サイズと同じく能力もコンパクトな弟分モデル。シャープの加湿空気清浄機「KI-HS50」

上位モデル「KI-HS70」と見た目で区別することは素人にはとても難しい弟分モデルです。

ホワイト系↓


シャープ プラズマクラスター25000搭載 加湿空気清浄機 PM2.5モニター付 クラウド対応 ホワイト KI-HS50-W

グレー系↓


シャープ プラズマクラスター25000搭載 加湿空気清浄機 PM2.5モニター付 クラウド対応 グレー KI-HS50-H

この「KI-HS50」は、上位モデル「KI-HS70」とそっくりな外観をしているだけでなく、機能面でも全く同じです。

Wi-Fi経由でクラウドにつながり、地域ごとの花粉の飛散状況、気温、湿度、その時の室内の空気の汚れ具合などの空気情報を蓄積、分析して自動で運転を最適化してくれるという「おうちフィット」の機能があって、遠隔操作も可能です。ホコリ、ニオイ、温度、湿度、照度の5つのセンサーに基づく自動運転が出来て、メーカー特製のイオン兵器、プラズマクラスター25000も付いています。

ただ、本体のサイズは少し違います。

「KI-HS50」→幅345×奥行262×高さ631mm、重さ約8.9kg
「KI-HS70」→幅370×奥行293×高さ660mm、重さ約10kg

となっています。

幅にして2.5cm、奥行きは3.1cm、高さは2.9cm、総じて約3cmずつ、上位モデルの「KI-HS70」の方が大きくなっています。重さも約1.1kg重たいです。

そして、当然のことながらサイズの大きな上位モデル「KI-HS70」の方がパワーも大きいです。

上位モデル「KI-HS70」の空気清浄での最大風量は6.7㎥/分となっていて、この「KI-HS50」の5.1㎥/分に対し、約30%増しとなっています。もちろん、その分消費電力にも違いがあり、空気清浄モード最大風量時の消費電力は64→80Wで25%アップとなっています。

上位モデルは、サイズも大きくて、パワーも大きくて、消費電力も大きい。実に分かりやすい話です。

しかし！

加湿空気清浄機において、おそらく最も使われるであろう加湿空気清浄モードとなると、これが少し変わってきます。

この「KI-HS50」と上位モデル「KI-HS70」の加湿空気清浄での風量を運転モードごとにみてみると、

「KI-HS50」：静音1.2→中2.7→強4.7㎥/分
「KI-HS70」：静音1.5→中3.1→強5.2㎥/分

となっています。

空気清浄モードに比べて、この「KI-HS50」の風量は上位モデル「KI-HS70」に接近しているのです。この2つのモデルの加湿モードでの最大風量は10%ほどしか変わりません。

なんだ。パワーがあまり変わらないなら、別に上位モデルじゃなくても良いや。

という気がして来ますが、ここで加湿モードの消費電力をみてみると、

「KI-HS50」：静音4.8→中23→強53W
「KI-HS70」：静音5.0→中22→強45W

となっています。

静音を除くと、上位モデル「KI-HS70」の方が風量が多いのに、消費電力が低いという逆転現象が起きているのです。

おそらくですが、加湿時は加湿フィルターに空気を通さなければならないこともあり、パワーの小さい「KI-HS50」にとって、仕様通りの風量を出すことはモーターへの負荷が大きいということなのでしょう。

上位モデル「KI-HS70」と、この「KI-HS50」とを加湿空気清浄モードで比べると、上位モデル「KI-HS70」は、サイズが大きくて、パワーも大きいけど、消費電力は小さいということになります。

、、、。

これは分かりにくいです。

本来、パワーが低いけど、その分本体価格も安いことが下位モデルである「KI-HS50」の最大の特徴であるはずです。それが上位モデルよりも消費電力が大きい＝電気代が高いというのはちょっと違和感があります。

ただ下位モデルを選ぶと、電気代が多く掛かるからといって、いつかは元が取れる！とそれだけの理由で上位モデルを選択するのは危険です。

この2つのモデルを加湿モードの「強」で運転し続けたとして、今の電気代が大きく変わらなければ、この2つのモデルの1時間あたりの電気代の差は約0.21円です。

上位モデル「KI-HS70」は「KI-HS50」よりも6,000〜7,000円くらい本体価格が高くなります。仮に差を6,000円としても、加湿モードの電気代の差がこの本体価格の差に到達するのは、28,571時間運転した後のこととなります。

28,571時間＝1190日＝約3年3ヶ月です。

現実には1年中24時間フル稼働で加湿空気清浄運転をすることは考えにくいので、この期間はさらに伸びることになるでしょう。やっぱりコスト面を考えれば本体価格の安いこの「KI-HS50」の方が有利なのは間違いありません。

ただ、空気清浄はもちろん加湿空気清浄でも、余裕をもって運転できる上位モデル「KI-HS70」の方が性能面ではだいぶ有利だということもやっぱり間違いないでしょう。

■KI-HS50のスペック