「生まれてよかった」と思える炊飯器。象印「NP-WA10」

「この国に生まれてよかったと、思えるおいしさです」

この強烈なキャッチコピー。象印の誇る高級炊飯器「極め羽釜NP-WA10」です。

プライムホワイト↓

ZOJIRUSHI 【新・極め羽釜】NP-WA10-WP


そして、プライムブラウン↓

ZOJIRUSHI 【新・極め羽釜】NP-WA10-TP

独自進化している釜の羽

「生まれてよかった」

この「NP-WA10」で炊いたお米を食べることで、そう思えるなら、一家に一台、国家予算で揃えてしまうということも検討されそうです。いや、するべきではないでしょうか?

この「NP-WA10」は2013年8月発売なので、来年度予算ということになるのでしょうか?うーん、楽しみです。

どうして、メーカーはそんなに自信があるのか?

メーカーによると、「先人たちが愛してやまなかった、大粒でハリのあるごはん。そのおいしさの秘訣は、かまどで炊くときの、羽釜の形」にあったのだそうです。

ほー。

「激しい炎を、釜の羽で受け止め、お米に効率良く熱を伝えていたのです」

そして!

「この理想的な炊き方を受け継いだのが、象印の培ってきた技術を結集させた”極め羽釜”です」

ドーン!

と来るワケです。

ただ、、、

「生まれてよかった」と思えるほどのおいしさは、本当に釜の形を羽釜にすることで生み出されるのか?

という疑問が普通に生じます。

いや、いくら何でもそれは無いでしょう、、、という気がします。

だいたい、羽釜を使っていた人達が、ご飯を食べるたびに「生まれてよかった」と感じていたのかというと、そんなこと無さそうですし、羽釜を使っていた人の社会的地位、時代や地域の想定によっても、かなりの個人差が出そうです。

しかも、羽釜の羽は元々、かまどにきちんと釜を架けるために付けられるようになったもので、特に熱の伝導効率を考えたものでは無いみたいです。

、、、。

国家予算による一家に一台「羽釜」計画の行く末が、ちょっと怪しくなって来ました。

ただ、「羽釜」の歴史的な経緯はどうあれ、釜に効率的に熱を伝えること自体は、もちろん悪いことではありません。

この「NP-WA10」では、羽釜を受ける部分にヒーターを組み込み、そのヒーターが釜の羽に密着するような構造にしたことで、ヒーターによる加熱だけでなく、ヒーター部と釜底までの間が密封されることによる蓄熱&断熱効果も得られるという一石二鳥な仕組みになっています。

さらに内釜の内部に「うまみプラチナコート」なるナノプラチナに遠赤外線効果のあるセラミックスを結合した特殊な素材をコーティングすることで、プラチナの触媒作用と遠赤外線効果で、従来機と比較すると、ごはんの甘み成分の一部が約60%、うあみ成分の一部が約10%アップしたそうです。

、、、。

この辺はちょっと難しいので、微妙な感じがして来ます。

「ナノプラチナ」は化粧品や健康食品にも使用されている抗酸化作用が期待される物質のようです。この「NP-WA10」では、なんと釜に入れた水が弱アルカリ性に変化することで、お米の芯まで浸透しやすくなり、甘みやうまみを引き出すことにつながるようです。

水の酸性度を変化させてしまうとは、ちょっと怖いような感じもしてしまいますが、おいしくなるというなら、まあ目をつぶることにする方が良いのかもしれません。

そして、そんな不安はメーカーの開発に協力した大阪の定食屋のご主人が吹き飛ばしてくれます。

この「極め羽釜NP-WA10」で炊いたごはんについて、

「おいしさが、脳天まで突き抜けてきますな」

とコメントしています。

「脳天まで突き抜けるおいしさ」

これは「生まれてよかった」と思えるおいしさに近しいものを感じます。もしかすると国家予算投入の可能性がわずかながら残っているかもしれません。

そして嬉しいことに、この「NP-WA10」のウリは、釜に羽が付いていることだけではないのです。

まず、1.0〜1.3気圧の圧力調整により、7通りの炊き分けが出来るというハイテクな一面も持っています。

さらに、前回の炊き上がりについての感想をアンケート式に回答することを繰り返すことで、お好みの味に近づける「わが家炊きメニュー」という小ワザまで装備されています。

小ワザと言えば、炊飯メニューに「金芽米」用の炊飯モードも備えられています。「金芽米」とは、大きな話題を呼んだ「タニタ食堂」でも採用されているらしい白米より栄養価の高い精米レベルのお米です。

もちろん栄養価が最も高い「玄米」用のモードもあり、玄米を活性化させるという驚きの機能もあります。

これは、この機能を使用することで、玄米に含まれる「GABA」が元の玄米の約1.5倍になるというスグレ技ですが、事前に約2時間の加温が必要になるという弱点もあるので、急いでご飯が食べたい時には注意が必要です。

さらに、内釜内の密閉や様々なセンサーによる加温調整を行うことで、40時間経っても保温したごはんがおいしいという力技だって兼ね備えています。

それでいて、消費電力が特別大きいということもなく、炊飯時間も特別掛かるとうこともなく、特急では驚きの最速14分(〜22分)という高速炊き上げも可能です。

、、、うーん。

これは、なかなか優れた製品という感じがします。

ただ。

お値段は売り出し時の価格で126,000円。

、、、。

当然ですが、高級炊飯器チームの所属となります。

そして小さな注意点として、サイズが大きめです。幅295mm、奥行で365mm(高さは240mm)という数値は、国内トップクラスのサイズです。

しかし、これも「NP-WA10」では、熱効率が高く炊きムラが抑えられるという、広くて浅い内釜が採用されているためなので、「うまれて良かった」と思えるおいしさを追求するためには譲れないところです。購入する際には、台所に広いスペースを確保しておきましょう。

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