東芝 備長炭かまど本羽釜RC-10ZWH
60年前に日本で初めて自動式電気釜(炊飯器)をつくった東芝が最高傑作と自負する炊飯器です。
東芝 備長炭かまど本羽釜(真空IH保温釜) RC-10ZWH-W グランホワイト
やっぱり「かまど」が一番
おいしいお米を炊くには、やはり昔ながらの「かまど」と「羽釜」が一番なのだそうです。
へー。
まあ、炊飯器を60年作っているメーカーが言うのだから間違いないのでしょう。
実は以前から、東芝は昔ながらの羽釜の構造が優れていると考えてはいたものの、家庭用の炊飯器用にその形を作ることがどうしても出来なかったのだそうです、、、。
しかし!
ついにやりました!
とうとう羽釜の形状を製品として実現することに成功したのだそうです。
パチパチパチ。
その名もずばり「かまど本羽釜」です。
じゃあ、これまでの製品はいったい何だったのかという疑問も出て来たりするわけですが、ソレはソレ、コレはコレということなのでしょう。
ところで「羽釜」と言えば、実は象印の「極め羽釜」シリーズも見過ごすことは出来ません。そのプレミアムモデル「NP-WT10」に至っては、内釜が南部鉄器という力作です。
「極め羽釜」シリーズもその名の通り、内釜が羽釜っぽい形になっていますが、このシリーズは旧モデルが2013年に発売されているので、東芝が「どうしても出来ない」と頭をひねっていた頃には、とっくに完成していたということになります。
それって、技術に差があるってことなの?と思わず首を傾げてしまいそうなりますが、ひょっとすると東芝の方が、よりハイレベルな羽釜ということなのかもしれません。羽釜にハイレベルもローレベルも無さそうなものですが、きっとそうなのでしょう。少なくとも可能性はゼロではありません。
そう言えば、内釜の形状を見ると東芝「RC-10ZWH」の方が、かまど用のいわゆる「羽釜」により似ているという感じもします。本物の「羽釜」に似ていれば良いということにもやっぱりならないわけですが、「どうしても」と悩み続けたメーカーの根気に免じて、この際「羽釜」感は東芝の方が高ポイントだとしておきましょう。また、内釜には備長炭入りの遠赤外線コーティングが施されていていて、こだわっているのは形だけじゃないよ、というメーカーの意思がさりげなく示されています。
圧力をかけてみたり、ゆるめてみたり
この「RC-10ZWH」がメーカーの最高傑作(自称)とされているのは、内釜が羽釜っぽいからということだけでは、もちろんありません。
この「RC-10ZWH」は圧力可変装置を搭載しており、最大1.2気圧から最小0.6気圧までの間で圧力を調整することが出来るのです。
圧力を高めると水の沸点が上がるため、火力を強め、高温で沸騰させることが出来ます。また、加熱の前に減圧をすることで、お米の”うまみ”成分を内部から引き出し、”おねば”としてお米をコーティングしてくれるのだそうです。減圧にはお米の内部に水分を素早く浸透させるという効果もあるようです。
さらに保温時にもこの減圧機能は利用されていて、減圧することでお米の酸化を防ぎ、黄ばみやニオイ、乾燥を抑えてくれるのだそうです。
お米に圧力をかけてみたり、ゆるめてみたり、、、。
昔ながらのかまど炊きには、そんな機能は無かったと思われるのですが、炊飯器を60年作っているメーカーの独自技術ということなので、伝統とハイテクがうまい具合に融合しているのでしょう(たぶん)。
最高クラスに恥じない価格とついでに電気代
これが最高傑作と言われれば、そのお値段も最高クラスになるということは、覚悟しなければならないということは誰しも予想するところです。
そのお値段、、、
14万円!
うひゃー。
2ケタ万円の炊飯器は近ごろ珍しくもないのですが、2ケタの壁があることを感じさせないほど軽く超えて来てみせるあたりに「最高傑作」のプライドを感じます。操作も本体上部がタッチパネルになっていたりして、もう高級感たっぷりです。
最高の製品に最高の価格がつく。
これはまあ、納得です。
ただ、ちょっと気になるのはこの「RC-10ZWH」の消費電力です。
炊飯1回あたりの消費電力量目安→199.9Wh。
他社の製品では火力の強い最上位モデルでも160Whを切っていたりするので、これはなかなかドギツイ数字です。
しかも、実はこれ「ecoモード」での数字です。
加圧、減圧を繰り返しつつ最高の炊きあがりを実現する「かまど名人モード」となると、この数字は244.4Whに上昇します。
米にビシバシ圧力をくわえるために、容赦なく電気を使うのです。
これだけ消費電力量が大きいと、羽釜がどうとかそういう話じゃなくて、ともかくグツグツ加熱しちゃえってことなんじゃないの、、、?
という疑いも顔を出してしまいそうですが、根拠は無いのでしまっておきましょう。
製品も、価格も、消費電力も「最高」クラス。
それが最高傑作、ということなのでしょう。
コメント