はっきり言って、電動工具メーカーであるマキタにとって家庭向けクリーナーはメインの製品では全くありません。
208ページにも及ぶ2016年版の総合カタログによると、マキタの製品群は16のカテゴリーに分かれていて、家庭向けクリーナーが属する「家庭用機器等」というカテゴリーは16のカテゴリー中、実に15番目、別売りの付属品や替え刃などが並ぶ「アクセサリ」の手前にわずか8ページほどの扱いでしかありません。しかもクリーナーが掲載されているのは、さらにそのうちのたった3ページだけです。208ページ分の3ページ。ほんの1.4%ほどの分量です。実際の製品としての売上構成は分かりませんが、マキタにとってメインの製品だと思われる電動ドリルなどと比べたときに家庭向けクリーナーがだいぶちっぽけな存在ということは間違いないでしょう。
しかし近年、マキタのクリーナーが業務用として使用されていることが通販雑誌などで紹介されたりすることで、マキタのコードレスクリーナーはその存在感を増しています。マキタのコードレスクリーナーの最大の魅力は、業務用として使用されていることから来る質実剛健なイメージだと思われます。
掃除機なんてゴミが吸えれば良いよ!と考えたとき、余計な機能など無いかわりに価格も安い、しかも、業務用として使われるくらいに吸引力があるというマキタのコードレスクリーナーが光り輝いて見えて来る可能性は十分にあります。
紙パック式(リチウムイオンバッテリー)
家庭用としてはおそらくこのタイプのクリーナーが最も使い勝手が良いと思われます。といっても、特別な機能はありません。スイッチを入れて、ゴミを吸い込む、ただそれだけです。紙パックの交換は手間といえば手間ですが、ゴミに触れずにゴミ捨てが出来る完成度の高い方法と考えることは可能でしょう。
CL072DS
2012年3月発売モデル。価格目安:11,000円くらい。
7.2Vリチウムイオンクリーナに紙パック式登場!
30分の充電で最大16分(強は8分)使用可能です。吸込み仕事率14Wは別付けのリチウムイオンバッテリー方式では最弱となります。
CL102DW
2012年3月発売モデル。価格目安:14,000円くらい。
10.8Vリチウムイオンクリーナに紙パック式登場!
50分の充電で最大21分(強は13分)使用可能です。「CL072DS」と比べると使用時間が5分伸びていますが充電時間も20分伸びているので、どっちが良いのかは微妙なところです。吸込み仕事率も14Wで最弱レベルです。
CL107FDSHW
2016年10月発売モデル。価格目安:20,000円くらい。
パワフルな吸引力と手軽さで、家中をキレイに。
22分の充電で最大25分(強で10分)使用が出来ます。そして吸込み仕事率は32Wでマキタのスティックタイプのコードレスクリーナーの中で最強となっています。手元にLEDライトも付いていて、家庭で使用する場合、現時点では最も使い勝手の良いモデルと言えるでしょう。
CL142FDRFW
2011年4月発売モデル。価格目安:26,000円くらい。
14.4Vリチウムイオンクリーナに紙パック式登場!
22分の充電で最大40分使用できるスタミナタイプです。しかし、吸込み仕事率は25Wなので、32Wの「CL107FDSHW」と比べると見劣りしてしまいます。
CL182FDRFW
2012年10月発売モデル。価格目安:27,000円くらい。
18Vリチウムイオンクリーナに紙パック式登場!
紙パック式リチウムイオンバッテリーの最上位モデルです。22分の充電で最大40分使用出来、吸込み仕事率は30Wあります。しかし、価格まで考慮すると、20,000円前後で25分使用出来、吸込み仕事率が32Wある「CL107FDSHW」はやはり強力なライバルとなって来そうです。
カプセル式(リチウムイオンバッテリー)
「カプセル式」とありますが、要するに本体の内部にゴミをガシガシと溜め込む方法です。本体を開いてガサッとゴミを捨てることが出来る分かりやすい方式ですが、その際にゴミが舞い上がる危険性が高いことが紙パック式との違いでしょう。
またカプセル式は一部のモデルを除いて、握っている時だけスイッチがONとなるトリガー式が主流となっています。トリガーから指を放してしまうと吸い込まなくなってしまうので、広い範囲よりはその場で目についたゴミをサッと吸い込むという用途に適している仕組みでしょう。
CL070DS
2010年1月発売モデル。価格目安:10,000円くらい。
手軽に使える「軽量タイプ」
30分の充電で8分間使用出来ます。トリガーを握っている間しか吸引しないので、実際はもう少し長く掃除が出来る可能性が高いですが、まとまった面積を掃除するには不向きでしょう。吸込み仕事率も14Wでマキタのコードレス掃除機の中では最弱クラスです。
CL100DW
2010年1月発売モデル。価格目安:13,000円くらい。
手軽に使える「軽量タイプ」
「CL070DS」と比べると、使用出来る時間が8分→12分へと増えていますが、充電時間も30分→50分へと激増しています。吸込み仕事率は14Wで最弱クラスというところは変わりません。はっきり言って微妙な感じです。
CL106FDSHW
2016年10月発売モデル。価格目安:14,000円くらい。
清掃プロ業者の方も認める吸引力で、軽快に現場掃除。
バッテリーが改良され、22分の充電時間で16分使用出来る上、吸込み仕事率は19Wあるので、下位モデル「CL070DS」や「CL100DW」と比べると圧倒的に優位に立っています。しかし、トリガー式でまとまった面積の掃除には向かないのと、紙パック式に「CL107FDSHW」という22分充電、最大25分稼働、吸込み仕事率32Wという強力なモデルが存在するため、家庭向けクリーナーとしてファーストチョイスになることはなさそうです。
CL140FDRFW
2010年1月発売モデル。価格目安:23,000円くらい。
余裕の使用時間&吸引力「パワフルクリーナ」
22分の充電時間で20分稼働します。吸込み仕事率は25Wと下位モデルに対しては優位に立っていますが、20,000円前後の紙パック式モデル「CL107FDSHW」の22分充電、最大25分稼働、吸込み仕事率32Wという強力スペックの前では、やはり分が悪い感じがしてしまいます。
CL180FDRFW
2010年1月発売モデル。価格目安:26,000円くらい。
吸込み仕事率30W!マキタ「最強」充電式クリーナ!
22分の充電時間で20分稼働します。吸込み仕事率は「最強」の30Wですが、2016年発売の紙パック式モデル「CL107FDSHW」は吸込み仕事率32Wでこの「CL180FDRFW」を上回っています。まあ、たった2Wの違いなど大した差にはならないのかもしれませんが、紙パック式モデル「CL107FDSHW」の実勢価格が20,000円前後ということを考慮すると、この「CL180FDRFW」にとっては厳しい比較となるでしょう。
CL141FDRFW
2013年2月発売モデル。価格目安:25,000円くらい。
”ワンタッチスイッチ”で快適連続運転!高い所や狭い隙間、階段でも体勢・持ち方自在。
カプセル式にもかかわらず、トリガーではないワンタッチスイッチを装備したことで、家庭向けに近づいたモデルとなっています。22分の充電時間で最大40分使用出来るスタミナも魅力です。吸込み仕事率は25Wですが、金額次第では紙パック式の強力モデル「CL107FDSHW」と迷う位置にいると言えるでしょう。
CL181FDRFW
2016年3月発売モデル。価格目安:27,000円くらい。
簡単ゴミ捨てカプセル式 + 快適連続運転ワンタッチスイッチ!パワフルな18V仕様!
22分の充電時間で最大40分使用でき、吸込み仕事率は30Wと紙パック式の強力モデル「CL107FDSHW」と十分肩を並べる仕様となっています。問題はこの「CL181FDRFW」の方が金額が高いということでしょう。
バッテリー内蔵式(リチウムイオンバッテリー)
バッテリーが内蔵されていることで、より家電っぽいデザインとなっています。ただ、長くても数十分で充電が完了するバッテリー外付けタイプと比べると充電時間が格段に長くなっています。
CL105DWN
2016年9月発売モデル。価格目安:12,000円くらい。
ボタン1つでモード切替え & 「フロア・じゅうたんノズル」付、リチウムイオンバッテリ「内蔵」充電式クリーナ!
最大で23分使用出来て、吸込み仕事率も20Wありますが、充電時間は180分とバッテリー装着タイプのクリーナーと比べて格段に長くなっています。フロア掃除に適したヘッドを搭載しているので、カーペットの掃除をメインに行いたい場合は候補の一つとして浮上してくるかもしれません。
CL105DW
2015年6月発売モデル。価格目安:11,000円くらい。
パワフルモード搭載!リチウムイオンバッテリ「内蔵」充電式クリーナ!
充電時間、稼働時間、付属ノズルの全てにおいて、同タイプの2016年モデル「CL105DWN」の方が優っているので、現時点でこの「CL105DW」を選択する理由は見当たりません。
CL500DZ
2014年1月発売モデル。価格目安:32,000円くらい。
18Vリチウムイオンバッテリを使用(別売)。強力な吸引力で、ササッとお掃除!
マキタの他のコードレスクリーナーとは異なり、キャニスタータイプのコードレス掃除機です。付属ベルトでショルダー掛けすることも可能です。吸込み仕事率は75Wと圧倒的なパワーを誇りますが、バッテリーは別売りです。使用時間が最大で40分となる推奨バッテリーの「BL1840」は約10,000円前後します。
通常のコードレスクリーナーと同様に、特に機能面で突出したものがあるわけではないので、このタイプを選ぶ際には、なぜマキタなのかという理由を探しておく必要がありそうです。
紙パック式(ニカドバッテリー)
ニカドバッテリーはリチウムイオンと比べて安価なため、製品価格もそれに応じたものとなっています。しかし、バッテリーとしてはリチウムイオンの方が優秀なため、少しでも価格を低く抑えたいという事情がなければ、家庭用クリーナーとしてはあえてニカドバッテリータイプを選択する必要は特にないでしょう。
4076DW
2011年4月発売モデル。価格目安:9,000円くらい。
ゴミ捨てがさらに簡単に、開けやすいカバー&ゴミがこぼれにくい!
充電時間は約180分、使用時間は最大20分です。どうしてもバッテリー内蔵タイプにする場合でも、リチウムイオンバッテリータイプの「CL105DWN」の方が多くの面でベターでしょう。
4073DW
2012年8月発売モデル。
予備バッテリ(別販売)で連続作業も可能!
カートリッジ式のバッテリーなので、内蔵式と比べると充電時間は60分、使用時間は最大20分とバッテリーの使い勝手はぐっと高まっています。しかし、それでもわざわざニカド式バッテリータイプを選択する理由はあまり見当たりません。
4093D
2012年8月発売モデル。価格目安:6,000円くらい。
9.6Vタイプで作業量約30%アップ!
本体価格は安いですが、バッテリーは別売りです。既に製造終了の方向のようですが、対応するニカドバッテリーを持っていたりする場合には選択の候補に上がって来るのかもしれません。
カプセル式(ニカドバッテリー)
紙パック式(ニカドバッテリー)と同じく、少しでも価格を低く抑えたいという事情がなければ、家庭用クリーナーとしてはあえてニカドバッテリータイプを選択する必要は特にないでしょう。
4070DW
2012年8月発売モデル。価格目安:8,500円くらい。
カプセルをはずすだけでゴミ捨て可能!
約180分の充電時間で8~10分使用できます。金額的には低く抑えられているので、ともかくマキタのクリーナーが必要という場合に、有力候補として浮上する可能性はゼロではないのかもしれません。
充電式背負いクリーナー
VC260DZ
2016年2月発売モデル。価格目安:29,000円くらい。
プロ清掃業に…背負い&コードレス。疲労軽減。広範囲を隅々まで清掃。
「プロ」用と記載のあるこのタイプのクリーナーを家庭で使用するのは、ちょっと無理があるかもしれませんが使えないわけではありません。別売りバッテリー(推奨のバッテリー=「BL1850」は1本15,000円)を2本装着して、4.3kgの本体を背負えば準備完了です。
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