色々と侮れないセレブ加湿器。カドー「HM-C400」

ハイコスト&ハイパフォーマンスの空気清浄機を生み出した新興勢力、カドー(旧エクレア)の加湿器です。



空気清浄機同様、なかなか斬新なデザインです。

「乾燥とウイルスから守る、頼れるミスト」

だそうです。

まるで、世の中には頼れないミストがあるかのような言いっぷりなわけですが、たぶん本当にそのつもりなのだと思われます。

この「HM-C400」は超音波式の加湿方法を選択しています。超音波式と言えば、霧吹き型の加湿を行うため、日常的にお手入れをしないと水タンクが雑菌の温床となってしまうことが弱点となっています。頼れないミストというものがあるとすると、恐らくこのことを指しているのだと思われます。

では、「HM-C400」の”頼れるミスト”の衛生面はどうなっているかというと、、、

「ゼオクレア・テクノロジー」!

どーん!!

なんと、タンク内の水と空気中の雑菌を一度に除去する必殺の技術が搭載されているようなのです!

わー!それは素晴らしい!

ただ、「ゼオクレア・テクノロジー」って何なのでしょう?

どうやら、特殊加工された沸石を水タンクの中に組み込んでいるようです。沸石には水溶液中で毒素の吸着作用があるようですので、その効果を利用していたりするのかもしれませんが、詳細は不明です。

、、、。

それだけ?

という感じもしますが、独自開発の抗菌ゼオライト(=沸石)だそうなので、よほど高い効果があるのかもしれません。

というか、効果が無いと困ります。

なにしろ、このゼオライトの入った抗菌カートリッジは、1つ5,980円もするのです。

えー!

しかも、それを半年ごとに交換しなければならないのです。

ええー!

1年で11,960円。

これは、そこそこの能力を持つ加湿器本体を1台購入出来る金額です。

、、、。

しかし、間違っても「高い」などと言う泣き言は許されません。

なにしろ、この「HM-C400」は、そのオリジナリティあふれるデザインの都合上、水タンクを洗うことが非常に困難、もしくは不可能と思われるのです。

詳細な寸法は不明ですが、水タンクの全高は40cmを軽く超えてくると思われます。普通のシンクでこの水タンクを洗うには、ちょっとした気合いと根性が必要となりそうです。当然給水も難しいのですが、メーカーもそこは把握しているらしく、専用の給水用水差しが付属しています。

水タンクをキッチリと洗えない以上、抗菌カートリッジは必須です。ここは開き直って、たった5,980円で半年の健康が買えるなら安いもの、と考えた方が得策でしょう。

もちろん、抗菌カートリッジだけでなく本体価格にも妥協はありません。

そのお値段、39,800円。

カドーがセレブ御用達製品メーカーだということを嫌でも思い出させてくれます。

ただ、これは超音波式の加湿器としては驚異的な価格設定ですが、抗菌カートリッジの金額を考えると、もしかすると本体価格はむしろ安いとさえ言えるのかもしれません。

しかし、セレブ御用達製品としては、少し気になるところもあります。

この「HM-C400」は、600ml/hというパワフルな加湿量もアピールしています。

しかし、これは「急速」という運転モードの場合で、1つ下の「強」になると400ml/hまで低下します。400ml/hの加湿量となると、それほどパワフルという感じはしなくなります。

それだけならまだ良いのですが、この「HM-C400」は「1回の給水で最大24時間の連続運転が可能」ともされています。

水タンクの容量は2.4Lのため、「急速」の600ml/hのままで加湿を続けると、実際は4時間で水切れを起こします。24時間の連続運転をするためには加湿量を最小にしなければなりません。そしてその際の加湿量は100ml/hです。

、、、。

100ml/hとなると、もはや卓上型クラスの加湿量です。

確かに600ml/hはそこそこパワフルですし、100ml/hの加湿量にすれば24時間程度の連続運転が可能です。

なので別に表現に偽りがある訳ではないのですが、かなりミスリードっぽいアピールの仕方のような感じがします。少なくとも横綱相撲という感じはしません。セレブ向け、高級加湿器としては、ちょっと微妙なところではないでしょうか。ただ、まあ湿度&温度センサーに基づく自動運転は可能ですし、特徴的なデザインがお気に召せば、何が何でも避けなければならない製品ではないことも確かです。

ただし、くれぐれも抗菌カートリッジの交換だけは忘れないよう注意が必要でしょう。

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