静電モップを本気で付属品にしたコードレス掃除機。アイリスオーヤマ「IC-SLDCP5」

シンプルなスティック形状をしたコードレス掃除機です。



アイリスオーヤマ 極細軽量スティッククリーナー 静電モップ付き IC-SLDCP5

キャッチコピーが「極細軽量スティッククリーナー」となっているだけあって、ヘッドやバッテリーを付けた状態でも重さは1.4kgとかなり軽くなっています。

そして見逃せないのが、この「IC-SLDCP5」の床用ヘッドには「パワーブラシ」が搭載されているということです。

1.4kgという軽さでありながら、パワーブラシが付いているとなると、軽くても吸引力に妥協していませんよ!という感じがして好印象です。実際、この「IC-SLDCP5」は、従来モデルの3倍の吸引力があるのだそうです。

ただ、この3倍という数字には、ちょっとグレーなところがあります。

比較対象となっている「従来モデル」とは、2015年発売の「IC-SLDC1」のようですが、従来モデル「IC-SLDC1」は、床用ヘッドにパワーブラシはおろか、回転ブラシそのものが無いタイプの掃除機なのです。

これはどうなのでしょう?

「吸引力3倍」というのが、どのような条件での話なのかについて、詳しい説明はありません。しかし、もしもその条件が回転ブラシがその効果を発揮しやすいカーペット上での場合だったりすると、回転ブラシの無い「IC-SLDC1」との吸引力対決は、ちょっとハンデを貰いすぎのような感じもします。

そもそもこの「IC-SLDCP5」の「サイクロンパワーヘッド」は、回転ブラシの後方で空気が縦方向に渦を巻くことでホコリを強力に吸引するとされていますが、正直なところ、この原理と効果はよく分かりません。

何となく強力だぜ!と言ってみたいだけのような感じがしてならないのですが、まあ実際に吸引力が強くなっているということであれば、それがモーターのおかげであれ、電圧のおかげであれ、気にする人はそれほどいないでしょう。

そして何より、この「IC-SLDCP5」のウリは、ちょっとグレーな吸引力だけではないのです。

実はこの「IC-SLDCP5」の最大の特徴は、本体とは別に「静電モップ」が付属してくるということにあります。

掃除機と静電モップ。

言うなればホウキとハタキの関係でしょうか。もちろん相性は抜群ですが、完全に別の掃除道具です。これを付属品として扱うことにどんな意味があるのか、一瞬当惑してしまいます。

メーカーは、この「IC-SLDCP5」で掃除をしつつ、狭いところや高いところは「静電モップ」を使って掃除をすることを想定しているようです。

実に普通の使い方です。

そんなの普通にハタキでやるからいいよ。

と考えてしまいそうですが、なんとこの「IC-SLDCP5」には、「静電モップ」を入れておくための、本体に装着できる「帯電ケース」が付属して来ます。

本体を使って掃除をしている間は、「静電モップ」をこの「帯電ケース」に入れて静電気を溜めておいて、掃除をしながら気になった場所があれば、「帯電ケース」から「静電モップ」を引き抜き、ササっとホコリを拭き取って、また「帯電ケース」に戻せば良いのです。

そしてさらに、掃除が終わり、この「IC-SLDCP5」を充電スタンドに乗せたあと、充電スタンドの一番下に空いている穴に「静電モップ」を差し込めば、本体を使って「静電モップ」のゴミを吸い取ることが出来るようになっています。

充電スタンドに開いている穴の入り口には、静電気を取り除く除電プレートが付いているので、モップに付着したゴミも取り除きやすくなっているようです。

どうやらこれは、かなり本気でこの「IC-SLDCP5」と「静電モップ」を組み合わせて来ているようです。

この仕組み(?)を指して、メーカーが業界初の「静電モップクリーンシステム」と名付けてしまいたくなるのも分からないでもない熱の入れようです。

別に「静電モップ」が付属していなくても、自前でハタキや市販の静電モップを用意して同じように掃除をすることは出来ると思うのですが、「帯電ケース」も含めて付属してくれていた方が一緒に使いやすいかもしれない、ということは認めなければならないでしょう。

さらにこの「IC-SLDCP5」には、「ほこり感知センサー」が搭載されていて、汚れの多いところと、少ないところで自動でパワーを調整してくれたり、ちょっと手を放したいときに本体が自立するようになっていたりします。

この「IC-SLDCP5」に搭載されている1つ1つの機能は特別画期的なものではないのですが、「静電モップ」という異質な道具を組み込んだことで、他には無いタイプの製品として仕上がっています。

バッテリーの寿命が充放電約500回とそれほど長くなかったり、「ハンディクリーナー」にする場合は、極細と言いつつそれほど細くない本体を直に持つことになるせいで持ちにくかったりと、気になる点もありますが、オフィシャルで約25,000円前後という価格でこれらの機能が詰め込まれていることを考えると、なかなかの意欲作と言えそうです。

紙パック式であることが気にならず、大きな充電台を置くスペースに困らなければ、有力な候補として浮上してもおかしくない製品でしょう。

また、この「IC-SLDCP5」には兄弟モデルとして「KIC-SLDCP5」が存在します。

■兄弟モデル「KIC-SLDCP5」


アイリスオーヤマ 極細軽量スティッククリーナー KIC-SLDCP5

「KIC-SLDCP5」をこの「IC-SLDCP5」と比べると、付属品の「使い捨てダストパック」が25枚→81枚へと大量に増量され、本体カラーがシルバー→ピンクゴールドへと変わっていますが、製品の仕様は同じです。

現状この2つのモデルの実勢価格はそれほど変わらないので、ダストパックが多い分、「KIC-SLDCP5」の方がお得となるわけですが、ダストパックは25枚入りで約400円とそれほど高価なものではありません。

なので「KIC-SLDCP5」が「IC-SLDCP5」より900円まで高い分には、ダストパックが多い「KIC-SLDCP5」の方がお得ですが、それ以上の価格差がある場合は「IC-SLDCP5」の方がベターということになります。まあ安い方を選んでおけば、だいたい間違いないでしょう。

■IC-SLDCP5のスペック

発売2018年6月
集じん容量0.3リットル
吸込み仕事率-
運転時間ターボ:約8分 / 標準:約20分 / 自動:約30分
充電時間約3時間
運転音-
サイズ(本体)幅224×奥行163×高さ1043mm
重さ1.4kg
バッテリー寿命充放電約500回
バッテリー価格6,980円+税

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