「圧迫感のないコンパクトタイプ」という触れ込みの空気清浄機です。「MC55W」と「ACM55W」は、型番の「MC」と「ACM」の違いで流通ルートの違いを表しているらしく、製品の仕様自体は同じです。
ホコリセンサーとニオイセンサーを搭載しており、センサーに基づいた自動運転も可能となっていて、まあ、無難感のある空気清浄機と言えるでしょう。
ダイキン 空気清浄機(25畳まで ホワイト)DAIKIN ストリーマ空気清浄機 MC55W-W
全体的にシンプルな印象の外観には、確かにそれほど圧迫感はありません。
本体そのもののサイズについても、ダイキンの他の空気清浄機が高さ60cm、タワー型となると70cmを超えているのに対して、この「MC55W(とACM55W)」は、高さ50cmとだいぶ低くなっているので、十分「コンパクト」な感じはあると言えそうです。
ただ。
ダイキンの空気清浄機は加湿機能付きのモデルがメインとなっていて、流通ルート違いの別型番モデルを除くと、全4モデルのうち3モデルが加湿機能付きで、加湿機能を持たない空気清浄専用モデルは、この「MC55W(とACM55W)」しかありません。
加湿機能が無い=加湿フィルターと水タンクが不要=本体サイズがコンパクトになる
この等式が成り立つのは、考えてみれば至極当然のことかもしれません。
実際、この「MC55W(とACM55W)」の本体サイズは、幅270×奥行270mmの底面に高さ50cmですが、この底面積自体は、タワー型モデルの加湿機能付き空気清浄機である「MCK55W(とACK55W)」や、「MCK40W」と同じとなっています。
製品 | 加湿機能 | サイズ | 重量 | 最大風量 | 価格 |
---|---|---|---|---|---|
MC55W | なし | 高さ500×幅270×奥行270mm | 6.8kg | 5.5㎥/分 | 35,000円くらい |
MCK70W | あり | 高さ600×幅395×奥行287mm | 12.5kg | 7.0㎥/分 | 72,000円くらい |
MCK55W | あり | 高さ700×幅270×奥行270mm | 9.5kg | 5.5㎥/分 | 51,000円くらい |
MCK40W | あり | 高さ700×幅270×奥行270mm | 9.5kg | 4.0㎥/分 | 39,000円くらい |
空気清浄機に加湿機能があった方が良いのかどうかについては、個人の思想信条によって分かれるところですが、今のところ国内系のメーカーはメインモデルを加湿機能付きとして、品揃えの幅的な扱いで空気清浄専用モデルをラインアップしています。室内環境の快適さを左右する要素として、湿度は重要な要素なため、部屋の空気循環を担う空気清浄機が加湿機能を備えていることは理にかなっていると言えるでしょう。一方、加湿機能に必要な水タンクやトレー、フィルターなどは雑菌やニオイの元となりやすく、せっかくの空気清浄機が自ら汚染源となってしまう危険性もあり、海外メーカーのブルーエアなどは空気清浄専用モデルをメインとしています。
もちろん、国内の屈指の空調機器メーカー、ダイキン製であるこの「MC55W(とACM55W)」の場合、「品揃えの幅」扱いの製品となり、空気清浄専用モデルとして何かスペシャルな性能があるわけではなく、加湿機能が付いていない空気清浄機として、なるべくお求めやすい価格でラインアップに並ぶという役割を担っています。「コンパクト」なサイズは、最初からそこを狙っているわけではなく、機能を省いた結果の産物という理解をした方が近いかもしれません。そしてもちろん、これはダイキンに限ったことではないので、国内の他のメーカーにも同じようなモデルが存在します。
メーカー | 製品名 | サイズ | 重量 | 最大 風量 | 消費電力 | 価格 | 発売 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ダイキン | MC55W | 高さ500×幅270×奥行270mm | 6.8kg | 5.5㎥/分 | 37W | 35,000円くらい | 2019年 |
シャープ | FU-L50 | 高さ540×幅383×奥行209mm | 4.9kg | 5.1㎥/分 | 49W | 31,000円くらい | 2019年 |
パナソニック | F-PXS55 | 高さ580×幅300×奥行195mm | 5.8kg | 5.5㎥/分 | 49W | 36,000円くらい | 2019年 |
ブルーエア | Classic 205 | 高さ530×幅440×奥行210mm | 10kg | 6.23㎥/分 | 52W | 41,000円くらい | 2018年 |
参考として並べたブルーエア「Classic 205」は、さすがにラインアップに空気清浄専用モデルしかないメーカーの製品らしく、この中では最もパワフルなモデルとなります。しかし、ブルーエアのラインアップの中では低価格のモデルとなるせいか、空気中の汚れを検知するセンサー類を一切搭載していないという盲目飛行タイプであるという弱点も抱えています。しかもそれでいて本体価格はこの中では一番高いという、ちょっと選択しづらいスペックとなっています。どうせ高価なブルーエアを選択するなら、機能的にも充実するもう少し上のモデルにした方が満足感を得られるかもしれません。
「品揃えの幅」扱いとなるシャープ「FU-L50」、パナソニック「F-PXS55」、そしてこの「MC55W(ACM55W)」については、似たり寄ったりの仕様と言えるかもしれません。「コンパクト」についても、ケタ違いに大きなモデルは無く、薄型だったり、全体的なサイズが小さかったり、好みと設置スペースによって評価が分かれそうな形状の差となっています。ただ、その中でもホコリとニオイはもちろん、照度センサーまで搭載しているパナソニック「F-PXS55」が、仕様的には一歩抜け出している感じがありそうです。逆にシャープ「FU-L50」は、ニオイセンサーしか搭載しておらず、ちょっと見劣りしてしまいます。一応、ホコリとニオイセンサーの両方を搭載している、この「MC55W(とACM55W)」がその間に入りそうです。
奇しくも市場価格も高い順から、 パナソニック「F-PXS55」→ダイキン「MC55W(ACM55W)」→ シャープ「FU-L50」となっていることが多いようなので、まあまあ実情を表していると言えるのかもしれません。ただ、実際問題それほど大きな性能差があるわけでも無いので、その時の価格やデザインの好みで選択しても、満足感にそれほど大きな差はつかなさそうです。このあたり、さすがは「品揃えの幅」扱いということを感じさせるところでしょう。
■MC55W(ACM55W)のスペック
発売 | 2019年9月 |
サイズ | 高さ500×幅270×奥行270mm |
重さ | 6.8kg |
適用畳数 | 25畳 |
風量 | 1.1→2.0→3.2→5.5㎥/分 |
運転音 | 19→29→39→53dB |
消費電力 | 7.0→9.0→15.0→37.0W |
センサー | ホコリ・ニオイ |
交換品 | 静電HEPAフィルター・ストリーマユニット |
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