重さと一緒に機能も抑えられたパナソニックの軽量コードレスクリーナー「MC-SB32J」

ホワイト↓

グレー↓

「MC-SB32J」のポイント

本体が軽いということ、その割にパワフルなモーターを搭載していること、そしてゴミを吸い取る能力の高い床用ノズルが付属することがこの「MC-SB32J」のポイントとなります。ただ、2021年発売のこのモデルには、すでに強力な後継モデルの登場が発表されていることが注意点となりそうです。

(そこそこ)軽い本体

掃除という作業の都合上、同じ性能の掃除機なら軽ければ軽いほど良いと考える人は多いでしょう。この「MC-SB32J」は、スティック状態での重さが1.6kgです。1.6kgという重さは、まあまあ軽い部類に入ると言えます。もちろん、同じコードレスでも1kg前半台のマキタの製品などもっと軽い製品もあります。そして高性能をウリとする最強ブランド、ダイソンにも1.5kgという軽量モデルが登場してきているので、この「MC-SB32J」が他に抜きんでた軽さということは全くありません。ただ、この「MC-SB32J」の床用ノズルにはモーター駆動の回転ブラシが搭載されているので、マキタの製品のようにそもそも回転ブラシが無かったり、回転ブラシがあってもモーター駆動で無いモデルなどと比べると、ゴミの吸引能力という点をプラス評価してあげる必要があるのかもしれません。まあ、少なくとも他社の軽量モデルと同様に「軽い」と言って差し支えは無いでしょう。

(そこそこ)パワフルなモーター

この「MC-SB32J」は軽量、小型ながらハイパワーなモーターを搭載しているとされていて、吸込仕事率は約20~100Wとなっています。吸込仕事率=ゴミを吸い込む能力という訳ではありませんが、率直に言ってこの数値自体から、超強力な吸引力を想定することは難しいでしょう。もちろん、マキタのコードレス掃除機の人気モデルも吸込仕事率は30W前後だったりするので、吸引力が足りなすぎるということも無いかもしれませんが、この「MC-SB32J」がカーペットの掃除などを行う際に頼もしい相棒となってくれるかどうかは疑わしい感じもします。しかも最大パワーの100Wを発揮するのは、運転モード「HIGH」にした最初の6分間が目安らしく、その後は80Wに落ちてしまうようです。となると、通常モード「ON」の時の吸引力はそれ以下だと考えた方が良さそうです。まあ、この「MC-SB32J」に搭載されているのは、ハイパワーと言っても、ハイパワー過ぎることは無いモーターなのでしょう。

(そこそこ)工夫されている床用ノズル

この「MC-SB32J」の床用ノズルの回転ブラシはV字型の構造をしていて、自然とノズルの中央部にゴミが集まっていく仕組みになっているようです。ブラシもフローリングを得意とする「Y字毛」、じゅうたんの奥のゴミをかき出す「硬い毛」と2種類となっていて、ノズルを変えることなく、フローリングとカーペットに対応できるようになっています。ただ、実はこの「MC-SB32J」の上位モデルにあたる「MC-SB52K」の床用ノズルには、軸が2つに分離した「からまないブラシ」が採用されていて、ゴミがノズルの中央に集まるだけでなく、髪の毛やペットの毛が回転ブラシに絡みつくことなく吸引できるようになっています。V字型をしているこの「MC-SB32J」の回転ブラシの場合、V字の中央にゴミは集まりますが、髪の毛なども中央部に絡みつきやすいらしく、絡みついた毛はハサミなどで切ることが推奨されています。どちらの回転ブラシの方が良いのかは言うまでもないでしょう。

まとめ

この「MC-SB32J」は軽くて、パワフルなコードレス掃除機とされています。その言葉に偽りは無さそうですが、最高に軽く、最高にパワフルな掃除機では決してありません。それはこの「MC-SB32J」がメーカーのラインアップにおいても、もともと最高のモデルではないことと大きく関係しています。パナソニックのコードレス掃除機のラインアップには、よりパワフルなモデルとして「MC-SB85K」がありますし、より軽いモデルとして新機軸のセパレート型コードレススティック掃除機「MC-NS10K」もあるのです。そしてこの「MC-SB32J」と重さがわずか200gしか変わらない上位モデル「MC-SB52K」には、前述の「からまないブラシ」が搭載されているだけでなく、細かなゴミを検知する「クリーンセンサー」も搭載していて、機能面で明確に差が付けられています。まあはっきり言ってしまえば、この「MC-SB32J」の長所は、それらのどのモデルよりも安価に設定されている価格ということになってくるでしょう。機能を絞ることで価格も重さもコンパクトに仕上がったモデルがこの「MC-SB32J」なのです。

それはそれである程度のニーズがあることは間違いないと思われますが、この「MC-SB32J」の後継モデルとして「MC-SB33J」が登場することが既に発表されています。新しく登場する「MC-SB33J」は外観も一新され、重さは、この「MC-SB32J」より軽い1.3kg(スティック状態)である上に、ノズルの操作性も向上して、さらに騒音も低減しているというので、この「MC-SB32J」にとって強力なライバルとなってくる可能性は非常に高そうです。ただ、この「MC-SB32J」にとって実質的に大きな特徴となっている価格においては、新モデルが登場することでさらに低下することが期待できるかもしれません。


■MC-SB32Jのスペック

発売2021年10月
集じん容量0.15リットル
吸込み仕事率約20~100W
運転時間HIGH:6分、ON:約20分
充電時間3.5時間
運転音約65~75dB
サイズ(スティック時)幅220×奥行182×高さ1106mm
重さ(スティック時)1.6kg
バッテリー寿命-
バッテリー価格(AVV12V-U9)13,200円

コメント