ブランドの力でライバルを削りに来ている廉価版ルンバ。アイロボット「ルンバ 606」

ロボット掃除機界の最強ブランド「ルンバ」。その末席に名を連ねるモデルが、この「ルンバ 606」です。


ルンバ 606 アイロボット ロボット掃除機 R606060

現行のルンバのラインアップは、現時点で最高のナビゲーションシステムと最強の吸引力を誇る最上位モデルの「s9+」、吸引力は落ちるものの、最高のナビゲーションシステムを備える「i7」シリーズ、最高ではないものの、マッピングを行いながら掃除を行う「900シリーズ(960)」、 マッピング能力は無いもののメーカー独自のアルゴリズムに基づいた堅実な掃除を行う「eシリーズ(e5)」と続き、機能的に最も見劣りするのが、この「600シリーズ」となっています。

マッピング能力が無いのはもちろんなのですが、この「600シリーズ」の回転ブラシだけが、毛を使ってゴミをかき込む旧式のタイプとなっていて、ゴム製のブラシが採用されている「e5」や「900シリーズ」よりも清掃能力が劣っています。

しかし、性能が低い=価格が安い、ということでもあります。

「600シリーズ」 は、ルンバのラインアップの中で価格的に最も安いシリーズなのです。

そして、この「ルンバ 606」は、その「600シリーズ」の中でも、最も安価なモデルです。

「600シリーズ」とひと口に言っても、実際には様々なモデルが存在しますが、現時点で入手しやすいモデルは、「600シリーズ」としてオフィシャルホームページのラインアップで唯一残っている「ルンバ 671」、そしてすでに「アウトレット」扱いになっているものの、少し前までラインアップにも残っていた「ルンバ 643(=642)」、そしてこの「606」となるでしょう。

この3つのモデルの価格を比べると、

「ルンバ 671」→  44,000円(税込)
「ルンバ 643(=642)」→33,000円(税込)
「ルンバ 606」→29,000円(税込)

くらいが目安となります。ちなみに「ルンバ 642」は「ルンバ 643」の色違いモデルで、価格もほぼ同等となっています。

確かに、この「ルンバ 606」が最も安いモデルとなっています。

しかし、価格が安い=性能が低い、という家電の基本法則は「600シリーズ」の中においても、もちろん当てはまります。価格が違うということは、この「ルンバ 606」には無いものが、他の2モデルにはあるということです。

まず「ルンバ 671」には、Wi-Fiを通じたアプリとの連携機能があります。この「ルンバ 606」にはありません。

これにより「ルンバ 671」では、遠隔操作やスケジュール設定が可能となっています。また他の2モデルと同じバッテリーを使用していますが、稼働時間が最大90分となっており、他の2モデルの60分よりも長くなっています。価格的にも他の2モデルとは差が大きく、価格の安さが最大の特徴である「ルンバ 606」とは直接の比較対象とはなりにくい存在かもしれません。

次の「ルンバ 643」は、Wi-Fiとの連携機能が無く、本体のボタンでもスケジュール設定は出来ない仕様となっています。機能的にはこの「ルンバ 606」と同等のモデルと言えるでしょう。しかし「ルンバ643」には、付属品として、ルンバが進入できないエリアを設定する「バーチャルウォール」が1台付いて来ます。この「バーチャルウォール」は「ルンバ 671」にも付属しますが、この「ルンバ 606」には付属しません。

ただ、この「ルンバ 606」でも「バーチャルウォール」を別途購入することで、「バーチャルウォール」を設定することは可能です。しかし、「バーチャルウォール」を別途購入すると、それだけで8,000円程度が掛かってしまうので、「バーチャルウォール」が必要な場合は、初めからこの「ルンバ 606」よりも「ルンバ 643」を選択した方が良いということになります。 

また地味なことですが、この「ルンバ 606」には本体を持ち上げるためのハンドルがありません。

まあ、ルンバを持ち運ぶ機会はそれほど多くないと思われますが、違うフロアでルンバを使う可能性がある場合などには、ちょっと気になるところかもしれません。

Wi-Fiを削り、バーチャルウォールを削り、ついでにハンドルまで削った結果、3万円を切る価格を実現したモデルが、この「ルンバ 606」なのです。

どうしてそこまでするのか?

世間では価格が1万円台のロボット掃除機が多数存在します。しかし、アイロボットの「ルンバ」ほどのブランド力を持つロボット掃除機はありません。「600シリーズ」は、確かに旧型仕様の製品ですが、数年前までは主力となっていた仕組みでもあります。

あともう少し予算を出せば、「ルンバ」が手に入る!

ロボット掃除機に多くは望まないから、安めの製品でもいいかな、と考えている人の目の前に「ルンバ」という選択肢をぶら下げることが、この「ルンバ 606」の使命なのでしょう(たぶん)。

最上位モデル「ルンバ s9+」は、15万円を超える超高額製品となっていますが、お高いところだけを狙わず、低価格のロボット掃除機もきっちり駆逐してやろうというアイロボット社の意気込みがうかがえる製品と言えるかもしれません。

■ルンバ 606のスペック

発売2019年4月
サイズ最大幅340×高さ92mm
重さ3.6kg
集じん容積-
稼働時間最大60分
稼働面積-
充電時間3時間
バッテリー寿命-
乗り越え可能な高さ-

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