なり、約2年目安というちょっと早いペースでの交換となることは注意が必要です。フィルター価格はオフィシャルで3,200円+税となっており、それなりにコストが掛かることも無視するわけにはいかないところです。

ちなみにシャープの空気清浄機の現行ラインアップには「FU-L30」という、この「FU-J30」に極めてよく似たモデルが存在しますが、似ているのは外観だけではなく、中身の仕様についても全くの共通モデルとなっています。新しい「FU-L30」よりは、旧モデルとなるこの「FU-J30」の方が、より安価なモデルが出回っている可能性があるという点で、ほんの少しだけ有利かもしれませんが、どちらにしても、どうしてもこの製品でなければならないという要素はそれほど多くないかもしれません。

■FU-J30のスペック

発売2018年9月
サイズ幅400×奥行182×高さ463mm
重さ約4.0kg
適用畳数(プラズマクラスター)約10畳
風量1.0→2.0→3.0㎥/分
運転音23→35→44dB
消費電力(50/60Hz)10.5→22/25→37/43W
センサーなし
交換品集塵・脱臭一体型フィルター(FZ-F28SF)

コメント