変わらないことにも少しは意味があるのかもしれない紙パック式掃除機。三菱電機「Be-K TC-FXG5J」

特に個性的ということもない、ごく普通の「掃除機」形状をしています。


三菱電機 Be-K 紙パック掃除機 TC-FXG5J-A

この「TC-FXG5J」は、三菱電機の掃除機ラインアップの中で、紙パック式掃除機となる「Be-K」シリーズのモデルとなります。

その特徴は単純明快となっていて、シンプル(=低機能)で低価格ということにつきます。

本体価格は13,000円~15,000円前後となっていて、床用ヘッドに回転ブラシがあるタイプの三菱電機の掃除機の中では屈指の低価格となります。 まあ、世間を探せばこれより安価な掃除機は無数にあるわけですが、大手メーカー製品としては安価な部類に入ることは間違いないでしょう。

しかし、この低価格は「TC-FXG5J」の魅力に乏しい機能面と引き換えに実現されているということは理解しておく必要があります。

まず、この「TC-FXG5J」の床用ヘッドは、回転ブラシがモーターで回らない=空気の力で空転する「タービンブラシ」タイプのものとなっています。これは、この「TC-FXG5J」の発売当時の三菱電機の掃除機ラインアップの中で唯一となる仕様です。当然、カーペット上でのゴミのかき込み能力は、モーター式の回転ブラシを備えるモデルと比べて劣ることとなります。上位のモデルにあるような、アイドリングストップなどの節電機能や、回転ブラシにからみ付いた髪の毛などのゴミを簡単に取り除く「毛がらみ除去」機能などはもちろんありません。

この「TC-FXG5J」に備わっている機能としては、弱・中・強の3段階で吸引力の切り替えが出来ることと、ホースの先端に手元掃除用の「すみずみブラシ」が付いていることと、付属ノズルとしてごく一般的な隙間ノズルである「サッシノズル」が付いてくることくらいしかないのです。一応、「軽さ」を特徴としていますが、本体の重さは2.4kg、床用ノズルやホースを装着した通常使用状態での重さは3.6kgとなっており、特別軽いというわけでもありません。

三菱電機は掃除機の位置づけとして、コードレススティッククリーナー→サイクロン掃除機→紙パック式掃除機、という順に重きを置いているようなので、最も下の扱いとなる紙パック式掃除機で、その中の安価モデルということになると、機能的に見劣りしてしまうことは、当たり前と言えば当たり前と言えます。

掃除機に特別な何かを求める場合は、絶対に選んではいけないモデルと言えるでしょう。

しかし、「掃除機なんて普通にゴミを吸ってくれれば良いよ」と、掃除機に多くを求めない場合は、大手メーカー製という安心感と、その中では低価格であるという武器により、いつでも候補にあがる可能性のあるモデルでもあります。

2017年発売であるこの「TC-FXG5J」に連なるモデルとして、2018年発売の「TC-FXH5J」、2019年発売の「TC-FJ1J」、2020年発売の「TC-FJ2X」がありますが、本体カラーの違いは別にして、基本的な仕様は全て同じとなっています。変わり映えしないという風にも言えますが、常に需要のある安定感のある仕様になっていると考えることも不可能ではありません。

そうなると、発売年が古いこの「TC-FXG5J」が価格的には最も有利となりそうなものですが、実勢価格はどのモデルもそれほど変わらないようです。同じ仕様で製造され続けているクラシックなモデルであることがそれだけ広く知れ渡っているということなのかもしれません。となると、同じ仕様をしていて、現時点で最も新しい年式である「TC-FJ2X」の方がベターという判断もあるのかもしれません。

■Be-K TC-FXG5Jのスペック

発売2017年5月
タイプ紙パック式
集じん容量1.5L
吸込仕事率100~500W
消費電力300~1000W
運転音約58~65dB
サイズ幅210×奥行323×高さ210mm
重さ(標準)2.4(3.6)kg
付属品サッシノズル・紙パック(MP-9)

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