1位
シャープ「EC-CT12-C」
(2011年発売)
2011年発売ながら、いまだに現行の製品ラインアップに残っている驚きのベテラン製品です。無事是名馬という言葉の通り、製品として長く残っているということは、それだけこの「EC-CT12-C」が優れているからだね!と思わず飛びつきたくなってしまいそうですが、残念ながらこの「EC-CT12-C」は誰もが「おおー!」と感動するような性能や機能は持ち合わせていません。
なぜなら、ベテラン製品となった今も、そしてピカピカの新製品だった発売時においても、この「EC-CT12-C」はラインアップの下位に位置して来た製品だからです。分離性能の低いチリ落とし付きのサイクロン機構、特別軽くもない製品重量(標準5.0kg)、集塵容量も少なければ(0.35リットル)、運転音も特別静かというわけではありません(57〜64dB)。
しかし、この「EC-CT12-C」の実勢価格は1万円ちょっとです。たとえセンサーなどの特別な機能を持たなくても、たとえヘッドがモーター駆動のパワーブラシでなくても、たとえ付属品が隙間ブラシしかなくとも、ゴミを吸わないわけではありません。
「お値段並みの期待を裏切らない」そんな安定感を長年保持して来たことがアマゾンでの上位評価に上り詰めた秘訣なのかもしれません。
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2位
アイリスオーヤマ「ESC-55K-R」
(2013年発売)
スタイリッシュな感じのするスティック型の掃除機です。しかも、サイクロンです。ササっと手軽に掃除出来ちゃいそうです。
ただ問題は、この「ESC-55K-R」がコード付きの掃除機だということです。おなじみのダイソンはもちろん、国内系のメーカーも、スティック型の掃除機を製造していますが、これらの掃除機は一部を除いてコードレスタイプです。
スティック型の掃除機を選ぶ最大のメリットが、気づいた時にササっと掃除が出来るということだとすると、コード付きはどう考えても不利です。もちろん、コードが付いていれば掃除の途中で電池切れという悪夢を100%避けることが出来るのですが、スティック型の掃除機の場合、掃除の間ずっと本体を持っていなければならないので、やっぱり出来ることなら早めに掃除を終わらせたいところでしょう。
ところが、この「ESC-55K-R」の吸い込み仕事率は、なんと、たったの70Wしかありません。これはお世辞にも「パワフル」とは言えませんし、むしろ正直に「非力」です、と言いたくなるようなレベルです。ヘッドには回転ブラシはなく、「超吸引毛取りヘッド 」なる特殊ブラシを装着することが出来ます。この特殊ブラシはブラシをメジャーな回転ブラシではなく、往復するブラシにすることで、毛がブラシを巻きつくことを防ぐのだそうです。ブラシが回転しないので、確かに毛が巻き付くことはなさそうです。特許を取っている画期的な仕組みということですが、特殊過ぎて実機を良く確認せずに購入を決めてしまうのはちょっと勇気がいりそうです。この「ESC-55K-R」では、騒音が「秘密」となっていることもちょっと気になるところです。しかし、何といってもやはりコードレスっぽい形状をしたコード付きの掃除機であるというこの「ESC-55K-R」のコンセプト自体が最大のポイントとなるでしょう。ちなみに収納時には、コードはグルグルと本体に巻きつけておくのだそうです。
3位
東芝「トルネオV VC-SG512-R」
(2012年発売)→詳細ページ
2012年発売です。このランキングで1位となっているシャープ「EC-CT12-C」の2011年発売には及びませんが、こちらもなかなかのベテラン製品だといえるでしょう。そして、この東芝「トルネオV VC-SG512」は発売当時は事実上のトップモデルだったという由緒正しい製品でもあります。
現行モデルまで続いている上位サイクロン機構「バーティカルトルネードシステム」を搭載し、乾拭き効果のあるヘッドに、ゴミを感知するセンサーも搭載しています。そして何よりも付属品がとんでもなく充実しています。伸縮ロングノズルにロングブラシ、ふとん用ブラシ、洋服布用ブラシ、隙間ブラシが付いてきて、それらを収納するための専用のバッグまで付いてくるという盛り沢山の内容となっています。
4位
太知ホールディングス「SSC-100」
(2014年発売)
太知ホールディングスという会社はあまり聞き慣れませんが、それも当然で、元々は中東やアフリカを主戦場とする商社なのだそうです。この「SSC-100」は、その太知ホールディングスの国内事業部が手掛ける「anabas」ブランドの製品となります。
太知ホールディングスは「サムシングユニークな商品の開発と輸入・販売」をモットーとしているようですが、この「SSC-100」のキャッチコピーは「コンパクトでもサイクロン式でパワフル!使いやすい2WAYタイプ」となっていて、とりあえずキャッチコピーには特別サムシングユニークな感じはありません。ハンディタイプの掃除機の後ろにパイプ、前には床用ヘッドを付けられるようになっており、ハンディとスティックタイプの2WAYで使用できるということが製品としての特徴となっています。
ただよく見ると、この「SSC-100」からはキャッチコピーにある「サイクロン式」の掃除機という雰囲気が全く漂って来ないことに気がつきます。サイクロン式の掃除機には現在、様々な流派が見られるわけですが、少なくとも、何らかの仕組みを使いゴミと空気とを分離する、またはせめて分離を試みようとしている製品が多いです。ところが、この「SSC-100」の場合、ゴミと空気とが分離されるような空気の流路自体が存在しません。この「SSC-100」では、吸い込み口のすぐ先がダストケースとなっており、吸い込み口から入ったゴミ(と空気)はダストケースを直進し、フィルターに激突して、フィルターを通過出来るミクロのゴミ(と空気)だけが排気となり、大きなゴミはダストケースに取り残される、という単純明快な構造のため、ここに何とかサイクロンとかが入り込む余地が全く無さそうなのです。もしかすると、この一見サイクロン掃除機っぽくなく、よく見てもやっぱりサイクロン掃除機っぽくないところが、サムシングユニークなところだったりするのかもしれません。
また、この「SSC-100」は、このランキングで2位に位置しているアイリスオーヤマ「ESC-55K-R」と同じようにコードレスっぽい外観をしておいて実はコード付きという、機動力を犠牲にする代わり、地にしっかり足のついた仕様となっています。しかも、吸込仕事率も74Wとなっていて、これでパワフルと言ってのけるメーカーのポジティブさには脱帽です。もしも、そこそこ使えるコードレスのハンディ掃除機を既に持っている場合は、この「SSC-100」の使用機会はグッと限られてしまいそうな可能性は否めないでしょう。
5位
アイリスオーヤマ「KIC-C100MK-R」
(2013年発売)
「超静音」をウリにするサイクロン掃除機です。騒音は最低53dBとなっていて、なるほど確かに静音仕様となっているようです。この数字は「クラス最高水準」だそうです。「クラス」の基準はよく分かりませんが悪くはないことです。パチパチパチ。ただ、この「KIC-C100MK-R」の運転音、最低が53dBというのは確かにグッドなのですが、驚いたことに最高の場合が何dBなのかはヒミツとなっています。ここまで露骨に情報統制をしてくる以上、運転音の最大値が危険なレベルに達しているのではないかという疑いはどうしても生じてしまうのですが、実際にスイッチを入れてみるまで真相は不明です。「超静音」というキャッチコピーを裏切らないレベルであることを願うことしか出来ません。
また、新設計の「超吸引毛取りヘッド」は「真空度」を高めて吸引力を上げているのだそうです。何だかスゴそうですが、仕組みはよく分かりません。どうやら、このランキングで2位に位置している「ESC-55K-R」と同じヘッドなのだと思われます。あくまで勘ですが、このヘッドの性能と真空度はあまり関係ないような気がします。「超吸引毛取りヘッド」はカーペットで最大の効果を発揮するヘッドのため、この「KIC-C100MK-R」には、回転ブラシの付いたフローリング向け「ワイドパワーヘッド」も付いて来ます。普通に掃除をしたいと思った時のことを考えると、この普通っぽいヘッドが付いていてくれた方が安心感があります。
ホコリを感知するセンサーが付いていたり、隙間用ノズルの先端をクルッと回せばブラシが出るようになっていたり、小技もなかなか充実しています。サイクロン機構はチリ落としフィルターが不要のものとなっており、サイクロン機構でのゴミの分離能力には自信がありそうです。ただ、3ヶ月目安で本体内に2つあるフィルターを徹底的に掃除するよう推奨されているので、不安がゼロというわけでもないのかもしれません。ヒミツの運転音に目(とついでに耳も)をつむれば、無難にまとまった製品と言えそうです。
6位
パナソニック「MC-SR22J」
(2014年発売)
パナソニック、サイクロン掃除機2014年モデルの最下位モデルとなります。
サイクロン機構がチリ落とし機構付きとなっているのは、この当時のパナソニックのサイクロン掃除機に共通なのですが、ノズルの先のLEDライト、床用ブラシを外すと隙間用ブラシとなっている「親子のノズル」、さらには細かいゴミを感知する「ハウスダストセンサー」などの機能もこの「MC-SR22J」からはカットされていて、さすがは最下位モデルと納得がいくような冷遇のされかたとなっています。
メーカーの上位モデルと比べてしまうと、機能的に見劣りしてしまうのは間違いありませんが、それでも「プチサイクロン」を名乗るだけあって、本体サイズは幅238×奥行293×高さ296mm、本体の重さは2.9kg、ノズル&ホース込みで4.4kgとまあまあコンパクトなサイズとなっています。コンパクトで、メーカーが有名で、しかも安め、というふうに条件を絞っていったときに気付けば候補として残っている、そんな製品かもしれません。
7位
アイリスオーヤマ「KIC-C100MK-A」
(2013年発売)
このランキングで5位に位置しているアイリスオーヤマ「KIC-C100MK-R」の色違いモデルです。色違いモデルが同じランキングに入ってくるなんて、このシリーズの評価の高さをうかがわせますが、同時にどんなランキングの計上をしているのか、ちょっと疑問も不安になったりもします。
8位
東芝「トルネオミニ VC-C12A-P」
(2012年発売)
トルネオ「ミニ」を名乗るだけあって、本体のサイズは幅215×奥行315×高さ257mmと確かにコンパクトです。重さも本体のみであれば2.5kg、ホースやヘッドを付けても3.9kgとなっていて、発売から4年が経過した現在においても、なかなかの軽さをキープしています。ただ、サイクロン機構は上位モデルとは異なり、チリ落としが必須のものにランクダウンしています。さらに手元ブラシが省略されていたりして、この「トルネオミニ VC-C12A-P」の魅力は「小ささ&軽さ」ということに片寄ってしまっていることは否めません。
9位
東芝「トルネオミニ VC-C4-R」
(2014年発売)
このランキングの8位に位置している2012年発売「トルネオミニ VC-C12A-P」と同じ「トルネオミニ」シリーズです。この「トルネオミニ VC-C4-R」の方が発売年が新しいということもあるためか、本体のサイズは幅220×奥行295×高さ253mm、重さは本体のみなら2.2kg、ホースやヘッドを付けても3.6kgと、と旧型よりもさらにコンパクトとなっています。また、この「トルネオミニ VC-C4-R」は、ヘッドがモーター駆動の自走式タイプとなっていたり、手元ブラシが付いていたりして、軽量モデルの中では上位機となっています。まあ、それでも最大の魅力は「小ささ&軽さ」であるということに変わりはありません。
10位
ソウイジャパン「2in1サイクロン掃除機(SY-054)」
(発売年不明)
ソウイジャパンという会社は聞き慣れませんが、もっとも得意とする製品は電磁波対策グッズなのだそうです。電磁波対策グッズと掃除機。うん。全く関連性が分かりません。輸入卸をしているソウイジャパンの取り扱い製品はインドアからアウトドアまで多岐にわたっているので、まあ、それほどこだわりはないのかもしれません。
この「SY-054」は「2in1」掃除機という触れ込みですが、床用ヘッドとパイプを付ければ床用、パイプを外して隙間用ノズルを付ければ隙間用、になるというだけの話で、「2in1」という言葉から一般的にイメージするものとは少し異なる感じです。
スティックタイプということで大変コンパクトなサイズをしており、重さに至ってはなんと1.5kgしかありません。ともかく「軽さ」を重視する場合は非常に魅力的な重量となっています。しかし、スティック型の形状、取り回しのしやすい軽さ、という特徴を備えつつも、この「SY-054」はコード付きの掃除機だということを忘れてはいけません。使わない時には4メートルのコードはグルグルと本体又はその他に巻き付けておく必要があります。また、コード付きで電源の心配が無いにもかかわらず、この「SY-054」の吸込仕事率は70Wと、まるでコードレス掃除機のように控えめな数字となっています。そして、そうかと思えば運転音は73dBと容赦の無い爆音を響かせるアンバランスさを発揮してみせたりすることで、簡単には思い通りにはならないぞ、というジャジャ馬的な魅力があったり、なかったりするのかもしれません。
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