お馴染みの伝統工芸品炊飯器。南部鉄器が内釜になっている象印「NW-AT10」

伝統工芸品「南部鉄器」を内釜に採用している、恐れ多いというか、大胆不敵な炊飯器です。

プライムブラック↓


象印 炊飯器 極め羽釜 南部鉄器 5.5合炊き プライムブラック NW-AT10-BZ

プライムホワイト↓


象印 炊飯器 極め羽釜 南部鉄器 5.5合炊き プライムホワイト NW-AT10-WZ

この「NW-AT10」の最大の魅力が、伝統工芸「南部鉄器」の技術を惜しみなく注いで作られているという内釜であることは間違いありません。

なんと、この「NW-AT10」の内釜1つを作るために、内釜1つに対して砂の鋳型も1つ作成されているのだそうです。そして1,000℃に達する溶けた鉄を職人さんが自らその鋳型に流し込んでいるというのだから驚きです。

この「NW-AT10」は、規格に沿った工業製品という立場から、伝統工芸品側に近づいている製品と言えるのかもしれません。

こんな触れ込みを聞いてしまうと、この「NW-AT10」への期待が高まるのも無理はありません。

正直なところ、内釜を作るのにここまでの労力を注いでおいて、実際のところ他の炊飯器とそれほど変わりませんでした!というのは、使う側にしても、作る側にしても、色々な意味で「無し」かもしれない、という気さえして来ます。

ただ。

「暮らしを愉しむ人に、南部鉄器はよく似合う」

とまでメーカーに言われてしまうと、南部鉄器が似合う暮らしってどんなだろう?と遠い目をしてしまいそうな危険性も無くはありません。ただ、伝統工芸クラスという内釜のインパクトが絶大なのは確かです。11.5kgと腕にズッシリとくる重さのおかげで、使うたびに鉄の存在を感じとることも出来そうです。

そして当たり前ですが、別にこの「NW-AT10」は、無駄に内釜を南部鉄器にしているわけではありません。

ただでさえ鉄の熱伝導率は高いですが、この「NW-AT10」は南部鉄器の技術を利用することで、内部に気泡の無い内釜となっており、特に熱伝導効率が高いのだそうです。さらに南部鉄器は蓄熱性が高く、おこげが付きます。釜の底のおこげを残して水を入れて炊くことで、おこげのおかゆ、湯の子を味わうことも出来ます。

もちろん、内釜が南部鉄器というだけではなく、この「NW-AT10」は最大1.5気圧の高い圧力をかけることの出来る圧力炊飯器でもあります。消費電力も最大1450Wと豪快なレベルですが、この高火力を利用して一気に内釜内に対流を引き起こすことで、お米の内部に熱と水分を浸透させるのだそうです。内釜を包み込むようにして四方と、さらに左右にもヒーターも搭載されていて、熱を逃さずしっかりと過熱する構造になっています。

さらに、食べたお米の硬さや粘り気についての感想を入力することで、その家に合わせた炊き方に調整していくという「わが家炊き」機能などの小ワザも抜け目なく備えています。

伝統工芸品の内釜に、現代技術の圧力IHを組み合わせるという南部鉄器炊飯器のもつ独特の存在感は登場から数回のモデルチェンジを経てもいまだに健在と言えるでしょう。

内釜だけでそれなりに高級感があるので、押すだけでフタが閉まるというクローズボタンを、わざわざフタに付けることまでしなくても良いような気もしますが、そこは象印のフラッグシップモデルの炊飯器ということで、どうしても譲れないポイントだったのかもしれません。むしろ、炊飯のたびに洗わなければならないパーツが、内フタ2点と内釜の計3点に絞り込まれていることの方が、地味ながら使い勝手の向上につながりそうです。

■NW-AT10のスペック

炊飯容量0.5~5.5合
サイズ幅305×奥行400×高さ245mm
重さ11.5kg
消費電力1450W
消費電力量(炊飯時)151Wh/回
消費電力量(保温時)17.1Wh
内釜南部鉄器 極め羽釜
炊飯時間(標準)約53~59分(白米/ふつう)

コメント