突出した機能は無いけど手堅いモデル。シャープの加湿空気清浄機「KI-HS70」

必殺プラズマクラスターの主戦場となる空気清浄機市場において、シャープ製品の主力を担うと思われるモデルです。

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現行の最上位モデル「KI-HX75」と同じく、Wi-Fi経由でクラウドにつながるモデルです。

しかし、「KI-HX75」がクラウド上の人工知能「COCORO AIR」に対応するとされているのに対し、この「KI-HS70」はクラウドにはつながるものの、「COCORO AIR」対応とはされていません。

これがどういう違いになるのかというと、「COCORO AIR」対応の「KI-HX75」の場合、決まった時間に決まった操作をしているときに「COCORO AIR」が先回りして同じ操作に自動で切り替えてくれるなどユーザーの普段の操作方法を学習する「使い方フィット」という機能がありますが、この「KI-HS70」にはありません。

では、この「KI-HS70」がクラウドにつながって何が出来るのかというと、地域ごとの花粉の飛散状況、気温、湿度、その時の室内の空気の汚れ具合などの空気情報を蓄積、分析して自動で運転を最適化してくれるという「おうちフィット」という機能を持っています。もちろん、屋外から空気清浄機を操作したり、部屋の空気状況を確認することも出来ます。

そして「おうちフィット」で運転を最適化するのはやはりクラウド上の人工知能なのだそうです。

「おうちフィット」の人工知能と「COCORO AIR」の人工知能の根本が同じなのか、別物なのかどうかは分かりませんが、もちろん「COCORO AIR」対応の「KI-HX75」にも「おうちフィット」の機能はあります。

さらに「COCORO AIR」対応モデルの場合は、人工知能が設定したおまかせ運転について、もっと静かにして欲しい！もっと加湿量を増やして欲しい！など、使っている人の好みで運転を調整できる「もっとフィット」という機能が付いていることを考えると、ベースとして「COCORO AIR」という人工知能があり、「COCORO AIR」に対応していないこの「KI-HS70」のようなクラウド接続だけのモデルは「COCORO AIR」の機能の一部を使わせてもらう下位互換という設定なのかもしれません。

どうせクラウドにつながっているなら、ケチケチせずに「COCORO AIR」に対応してくれても良さそうな気もしますが、そこは上位モデルと下位モデルの違いだったり、空気清浄機に搭載されているチップの性能だったり、その両方だったり、色々あるから、ということなのでしょう。

どのみち人工知能対応といっても、現時点では空気清浄機単体で出来ることは限られているので、屋外から操作出来るなら、もうそれだけで十分というか、正直言ってその機能すら無くてもさほど困る感じはないかもしれません。

クラウド対応以外にも、この「KI-HS70」にはホコリ、ニオイ、温度、湿度、照度の5つのセンサーが付いていたり、イオン兵器プラズマクラスター25000が付いていたりしますが、このクラスの空気清浄機の場合、この辺りはもはや標準装備的な印象もあります。最大風量が空気清浄で6.7㎥/分というのは、特別パワフルではありませんが、かと言って非力とも言えない、実にほどほどなレベルとなっています。

また、上位モデル「KI-HX75」にはプレフィルターに付着したホコリを自動で掃除してくれる「自動掃除パワーユニット」がありますが、その機能もこの「KI-HS70」にはありません。「COCORO AIR」と同じく、プレフィルターの自動掃除機能は上位モデルプレミアムということなのかもしれませんが、こちらも絶対必要な機能かというと、まあそんなこともありません。

結果として、この「KI-HS70」には特に目新しい機能は無いものの、それなりの性能を持つ、いつもながらのシャープ製空気清浄機ということでまとまっているようです。

おそらくシャープ製空気清浄機の主力となるであろうこの「KI-HS70」に、無謀な冒険をさせることはたぶん難しいのでしょう。使えるかどうか確信の持てない新機能は外し、とりあえずいつも通りの空気清浄能力を押さえておいて、あとは何となく最新機能も搭載している感を身にまとっておけば、ひとまずOKということなのかもしれません。しかし、手堅い選択は別に悪いことではありません。どうせなら毎年モデルチェンジするのも止めればいいのにという気すらします。

細かなことは考えず、「おまかせ運転」にしておけば、まあだいたい大丈夫という安心感がウリのモデルと言えそうです。

■KI-HS70のスペック