蒸発布を利用したスチーム式の加湿器です。
ピュアホワイト↓
ブラック↓
現在は2016年に三菱重工から分社化されたグループ会社、三菱重工サーマルシステムズの製品となっていますが、製品の中身は三菱重工時代とほとんど変わりません。
以前のモデルと比べて、最大350ml/時という加湿量も変わらなければ、本体の大きさ、重さも変わりません。機能にもほぼ変わりはなく、当然、外観も相似形です。細かく見れば違いはゼロではないようですが、関係者以外にとっては「ほぼ同じ」という理解で全く問題無さそうです。
この製品の肝である「蒸発布」に吸い上げた水分だけを加熱することで、スチーム式にしては省エネ度の高い最大250Wの消費電力となっています。同じ350ml/時の加湿力を持ち、タンクの水を丸ごと加熱するポット型スチーム加湿器の代表格、象印「EE-RM35」の消費電力は加湿時こそ305Wであるものの、タンクの水を温める加熱時には985Wにも達することを考えれば、この「SHE35PD」の方が確実に省エネ指数は高いでしょう。
ただ省エネと言っても、あくまでスチーム式にしてはという話で、気化式や超音波式であれば、同じ350ml/時クラスの加湿力で数10Wの消費電力しかない製品もザラなので、省エネを理由にこの「SHE35PD」を選択する人はいないでしょう。
スチーム式加湿器の最大の長所といえば、周囲の環境に影響されない加湿力です。
この「SHE35PD」には温度&湿度センサーがちゃんと搭載されていて、室内の目標湿度を湿度40%から5%刻みで最高65%まで6段階も設定できます。そして連続運転にすれば、なんと最高で湿度85%まで加湿が可能なのです。何はともあれ、ともかく湿度を維持したい!という人にとっては、室温に左右されない加湿力は重要なポイントとなるでしょう。といっても、この「SHE35PD」は根本的にそんなにパワフルな製品ではないので、その能力を発揮させるためにはなるべく狭い部屋で使ってあげる必要はありそうです。
そして、消費電力的には比較的効率の良い「蒸発布」ですが、「蒸発布」には蒸発しない水分中の汚れが残るため、定期的にお手入れが必要になります。お手入れ自体は1週間に1回、普通に水でもみ洗いするだけなので大したことはないのですが、水道水に含まれる成分がスケールとなって「蒸発布」と本体にこびりつくため、たとえちゃんとお掃除をしていたとしても、2ヶ月に1度は「蒸発布」そのものの交換が必要になります。
「蒸発布」は2枚で1,100円と特別高価なものではありませんが、清潔に加湿を続けるためにはお手入れと交換部品の準備が欠かせないということは注意しておく必要があるでしょう。この「蒸発布」の問題さえクリア出来れば、この「SHE35PD」は時に過剰なまでの加湿力を発揮することも出来る、なかなかポテンシャルの高い加湿器と言えるでしょう。
■SHE35PDのスペック
加湿タイプ | スチームファン蒸発式 |
適用床面積 | 木造6畳 / プレハブ10畳 |
加湿量 | 350ml/時 |
連続加湿時間 | 8時間以上 |
消費電力 | 125〜250W |
運転音 | 27dB |
サイズ | 高さ245×幅220×奥行267mm |
重さ | 約3.0kg |
タンク容量 | 約2.8L |
フィルター(蒸発布)交換 | 1,100円/2枚 |
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