ミーレの技術と伝統が結集されたはずのロボット掃除機

ミーレ Scout RX1

とうとう、あのミーレがロボット掃除機を投入です。


ミーレ Miele ロボットクリーナー Scout RX1 SJQL0

満を持して、ということになるのでしょうか。

ミーレの幹部の人によると「すべてにおいて、ミーレのブランド価値を体現するロボット掃除機」だそうです。

おおー。

なにしろ80年以上もの掃除機開発の歴史を誇るドイツのビッグメーカー、ミーレです。
たとえ、相手がロボット兵器仕込みの最新テクノロジーを誇るルンバであろうと、これは一歩も引く気は無さそうです。

「スマートナビゲーションシステム」でササッと掃除!

製品カタログの表紙には、

「みるみるうちに、隅々まできれい」

というキャッチコピーがドーンと掲げられています。

、、、。

まあ、このキャッチコピーは正直、フツーな感じですが、カタログによるとどうやら、この「Scout RX1」は特にナビゲーションシステムに自信があるようです。デジタルカメラ、センサー等によるミーレ独自のシステムが今までにない緻密さと正確さで「Scout RX1」をナビゲートし、掃除してくれるのだそうです。

ロボット掃除機が部屋を掃除する方法には大きく分けて2つあります。

王様ルンバの採用するランダム方式と、他社の多くが採用する、まず部屋の大きさを把握した上で、縦横の直線的に掃除していく几帳面方式です。

どちらが良いのか?

通常の場合は、より多くのメーカーが採用している方式の方が有利な感じがしますが、今のところ少数派のランダム方式を採用しているルンバが様々な使用テストで比較的優れた成績を収めている印象です。

その理由として、ルンバがランダムに様々な方向から落ちているゴミを吸引するのに対し、几帳面型は基本的に1方向、或いは2方向からしか吸引しないため、一度ゴミを取りこぼしてしまうと、再度そのゴミを吸引し直すということが難しいという可能性が考えられそうです。

実際、ルンバが1カ所あたり平均4回走行するとしているのに対し、几帳面方式ではその多くが1回、多くても2回ほどです。

これでは他社製品が同じ場所でルンバの2倍程度の吸引力を発揮しなければ、ルンバ並みに掃除することが難しいのは当然です。

そして、几帳面型は走行回数が少ない分、掃除時間が短い傾向があり、これは多くの場合利点とされていますが、掃除時間が短くて喜ばれるのは特に人間が掃除をしている場合で、ロボットが掃除が何時間掃除をしていようが(人の生活に影響しない限りでは)本当のところ人間は一向に構わないのです。

ランダム方式も、部屋のどこまで掃除が終わっているのか途中段階では全く分からなかったり、実際は掃除漏れがあったりするのでは?という疑惑があったりもするので、ランダム方式だから優れているという訳でもないでしょう。

結局のところ、しっかりと掃除をしてくれることがロボット掃除機にとって最も大切なポイントであるということは間違いありません。

そして、「スマートナビゲーションシステム」をうたう、この「Scout RX1」は几帳面型の掃除方法です。

そして、案の定この「Scout RX1」も「効率的な」掃除が出来ることをアピールしています。

一応、他社のナビゲーションシステムとの違いとして、通常の掃除が終わったあとに、部屋の壁際とコーナーだけを再度掃除する機能を搭載しています。

この機能はなかなか良さそうです。

壁際とコーナーはどうしてもゴミが残りやすいところなので、たとえそこだけでも複数回掃除をしてくれるというのは、ゴミの回収率が高まりそうです。

しかし、だからと言って「スマートナビゲーションシステム」がランダム方式(主にルンバ)より優れているという感じも特にはしません。

80年の技術の結晶!、、、なのかな?

この「Scout RX1」は、「スマートナビゲーションシステム」の他、高性能センサーで家具や壁への衝突、段差への落下を回避したり、リモコンで指定箇所を掃除出来たり、ダストボックスは簡単に取り出せたり、タイマーで掃除時間を指定出来たりします。

、、、ただ。

これらの機能は他の製品の多くにも既に搭載されています。

特にメーカーが最大のライバルと目しているであろうルンバには普通に搭載されています。
さらに言ってしまえば、ルンバの現行モデルにはゴミの量を感知するゴミセンサーまで付いています。

この「Scout RX1」も押さえるところは押さえているのでしょうが、パッと見では、ルンバの最新モデル「800シリーズ」の方がやっぱり高性能なんじゃないの?、、、という感じを拭えません。

これで「1927年からの技術の結晶」と言ってしまって良いのでしょうか?

しかし!

この「Scout RX1」にはルンバに確実に優っていると思われる点があります。

それは、充電時間と稼働時間です。

なんと、この「Scout RX1」は2時間の充電で最長2時間の連続運転が可能だというのです。

2時間で2時間!

ちなみにルンバは3時間充電で最長2時間の稼働なので、充電/稼働時間の効率で比べればルンバの1.5倍という効率の良さです。これはなかなか優れているのではないでしょうか?

この稼働時間の長さのおかげで、この「Scout RX1」は最大約93畳もの広さを1度の充電で掃除することが出来ます。

もしかすると「ざっくり」とした掃除になってしまうかもしれませんが、ご自宅に大広間がある場合は検討の余地がありそうです。

まあ、そんなご家庭の場合は掃除をしてくれるお手伝いさんがいてくれたりするのかもしれませんが、、、。

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