新境地のAIを搭載したロボット掃除機。アイロボットのルンバ「j7+」と「j7」

ロボット掃除機の最強ブランド、ルンバの最新シリーズです。落ち着いた外観は現行の他のモデルの中でも高級感を感じさせるものとなっています。

ゴミを溜めておけるクリーンベース付きの「j7+」


本体の機能は同じながら、クリーンベースに接続出来ない「j7」


日本にロボット掃除機を広めたパイオニアでありながら、いまだにトップランナーであり続けるアイロボットの最新シリーズです。

最大の特徴は、周囲の状況を確認するカメラを本体の正面に搭載したことです。

カメラが認識できる範囲も広くなっていて、従来モデルと同じように部屋の間取りをデータとして把握する能力に加えて、床に落ちている物を識別することが出来るのだそうです。

識別できる物は、コード類とペットの排泄物、そして靴下やスリッパなどだそうです。コード類や靴下などは吸い込んでしまうとルンバが動けなくなる原因になりますし、ペットの排泄物に至っては、吸い込んでしまうと本体の中まで汚れてしまったり、周囲の床に汚れを拡げてしまったりと、まさに悲劇的な結果を招くことになりかねません。

自動でそれを防ぐことが出来るのであれば、実に素晴らしい機能です。

しかし、この「j7」シリーズの識別能力をどこまで信頼出来るのかについては、試してみないと分かりません。それどころか、コードやペットの排泄物が床に落ちているパターンはまさにケースバイケースだと思われるので、ひょっとすると試してみても分からないという、なかなか難しいところがありそうです。

もちろん、そんなことはメーカーのアイロボットは百も承知なのでしょう。

アイロボットは世界中で使われているルンバから、ルンバにとって「障害物」となる物の情報をデータとして集めているのだそうです。アプリを通じてこの「j7」シリーズをアップデートすることで、それらのデータを反映した、より適切な判断が出来るようになる可能性があるのです。実際、発売当初と比べて、この「j7」が認識できる「障害物」が増えているらしいことを考えれば、この「j7」シリーズが「ルンバ史上最高の賢さ」を誇っているのにはワケがあると言えるでしょう。ルンバが記録した室内の映像が分析されるとなると、プライバシーが守られるのか気になるところですが、個人が特定されるような情報は収集しないとされているので、これについてはメーカーを信頼するほかないでしょう。

ただ、障害物回避機能については突出したものがあるこの「j7」シリーズですが、掃除機としての吸引力については従来モデルから進化しているわけではありません。ゴミを吸い込む仕組みについても変わっていません。

吸引力だけで言えば、本体構造が他のモデルと異なる最上位モデル「s9+」はこの「j7」シリーズの8倍相当のパワーがあるらしいので、ともかく部屋をキレイにしたいという場合は、事前に余計なコードや靴下などを片付けて、ペットが室内に侵入しないようにした上で、「s9+」のスイッチを入れるのがベストの選択ということになります。ただ、この「j7」シリーズと同等の吸引力があるとされる「i3」シリーズ、旧モデルとなる「i7」シリーズの吸引力が物足りないという話もあまり聞かないので、この「j7」シリーズも「s9+」には及ばないものの、世間で問題にならない程度の吸引力は備えていると考えても良いのでしょう。

何しろ、最上位モデル「s9+」の本体価格は約19万円です。つつましい生活をしている一般家庭がポンと出せる金額ではありません。まあ、すぐ下のモデルとなるこの「j7」シリーズも、クリーンベース付きの「j7+」が、約13万円、クリーンベース無しのノーマル「j7」が約10万円と、結局のところなかなか高額な製品ではあるのですが、この「j7」に搭載されている人工知能には無限の可能性があることを考えれば、長いスパンで見た時に賢さ基準で割安なモデルとなる可能性もないわけではありません。もちろんその頃には「j7」で収集されたデータが他のモデルにも反映されている可能性は大なわけですが、多少お金を掛けてでも掃除の手間を減らしたいという場合に、ロボット掃除機を利用するという選択肢が魅力的であることは間違いありません。

また、月額数千円で「j7」シリーズを使うことの出来るサブスクプランも用意されているので、最初の費用を抑えたいという場合や、出産・育児などの理由で家事の負担が増える当面の数年間だけ最新のルンバを使いたいという場合などはそちらを検討するという方法もありそうです。


■ルンバ j7+/ j7 のスペック

発売2022年2月
サイズ(本体)直径339×厚さ87mm
重さ約3.4kg
集じん容積-
稼働時間75分
稼働面積-
充電時間-
バッテリー寿命-
乗り越え可能な高さ-

コメント