たとえ価格は安くても、お買い得とは言い切れないアイライフのロボット掃除機「A6」

薄めの外観が特徴となっているロボット掃除機です。



ILIFE A6 ロボット掃除機

販売元のILIFE(アイライフ)は中国に拠点を置く企業です。日本法人は2017年設立と、まだ出来たばかりですが、海外では2010年から研究開発を行っているようです。

この「A6」の最大の魅力は、3万円を切る本体価格です。

もちろんこれより安いロボット掃除機はたくさんありますが、この「A6」は単に安価なロボット掃除機ではありません。

本体前方の両脇に付いているサイドブラシでゴミを「かきだし」、回転ブラシで「かきこみ」、吸引口で「吸い取る」という3ステップの掃除方法は特別ではないものの、まあ標準的とは言えそうです。

そして、掃除が終わったあとに自力で充電ベースに戻ることが出来ます。

また、センサーを使って障害物への衝突を回避したり、段差からの落下を防止することが出来ます。

さらに、1回の充電で最大160分間という長時間の掃除をすることが出来ます。

そのうえ、この「A6」が通り抜けることが出来ない仮想の壁を作り出す「インビジブル壁」が付属してくるので、障害物を置いたりすることなく、ロボット掃除機の進入禁止エリアを設定することが出来ます。

うん、低価格系のロボット掃除機としては、なかなか充実した機能と言えそうです。

しかし、いくつか不安なところもあります。

この「A6」はランダムな動きをしながら、部屋を掃除していくタイプですが、ロボットの知能については特記事項がありません。

ルンバのようにある程度実績のあるアルゴリズムが搭載されている可能性もありますが、完全に出たとこ勝負のランダムな動きだったりすると、運が良ければ部屋の掃除が終わるという事態にもなりかねません。ゴミセンサーも無いので、ゴミの多い場所を念入りに掃除してくれるということもないでしょう。

また、本体の高さは72mmと薄いので、狭いスペースに入り込むことが出来そうですが、乗り越え可能な段差の高さは約1.2cmとされていて、運動能力はあまり高くありません。

排気についても、HEPAフィルターを搭載しているので、フィルターがキレイな状態であれば問題なさそうですが、フィルターの交換頻度は約1か月に1度が目安となっています。これはかなり頻繁に交換が必要です。幸いフィルターの価格はそれほど高くありませんが、交換頻度がこれほど多いということは、ダストボックスに何か問題があったりはしないのか、ちょっと気になってしまいます。

そして何より、販売元のアイライフの国内での実績がそれほど無いことが不安です。

オフィシャルサイトを見ても、日本でのサポート体制は充実している感じはあまりありません。バッテリーの寿命や、ブラシなどの消耗品の価格についてもオフィシャルサイトでは案内はありません。海外向けとしては新モデルも投入されていたりするので、これから日本での展開にも力が入れられて来る可能性もあるのでしょうが、今のところはアイライフにとっては、アメリカと中国が活動の中心という雰囲気です。

3万円を切る価格は、それなりに信頼性のあるロボット掃除機であれば、お買い得となる可能性はありますが、チョコチョコ動き回ってゴミをいくらか集める程度であれば、他の選択肢もたくさんありそうです。

国内での実績の少ない新興勢力だけに、なるべくならこの「A6」に決断するのは、実機の動きを確認してからにしたいところかもしれません。

■A6のスペック

サイズ直径310×高さ72mm
重さ2.5kg
集じん容積0.3リットル
稼働時間最大160分
稼働面積-
充電時間最大5時間
バッテリー寿命-
乗り越え可能な高さ1.2cm

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