らしさ全開の一点勝負型炊飯器。アイリスオーヤマ「RC-IE50」

家電全般において存在感が高まり続けている感のあるアイリスオーヤマの炊飯器です。


アイリスオーヤマ IH炊飯器 5.5合 極厚火釜 ブラック RC-IE50-B

アイリスオーヤマの炊飯器として数多くのモデルがラインアップされていますが、加熱方法によって、最も高機能(=高価格)なシリーズが「圧力IH炊飯器」、次いで普通の「IH炊飯器」、そして「マイコン炊飯器」と大きく3つに分けられています。また、大容量の「一升炊きモデル」、一般的なサイズの「5.5合炊きモデル」、少量サイズの「3合炊きモデル」と炊飯容量によっても大きく3つに分かれていてます。

つまり、この「RC-IE50」はアイリスオーヤマの炊飯器の中でも 、普通の「IH炊飯器」で、かつ一般的なサイズの「5.5合炊きモデル」という、実にスタンダードなタイプの製品となるのです。

そして、この「RC-IE50」の内釜は「極厚火釜」となっていて、釜の名前こそなかなか強そうな感じですが、その中身は「ステンレスとアルミの複層構造」という、奇をてらったところのまるでないシンプルなものとなっています。加熱方法についても、上下から包み込むような「Wヒーター」とされているものの、最大火力1130Wのうち、上ヒーターはわずか30Wしかなく、1100Wの下ヒーターからの加熱がほとんどとなっているので、包み込み度合いはそれほど高くなさそうです。

要するにこの「RC-IE50」は、特別高機能な炊飯器ではないということになるわけですが、一つ大きな特徴があります。

それは31種の銘柄に対応して、火力や蒸らし時間を自動で調整してくれるという炊き分け機能「銘柄炊き」です。

お米の銘柄に合わせて運転調整をする機能はパナソニックや三菱電機などが最上位シリーズに搭載していますが、アイリスオーヤマは驚いたことに最上位シリーズとなる圧力IH炊飯器の製品だけでなく、この「RC-IE50」が属する普通の「IH炊飯器」、さらには「マイコン炊飯器」の製品までにも、惜しげもなくこの「銘柄炊き」機能を搭載しています。アピールしやすいポイントに機能を絞り、その他についてはこだわらないことで、低単価で使い勝手の良い製品を生み出しているアイリスオーヤマらしさ全開の仕様と言えるでしょう。

ただし、この「RC-IE50」の場合、31種の銘柄を6つのグループに分けて、そのグループごとに運転モードがあるので、運転モードとしては6種、そしてその6つのグループに属さない銘柄の場合に標準モードがあるので、実質的には合計7種の炊き分けということになります。

ほぼメインとなっている下ヒーターと30Wの蓋ヒーターだけで、どのくらい精密な火力調整が可能なのか気になるところもありますが、高級炊飯器を買うほどの予算は考えていないけど、どうせなら色々なお米の銘柄を食べ比べてみたい!というプチグルメな人にとっては、ちょっと気になる機能かもしれません。

また、この「RC-IE50」はお米の炊き分けだけでなく、炊き込み、おかゆ、玄米、蒸し、煮込み、などの調理メニューもそれなりに搭載していて、単なる低価格&低機能モデルではないところも魅力と言えるでしょう。

ただ、アイリスオーヤマには同じ5.5合サイズのIH炊飯器でも多くのモデルがあるので、選択にちょっと迷ってしまいます。現行のラインアップに残っているモデルだけでも、この「RC-IE50」の他に5アイテムもあります。

■アイリスオーヤマの主なIH炊飯器(5.5合)
モデル発売価格目安
RC-IE502018年10月10,000円くらい
RC-IJH502020年8月15,000円くらい
RC-IC502018年5月15,000円くらい
RC-IH502020年4月14,000円くらい
RC-IK502020年9月13,000円くらい
KRC-IK502020年9月15,000円くらい

「RC-IJH50」は「ヘルシーサポート炊飯器」を標榜する製品で、様々な麦飯や雑穀米に対応しているほか、糖質をカットしてご飯を炊くことが出来る「低糖質機能」を備えています。「銘柄炊き」には対応しておらず、糖質を気にする人向けのモデルです。  

「RC-IC50」は、水量センサー付きの炊飯器という異色タイプの製品です。お米の量を検知して、炊飯に最適な水量を教えてくれる機能が付いているほか、40種類の「銘柄炊き」にも対応しており、お米の銘柄に合わせても水量を調節することが出来るので、銘柄炊きの精度がより高いかもしれないという期待を抱かせるモデルとなっています。

「RC-IH50」は、最多の50種類の「銘柄炊き」に対応しており、さらに好みのかたさの選択が出来るなど、発売時期が新しいこともあり、この「RC-IE50」を正常進化させたモデルとなっています。 

「RC-IK50」と「KRC-IK50」は、ほぼ同じ仕様のモデルです。40種類に対応した「銘柄炊き」 も可能ですが、好みのかたさと食感を組み合わせる「おこのみ炊き」で9通りの炊き分けが可能となっていて、 新しい機能である「おこのみ炊き」の方が強調されています。実質6種類の「銘柄炊き」よりは、使う人の好みに合わせて調整しやすい「おこのみ炊き」の方がメインの機能として残っていく可能性もありそうです。「極厚火釜」→「極厚銅釜」へと内釜がランクアップしていて、さらに付属品も多くなっている「KRC-IK50」の方が上位モデルです。

いずれのモデルも、少なくともこの「RC-IE50」よりは高機能となっているので、この「RC-IE50」よりも、もう少し高機能なモデルにしたい場合は有力な候補となるでしょう。もちろん、当然のことながら価格も上がっているので、機能よりも価格を優先させる場合はやはりこの「RC-IE50」がファーストチョイスとなるのかもしれません。

■RC-IE50のスペック
発売2018年10月
炊飯容量(白米)5.5合
サイズ幅268×奥行332×高さ223mm
重さ4.5kg
消費電力1130W
消費電力量(炊飯時)156.2Wh
消費電力量(保温時)18.9Wh
内釜極厚火釜
炊飯時間(無洗米・白米)47~56分

コメント