化学の力で空気を綺麗にしてくれる個性派製品です。
パナソニック 次亜塩素酸 空間除菌脱臭機 ジアイーノ ~8畳 F-MV1000-W
この「ジアイーノ(F-MV1000)」は、空気清浄機ではありません。
メーカーのパナソニックによると「空間除菌脱臭機」だそうです。
「空間」を「除菌」して「脱臭」する。
だからそれって空気清浄機じゃないの?
と思ってしまうわけですが、メーカーとしてはそこのところはきっちりと分けておきたいようです。
なぜなのでしょう?
その理由は、この「ジアイーノ」の構造が普通の「空気清浄機」とは大きく異なっているところにありそうです。
何しろ、この「ジアイーノ」には、普通の「空気清浄機」にとって最重要なパーツとも言える集塵フィルターが無いのです。
集塵フィルターが無い=空気中の汚れをキャッチすることができない、ということです。
なので、この「ジアイーノ」は、花粉などの大きな粒子はもちろん、普通のホコリもキャッチすることが出来ません。当然、一時大きな話題となったPM2.5などの小さな粒子などを捕まえることは不可能です。
、、、。
なるほど、ホコリすらもキャッチすることが出来ないのであれば、この「ジアイーノ」を「空気清浄機」と名乗らせることが難しいことも分かるような気がします。
そこで、「空間除菌脱臭機」というわけです。
「空間」を「除菌」して「脱臭」する。
むしろこの「ジアイーノ」の場合、それしか出来ないと言った方が良いでしょう。
ただ、そのチカラは侮れません。
この「ジアイーノ」は本体内部で「次亜塩素酸水」を生成して放出しますが、この「次亜塩素酸水」はプールや哺乳瓶、食材などの除菌用品として実際に使用されているものです。様々なウイルスの除菌全般、そして高い消臭効果があるとされています。
放出された「次亜塩素酸水」は、空気の除菌&脱臭に効果があるだけでなく、部屋のドアノブや家具に付着している雑菌を除菌することも可能で、嫌な臭いを出し続けるオムツなどの脱臭にも効果があるのだそうです。
そして、そのための準備も簡単です。
この「ジアイーノ」の水タンクに水を入れ、トレーに専用の「塩タブレット」を入れるだけです。
この「塩タブレット」は特別な成分が入っているものではないようですが、純度の高い塩化ナトリウムである必要があるので、間違っても熱中症用の塩アメなどでの代用を試みたりしない方が良いでしょう。
簡単な準備で高い除菌&脱臭効果が見込めるとなると、確かに魅力的な製品かもしれません。
絶対に風邪を引きたくない受験生や、なんでも口に入れてしまいがちな赤ちゃんがいる家庭に向けて、メーカーがこの「ジアイーノ」をアピールしているのも納得です。
ただ。
この「ジアイーノ」を実際に部屋に設置するまでには、考慮しなければならない課題があります。
最大の課題は、この「ジアイーノ」の価格です。
この「ジアイーノ(F-MV1000)」は、ジアイーノシリーズの中で最もサイズが小さく、8畳くらいまでの個室向けとされる「コンパクトモデル」です。確かに本体のサイズは幅360×奥行230×高さ580mmと、一般的な空気清浄機と大差ありません。
しかし、その価格は70,000円前後となっています。これは30畳クラスの空気清浄機にも匹敵する価格です。
、、、。
メーカーの調査によると、高い性能を誇るはずの「ジアイーノ」が一般家庭に普及しない理由として、「価格が高い」と「サイズが大きい」という課題が見つかったため、従来品より価格が2割安く、サイズも3割小さいという、この「ジアイーノ(F-MV1000)」が投入されることとなったようなのですが、「まだ高いよ!」という一般家庭の悲鳴は聞こえていないか、耳をふさいでいるかのどちらかなのでしょう。
まあ、従来品である約15畳向けの「F-MV3000」の本体価格が10万円オーバー、約10畳向けの「F-MV1500」が8万円オーバーということを考えると、この「ジアイーノ(F-MV1000)」の価格は妥当なところなのでしょうが、「ジアイーノ」が一般家庭にあまねく普及しそうな価格設定とはなっていないことは間違いないでしょう。
そして無事に「ジアイーノ」購入に至ったとしても、費用面で安心するのはまだ早いのです。
「ジアイーノ」シリーズは、簡単な準備で運転を始めることが出来ますが、使用を続けるうちに交換が必要となる部品が案外多いのです。
この「ジアイーノ(F-MV1000)」の場合、
「保護エレメント」→約3年で交換(4,800円+税)
「電極ユニット」→約3年で交換(15,000円+税)
「除菌フィルター」→約5年で交換(1,600円+税)
「防カビユニット」→約5年で交換(3,000円+税)
と、交換頻度、金額とも、なかなか手強いものとなっています。もちろんこれでも「コンパクトモデル」なので、「ジアイーノ」シリーズの中では最も低い維持コストです。
ここに、3日に1回程度投入する必要がある300粒入りの「塩タブレット」(3,600円+税)を加えて、1年あたりに掛かる費用を算出すると、7,500円を超えてきます。
これは侮れません。
他にも、喫煙環境では電極が劣化しやすくなるために「ジアイーノ」を使用できないという注意点もあります。
ただこれについては「ジアイーノ」を投入するとほど除菌&脱臭にこだわっている家庭に喫煙者がいる可能性はかなり低いか、少なくとも「ジアイーノ」が設置されている部屋で喫煙をしなければ良いだけのことなので、大きな障害にはならなさそうです。
病院や宿泊施設にも導入されているという「ジアイーノ」の除菌&脱臭効果には期待が持てそうです。そして、今のところこの「ジアイーノ」の類似製品は存在しません。
必要となる費用をしっかり把握した上であれば、オンリーワンの除菌&脱臭能力を持つ製品として、頼もしい存在になってくれる可能性は十分あるでしょう。
■ジアイーノ F-MV1000のスペック
発売 | 2018年9月 |
サイズ | 幅360×奥行230×高さ580mm |
重さ | 約9.2kg |
適用畳数 | 〜8畳 |
風量 | 約0.7→1.5→3.0㎥/分 |
運転音 | 約19→33→48dB |
消費電力 | 8→11→24W |
センサー | ニオイ・照度 |
加湿量 | - |
タンク容量 | 約1.8リットル |
交換品 | 保護エレメント・電極ユニット・除菌フィルター・防カビユニット |
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