俺だってサイクロンだよ!と言い張るパナソニックの掃除機「MC-SK16A」

「コンパクトさとパワーのバランスを両立させたサイクロン式掃除機」という触れ込みの掃除機です。



パナソニックのサイクロン掃除機の上位モデルである「MC-SR540G」や中位モデルとなる「MC-SR24J」などと比べて、形が大きく違っているように見えるのは決して気のせいではありません。

この「MC-SK16A」に搭載されているサイクロン機構は「ツインサイクロン」という、上位の「ダブルメタル」とも、中位の「パワープレス」とも異なるものとなっているのです。

そして、これはもうメーカーも確信犯的に触れていないのだと思いますが、この「ツインサイクロン」はいわゆるダイソンなどに代表されるサイクロン掃除機とは全く別種の装置となっています。

「サイクロン掃除機」と聞くと、風がグルグル回ってその遠心力でゴミと空気を分離するみたいなイメージがあります。実際ダイソンはそうでしょうし、パナソニックも上位モデルについてはその方向性でサイクロン機構を開発していると思われます。

しかし、この「MC-SK16A」は違います。
ちょっと違うのではなく、もう全然違うのです。

そもそも、吸い込んだゴミをサイクロンっぽい何かで空気と分離するつもりは、たぶん初めからありません。何しろ、まるでそういう構造になっていないのです。

この「MC-SK16A」では、吸い込み口から吸い込んだゴミ(と空気)はホースを通って、巨大なダストボックスにそのまま直接突入します。ダストボックスの奥の壁は大きなフィルターとなっているので、そこを通り抜けられないゴミはそのままダストボックスに留まり、通り抜けられる空気(と小さなゴミ)はそこを抜けていくという、まあ、これはこれで実に分かりやすい仕組みになっているのです。

これが「サイクロン掃除機」なのか、と言われたときに「違う!」と言う人は確実にいると思われますが、幸か不幸か「サイクロン掃除機」とはこういう物でなければならないという決まりはありません。

この「ツインサイクロン」については、もしかすると「紙パック式掃除機」から紙パックを取り除いた構造と言った方が分かりやすいような気がしますが、メーカーはどうしても「サイクロン掃除機」ということにしておきたいようです。

当然のことながら、この「ツインサイクロン」で最も重大なパーツは大きなフィルターと言うことになります。ここを突破されてしまっては元も子もないというか、ここが最初にして最後の関門となります。全てのゴミがこの巨大フィルターによって選別されることになるので、「ネットフィルター」と「プリーツフィルター」との二重構造となっているこの巨大フィルターには激しくゴミが付着することになります。

メーカーも「強い吸込力でご使用いただくためにもこまめにネットフィルターとプリーツフィルターのゴミやほこりを取り除くお手入れをしてください」と、もはや若干脅迫めいた感じで強めのお願いをして来ています。ちなみに「こまめ」の部分はグリグリと強調までされています。もちろんチリ落とし機構は標準装備です。

そして、チリ落としだけではまだ足りないと感じているのか、メーカーはこの巨大フィルターの手前に市販のティッシュを挟むことを公式に推奨しています。

出たー!ティッシュサイクロン!

そうです。実は「ツインサイクロン」とは、様々なメーカーによって開発されている伝統のティッシュサイクロンの1系統だったのです。

「ティッシュを取り付けた状態では、ゴミの種類によって通常より早く吸込み力が弱く」なることがありますという注意書きも一応書かれていますが、ティッシュを付けないとフィルターのお手入れがとんでもないことになるということは「こまめ」にお手入れをすれば良く分かることになるので、おとなしく初めからティッシュを装着しておいた方が無難でしょう。

結果として、この「MC-SK16A」については、何ミクロンのゴミを何%キャッチ!とか、そういった細かい話はスパッと無しです。何とかセンサーとか、何とかナビとか、何とかノズルとか、もうそういう話じゃないのです。ついでにアイドリングオフだって軽やかにカットです。

俺はゴミを吸い込むから、アンタはフィルターを守ってくれ。

あと、貯まったゴミも捨ててくれ。

ハードボイルドなのです。これは銃弾が乱れ飛び、砂ボコリが舞い上がる、激しい戦場で巨悪(大きなゴミ)を倒すための肉弾戦なのです。ヤルかヤラれるか、そんな世界ではもう細かいことなんて言ってられません。

「コンパクトさとパワーのバランス」をメーカーがどの辺りに置いているのかは定かではありませんが、まあ、ある程度コンパクトで、ある程度パワーがあるということは間違いないでしょう。

■MC-SK16Aのスペック

タイプサイクロン式
集じん容量0.6L
吸込仕事率約60〜500W
消費電力約200〜1000W
運転音約60〜65dB
サイズ幅243×奥行343×高さ196mm
重さ(標準使用時)3.1kg(4.3kg)

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