ザ・加湿ボックス。ダイニチのハイパワー加湿器「HD-182」

なんの変哲もない、よく言えば悪目立ちのしないシンプルな外観をしています。



ダイニチ ハイブリッド(温風気化+気化)式加湿器 HD-182-W

ダイニチの加湿器はもともとデザイン重視という感じはありませんが、この「HD-182」は全体もほぼ白1色という素っ気なさです。

もちろんこれは、この「HD-182」がオフィスや店舗などある程度の広さがある空間での使用が想定されているモデルだからでしょう。ヘタに色を付けてしまうとその場所の内装に馴染まない可能性があるので、白がベストということなのだと思われます。

「広いスペースもこの1台でたっぷりうるおい」

というキャッチコピーが付けられているこの「HD-182」の加湿量は、なんと1,800ml/時にも及びます。

この「HD-182」は、加湿量1,500ml/時の「HD-152」、加湿量1,800ml/時の「HD-182」、そして加湿量2,400ml/時の「HD-242」の3モデルから構成されるダイニチのハイブリッド加湿器のパワフルモデル、通称パワフル三兄弟(ウソ)の次兄です。

このクラスになると、普通レベルの加湿器ではまったく太刀打ちできません。

羽の無いダイソンの超音波式加湿器「Dyson HygienicMist」の加湿量はたったの300ml/時、象印のスチーム式ポット型加湿器「EE-RM50」はわずか480ml/時、シャープのプラズマクラスター入りハイブリッド加湿器「HV-G70」でも670ml/時です。

これらは全て普通の家庭向けのモデルなので、まあ仕方ないと言えるでしょう。

この「HD-182」は温度&湿度に基づく自動運転は当然可能ですが、特別な機能はありません。通常よりも高い湿度を目指す「のど・肌加湿」の他は、ON・OFFタイマーくらいしかないのです。

何十畳レベルの広大な空間を相手にして何か特殊な機能を付けても、あまり意味が無いということなのでしょう。

ただ、特に機能が無いということになると、純粋にスペックの違いが製品の良し悪しを大きく左右するということになります。

そして、ハイパワー加湿器ではパナソニックが加湿量1,500ml/時の「FE-KXF15」、2,000ml/時の「FE-KXP20」、さらに2,300ml/時の「FE-KXP23」と豊富なラインアップを揃えています。

この「HD-182」のターゲットとなるのは、まずは加湿量1,500ml/時の「FE-KXF15」、そして2,000ml/時の「FE-KXP20」ということになりそうです。

加湿量消費電力運転音タンク容量価格目安
HD182(ダイニチ)1800ml/時最大390W15〜42dB12L(6.0×2)42,000円
FE-KXF15(パナソニック)1500ml/時12〜47W29〜45dB9L(4.5×2)48,000円
FE-KXP20(パナソニック)2000ml/時8〜32W25〜40dB12L(6.0×2)76,000円

この3モデルを比べてみた場合、この「HD-182」はヒーターを利用するハイブリッド式の加湿器のため、気化式のパナソニックの加湿器とは消費電力に大きな差があります。まさにケタ違いと言えるでしょう。加湿量の最も多い「FE-KXP20」が最も消費電力が少ないという不思議なことになっていますが、これは「FE-KXP20」が2017年発売なのに対し、「FE-KXF15」が2010年発売とちょっと年季が入っていることと関係していると思われます。

どちらにせよ、消費電力では太刀打ちすることが難しいことをメーカーのダイニチも意識しているのか、この「HD-182」では、静音性がアピールされています。

なるほど、運転音の最低値を見れば、この「HD-182」はパナソニックの2モデルよりだいぶ静かだということが分かります。最高値ではそれほど違いはありませんが、この「HD-182」には加湿量は1,200ml/時に落ちるものの、運転音が最高値でも28dBまでしか上がらない「静音」という運転モードもあるので、音の静かさが重要なポイントとなる場合は優位に立てる感じがします。

しかし、何よりも大きいのは本体価格の差でしょう。

「FE-KXF15」はまだしも、「FE-KXP20」との本体価格差は消費電力がいくら低くとも、そこで浮いた電気代で埋めようとするには大き過ぎる金額差でしょう。

なので、運転音の静かさを優先的に考える場合や、運転音はどうでも良くても予算を気にする場合などは、この 「HD-182」 が有力候補として浮上してくる可能性は十分にありそうです。

逆におカネに糸目を付けず、ともかく良い製品を選びたい場合や、幸運なことに格安のライバルモデルを見つけてしまった場合などは、この 「HD-182」は決して優先的に選択されるポジションにいるとは言えないかもしれません。

■HD-182のスペック

加湿タイプハイブリッド式
適用床面積木造30畳・プレハブ50畳
加湿量1800ml/時
連続加湿時間6.7時間
消費電力42〜390W
運転音15〜42dB
サイズ高さ410×幅450×奥行125
重さ約9.2kg
タンク容量12L(6.0Lタンク×2)
フィルター交換5シーズン(4,000円/2個セット)

■交換部品

抗菌気化フィルター(交換目安=5シーズン)※1シーズン=6ヶ月

ダイニチ 抗菌気化フィルター H060519

抗菌エアフィルター(交換目安=汚れが落ちにくくなったら)

ダイニチ 抗菌エアフィルター 2枚入り H060536

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