シー・シー・ピー 「ラクリート CZ-920」
CCP 【LAQULITO】(通販限定モデル) アロマ対応 シャンパンゴールド CZ-920-GD
メーカーのシー・シー・ピーはおもちゃメーカー、バンダイのグループ企業です。
シー・シー・ピー自体も家電だけでなく、おもちゃの製造も行っています。というか、本来はおもちゃが本業なのだと思われます。
家電については小型のものを守備範囲としており、ラジコンなどを扱っている関係からかロボット掃除機は得意分野に近いのかもしれません。自動で走り回るモップロボット「モコロ」や「モーファ」など、大手メーカーでは思いもつかないほど、大胆に機能を削ぎ落とした製品を生み出してヒットにつなげています。
ただ、この「CZ-920」は比較的本格感のあるロボット掃除機「ラクリート」シリーズのハイグレードモデルという位置付けです。通販限定モデルとなっていますが、実質的なシリーズ最上位モデルだと思われます。標準価格は57,000円と、おもちゃ扱いの出来る金額を軽く飛び越してしまっているだけに、その性能はとっても気になるところです。
うーん、、、な「3ファンクション」
この「CZ-920」は、かきこみ、すいとる、ふきとるという「3ファンクションクリーニングシステム」で掃除をしてくれるそうです。ルンバの3段階クリーニングシステムと似ています。
ただ、いくつか気になるところがあります。
もっとも気になるのは「すいとる」はずの吸引口が結構小さいということです。本体の全幅の1/3も無さそうです。
そもそも、この「CZ-920」にはルンバなどに見られる回転ブラシはありません。文字通り「すいとる」だけなのです。当然、吸い込み口が小さい方が吸い込む風速が強くなるということなのでしょうが、まさにすぼめた口のような、この小さな吸引口でもって床のゴミを吸い込んで回るのかと思うと、あまり効率が良くなさそうな感じがしてしまいます。
そして、もう一つ気になるのは「かきこみ」担当の回転ブラシです。
小さな吸い込み口でゴミを「すいとる」ためには、この回転ブラシで確実にゴミを吸い込み口のところまで運ばなくてはならないわけですが、とりたてて特別な仕組みなどはありません。
、、、。
パッと見では、2つある回転ブラシでともかくゴミをかき出しまくって、吸引口のほうに行ってくれればいいなという希望的観測に基づいた仕組みのように見えてしまうのですが、ひょっとすると、ゴミを逃さないための驚きの工夫が図られていたりするのかもしれません。まあ、特にアピールはされていませんが。
そして「3ファンクション」の最後の砦となる「ふきとる」を担当しているのは、吸引口の後方に控えている専用モップシートです。
このモップシートは、面積が本体底部の半分ほどもあり、ともかく大きさについては頼もしい感じがあります。
たとえ「かきこみ」&「すいとる」がうまくいかなかったとしても、取り残したゴミはオイラが根こそぎふき取ってやるぜ!的な迫力がありますが、やはりこちらのモップシートも「専用」のモップシートではあるものの、それほど特別なものではなさそうです。また、モップシートはフローリングの床にしか使えないということも忘れてはならないでしょう。
うーん、、、な使い勝手
この「CZ-920」は段差や障害物を感知するセンサーを搭載していて、それらを避けて掃除をすることが出来ます。
これぞロボット掃除機的な機能ではありますが、段差が10cmに満たない場合には落下する危険があるともなっています。さらに、壁際をしっかり掃除するためには障害物を感知するセンサーのスイッチをOFFにしなければならなかったりします。
だいたい、ロボット掃除機の性能を一番左右すると思われる、どうやって隈なく部屋をキレイにしていくのか?
という課題に対し、この「CZ-920」は明確な答えを持っていません。
渦巻き状に動く「スパイラル」、不規則な「ランダム」、壁沿いに動く「壁づたい」、直線的に折り返す「ジグザグ」の4つの動きを自在に組み合わせて掃除をするようですが、色々な動きを単純に組み合わせるだけで、掃除のし残しがなくなるという感じは全くしないだけに、ちょっと心配なところです。
また、ルンバなどにある、ロボット掃除機に入って欲しくないエリアを区切る装置はありませんし、充電時間も8時間とかなり長めです。ゴミを捨てる際にも、ダストボックスを取り外した後、さらにフィルターを外さなければならないようになっており、使い勝手はそれほど良好だという感じはありません。
まとめ
正直なところ、この「CZ-920」からはそれほどハイグレードな感じはしてこないのですが、あえて言うならば本体の高さが75mm、直径も295mmというコンパクトサイズとなっているので、狭いところの掃除は比較的得意かもしれません。
また、標準価格は57,000円とそれなりにハイグレード感がありますが、実際の販売価格は25,000円前後らしく、まあ、それくらいの性能かな、と納得することも出来るようなレベルには抑えられているようです。
アロマオイルを染み込ませるトレイが付いていたりもしますが、これは、まあ完全にオマケと考えて良いでしょう。
掃除能力自体に大きな期待は禁物ですが、クロスでの拭き取り機能があるということを考えると、この「CZ-920」に掃除させるのはフローリングの部屋だけだよ!という場合には候補に上がってきても、驚くほどおかしいということはないのかもしれません。
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