ササっと軽めの掃除に向いているっぽいEufyのロボット掃除機「RoboVac G10 Hybrid」

モバイルバッテリーで有名な「ANKER」が手掛けている家電ブランド「Eufy」のロボット掃除機です。


Anker Eufy RoboVac G10 Hybrid

この「RoboVac G10 Hybrid」の最大の特徴は、「Hybrid」という名前からも想像できる通り、単なるゴミの吸引を行うだけでなく、本体にモップを取り付けることで、水拭きも出来るということです。

ただ、この水拭きの使い勝手はあまりよくありません。

最大の問題は、水拭きモードにする前には、この「RoboVac G10 Hybrid」を使って、事前に「3回」掃除を行うことが推奨されていることです。

「1回」ではありません。「3回」です。

その理由は、この「RoboVac G10 Hybrid」の水拭きモードは「こびりついた汚れがない、きれいな床の水拭きを想定」しているためなのだそうですが、結果として、本来の目的=水拭きの前に、準備段階としてロボット掃除機を連続で動かさなければならないという高いハードルの想定を使う側に求めることになっています。

この「RoboVac G10 Hybrid」を連続で動かすためには、この「RoboVac G10 Hybrid」を充電台から3回送り出し、3回無事に戻って来てもらう必要があるわけですが、1回目と2回目、そして2回目と3回目の間の充電時間がどれくらいになるのかは、掃除のスケジュールを立てる上で非常に大きな課題となりそうです。

現実問題、掃除にそんなに長く時間をかけていられないので、自己判断で事前運転は「2回」、あるいは「1回」、場合によっては「0回」でもって、いきなり水拭きに突入せざるを得ないという事態が、掃除の現場ではたびたび発生することになるような気がしてなりません。

だいたいのところ、水拭きOKになるくらいのきれいな床にするためには「3回」の事前運転が必要だとメーカーが考えている時点で、この「RoboVac G10 Hybrid」の清掃能力が特別優れたものではないということがヒシヒシと伝わってきます。

そしてそれを裏付けるように、この「RoboVac G10 Hybrid」の自動モードでの掃除方法は、部屋の中を直線的な動きで往復するだけのものとなっています。掃除が終わったときには自動で充電台まで戻ることは出来るものの、マッピング機能などは無いので、自分の位置は移動角度と距離から計測しているだけに過ぎません。ゴミセンサーも搭載していないので、ゴミの多い場所であろうがなかろうが、同じように通過することで掃除完了となります。

そもそも、この「RoboVac G10 Hybrid」は、本体の両脇でクルクルと回転するサイドブラシは備えているものの、最後にゴミを吸い込むことになる本体の底面部分に回転ブラシは搭載していません。なので、床面がフローリングやタイルであれば問題ありませんが、カーペットに絡みついたゴミをかき取ることなどは出来ません。このことはあまり明記されていませんが、もともとロボット掃除機が水拭きが出来るのは、大抵の場合、床面がフローリングやタイルの場合だけなので、「Hybrid」モデルであるこの「RoboVac G10 Hybrid」を選択する人は、そのあたり了解済みだろうというのが、メーカー側の読みなのかもしれません。

結論として、飛び切りの清掃能力を備えているとは到底考えられない、この「RoboVac G10 Hybrid」なのですが、それは致し方ないところもあります。

なにしろ、この「RoboVac G10 Hybrid」は、オフィシャル価格で3万円を切っているモデルなのです。メーカーも別に超高性能のロボット掃除機として、この「RoboVac G10 Hybrid」を売り出しているわけではありません。

この価格で、障害物への衝突防止機能や、落下防止機能、掃除が終了した際に自動で充電台に戻るだけでなく、バッテリー不足で掃除を中断して充電台に戻った場合には、充電完了後に中断エリアから掃除を再開するというスグレ技まで搭載しているのです。さらに、Wi-Fi経由でアプリと連携した遠隔操作も可能となっています。

過大な期待さえ持たなければ、「ロボット掃除機」と聞いて想像する能力は、それなりのレベルで備えていると言って良いでしょう。ロボット掃除機の掃除に多くを求めず、ササっと手早くやってくれればOKだよ、という場合には、十分活躍してくれそうです。

しかし、ロボット掃除機の掃除レベルにそれほど多くを求めないという場合は、他の選択肢も多く浮上して来ることになります。例えば、もう少し予算をかければ、安定ブランド「ルンバ」の旧仕様モデル「600シリーズ」、水拭きにこだわらなければ、同じ「Eufy」でさらに価格の安い「RoboVac 11S」などが有力なライバルとして立ちはだかる可能性もありそうです。

■Eufy RoboVac G10 Hybridのスペック

発売2020年1月
サイズ幅325×奥行325×高さ72mm
重さ2.5kg
集じん容積450ml
稼働時間最大80分
稼働面積-
充電時間約300~360分
バッテリー寿命-
乗り越え可能な高さ-

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