「大きいことは良いことだ!」を地で行くダイニチの加湿器「HD-LX1219」と「HD-LX1019」

シンプルなスクエア型の外観をしています。

加湿力:1200ml/時の「HD-LX1219」
サンドホワイト↓


ダイニチ ハイブリッド式(温風気化+気化)加湿器(木造20畳まで/プレハブ洋室33畳まで サンドホワイト)DAINICHI HD-LX1219-W

モスグレー↓



加湿力:960ml/時の「HD-LX1019」
サンドホワイト↓


ダイニチ ハイブリッド式(温風気化+気化)加湿器(木造16畳まで/プレハブ洋室27畳まで サンドホワイト)DAINICHI HD-LX1019-W

モスグレー↓



ダイニチの主力製品は暖房器具ですが、加湿機にも力を入れており、家電量販店での販売実績では、メーカー別の販売シェアが6年連続No.1という、加湿器においてもかなりの有力メーカーです。

そして、この「HD-LX1219」と「HD-LX1019」を含む「LXシリーズ」は、加湿能力はもちろんのこと、使い勝手、さらにはデザインにもこだわったという、ダイニチの加湿器の最上位シリーズとなります。

この「LXシリーズ」の最も重要なポイントは、加湿力がハンパなく高いということです。

なにしろ、よりパワフルな「HD-LX1219」は最小で600ml/時、最大で1200ml/時、少しパワーの劣る「HD-LX1019」でも、最小で600ml/時、最大で960ml/時という加湿力です。

「HD-LX1219」の適用畳数は、木造で20畳、「HD-LX1019」は16畳となっています。この半分くらいの広さの部屋で使用しても大きな支障はないと思いますが、この製品の持つ加湿力を把握する前にあまりにも狭い部屋で使用することは避けた方が賢明かもしれません。

そして、少し変わった特徴として、この「LXシリーズ」には、加湿トレー全体を覆うカバーが付いてきます。このカバーは、加湿器を1シーズン使用した後に捨ててしまうことになっています。驚いたことに結構なサイズのあるこのカバーは使い捨てなのです。

これはどうなのでしょうか?

メーカーによると、カバーを使い捨てにすることで、加湿トレーのお手入れが不要になるというメリットがあるとのことなのですが、昨今のエコ重視の風潮には正面衝突しかねない大胆な仕様です。

使い捨てのカバーは最初に付属する1枚以降は別売りとなりますが、3枚入りで1,500円という、なかなかリアリティのある価格設定となっていて、メーカーが結構本気でこのカバー使い捨て方式を採用して来ていることをうかがわせます。

ひょっとすると、お手入れという目の前にある確実な面倒くささと、自分一人の力ではどうにもならない不確かな将来の地球環境とを消費者自身に天秤にかけさせることで、結果として消費者の環境意識を高めるという深謀遠慮がこのカバー使い捨て方式に込められているという可能性もゼロではないのかもしれませんが、「最上位モデルなんだからお手入れもなるべく少なくしとけよ!」という命題を課されたメーカーの担当者が渋々ひねり出した逆転の発想っぽいアイデアという可能性の方がはるかに高そうです。

一応、トレーはカバーを付けなくても使用することが出来るので、カバーの使い捨てに抵抗感がある場合は、普通にトレーのお掃除をちゃんとすれば、問題は生じない構造となっています。

またダイニチの加湿器全般がそうであるように、この「LXシリーズ」は運転音が小さいという長所を持っています。

最も運転音の小さな「静音」ではわずか13dBしかなく、「標準」モードでも最大で34dBしかありません。最大の加湿量が1500ml/時というこの「LXシリーズ」を上回るハイパワー加湿器であるパナソニックの「FE-KXF15」の場合、750ml/時の際の運転音が29dB、1000ml/時で既に35dBに達し、最大の1500ml/時の際には45dBとなっているのと比べると、確かにこの「LXシリーズ」の運転音が小さいことが分かります。

しかしこの「LXシリーズ」は、気化式とヒーターを使用する温風気化式を組み合わせたハイブリッド式の加湿機なので、運転音は小さくとも、消費電力は特別低くありません。

先ほどの パナソニックの「FE-KXF15」の場合、最大加湿量の 1500ml/時の際でも消費電力は47Wしかありませんが、この「LXシリーズ」では、「HD-LX1219」が最大加湿量1200ml/時の際に665/675W(50/60Hz)、「HD-LX1019」が最大加湿量960ml/時の際に420/430W(50/60Hz)となっており、まさにケタ違いの消費電力の大きさとなってしまっているのです。

この大きな差はもちろん「LXシリーズ」 がヒーターを使用することと無関係ではありません。ヒーターを使用しない運転モードである「エコ」にすれば、加湿力は600ml/時まで落ちますが、消費電力も23/28W(50/60Hz)までグッと下がります。「HD-LX1219」で考えると、最大加湿量1200ml/時から加湿力が半減してしまうものの、消費電力は25分の1となるので、かなりの「エコ」度合いと言えるでしょう。ただ、パナソニックの「FE-KXF15」は、加湿量750mlの際に消費電力はたったの12Wしかかからないので、単純に消費電力と加湿量の効率ということになると、やはりこの「LXシリーズ」は不利な立場に立たされてしまうことになります。

しかし、たとえ気化式としての加湿効率で遅れをとっていたとしても、いざというときにヒーターを使用出来ることには当然のことながらメリットがあります。

特に室温が下がる冬では気化式よりも、温風気化式の方がより早く、より確実に加湿をすることが出来ます。また、吹き出される空気に肌寒さを感じないということも、冬に使用するときには良いところでしょう。

この「LXシリーズ」は、お手入れのしやすいシンプルな構造と運転モードやタイマーなど豊富な機能を備えた使い勝手の良い加湿器です。ダイニチの製品は日本製であることと、3年という長期の保証をうたっており、品質への高い自信がうかがえます。単純な加湿力とその効率を重視する場合は、気化式が最も合理的な選択となるのかもしれませんが、加湿の特徴まで考慮した時に、この「LXシリーズ」も選択肢として候補に上がって来る可能性は十分にあるでしょう。

ただ、やはりこの「LXシリーズ」はあくまでも本気で室内の加湿を考えている人向けのモデルだということは忘れてはいけません。

高い加湿力を誇る分、この「LXシリーズ」の水タンクは7リットルと実に巨大なサイズとなっています。本体も6kg以上あるので、水を満杯にしたタンクと本体とを一緒に持ち運ぶことは、まさに腰を抜かすような重さとなる可能性があり、全く推奨されていません。購入する場合は設置場所や、どこで水を入れて、どこまで水タンクを運ぶのかなどの使用手順についても、事前に確認しておいた方が良いでしょう。

また、「HD-LX1219」と「HD-LX1019」の違いは、加湿力の違い(と本体価格の違い)しかありません。湿度への渇望が強い場合は、当然パワフルな「HD-LX1219」を選んだ方が良いでしょう。

■HD-LX1219のスペック

発売2019年9月
加湿タイプハイブリッド(温風気化×気化)
適用床面積木造:20畳 プレハブ:33畳
加湿量600〜1200ml/時(ターボ時:1300ml/時)
連続加湿時間5.8〜11.7時間
消費電力(50/60Hz)23/28〜665/675W
運転音13〜34dB(ターボ時:40dB)
サイズ高さ405×幅390×奥行245mm
重さ約6.4kg
タンク容量7.0リットル
フィルター交換抗菌気化フィルター・抗菌エアフィルター

■HD-LX1019のスペック
発売2019年9月
加湿タイプハイブリッド(温風気化×気化)
適用床面積木造:16畳 プレハブ:27畳
加湿量600〜960ml/時(ターボ時:1100ml/時)
連続加湿時間7.3〜11.7時間
消費電力(50/60Hz)23/28〜420/430W
運転音13〜34dB(ターボ時:40dB)
サイズ高さ405×幅390×奥行245mm
重さ約6.4kg
タンク容量7.0リットル
フィルター交換抗菌気化フィルター・抗菌エアフィルター

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