シャープ EC-VX700
シャープ プラズマクラスターサイクロン掃除機 EC-VX700-N
「パワフル一毛打尽自走ヘッド」を搭載したシャープのサイクロン掃除機の最上位モデルです。
一毛打尽。
もちろん、四字熟語の「一網打尽」にかけたメーカー渾身の造語です(たぶん)。
毛を1本だけ取る、ということではもちろん無くて、それだけ「毛」に強いんですよ!ということなのだと思います。造語の評価はさておき、「毛」が取りやすいことは悪いことではありません。
コシがある太いブラシ。それが「一毛打尽」ヘッド
この「EC-VX700」に搭載された必殺の「パワフル”一毛打尽”自走ヘッド」、その特徴は幅約28cmのワイドな吸込口にコシのある太いブラシが付いているということなのだそうです。
じゅうたんやラグマットにからみついた抜け毛などをかき取るには固めのブラシが良いということなのでしょう。何となく分かるような気もします。
しかし、ただそれだけです。
まあ、抜け毛が取れるならそれにこしたことはないのですが、「パワフル一毛打尽自走ヘッド」!とわざわざヘッドの名前にしてしまうほどのことなのかどうか、少し疑問に感じたりもします。
ヘッドには、この極太「一毛打尽ブラシ」の他に、ブラシにつく雑菌を抑制する「Ag+イオンブラシ」や、固く無い「ソフトブラシ」、ヘッドの両脇のゴミを集める「スミブラシ」などが搭載されており、当たり前ですが「毛」以外のゴミにも対応しています。
ただ、「一毛打尽ブラシ」が剛毛すぎて、フローリングなどを傷つけたりしてしまうという心配はないのでしょうか?ちょっと気になるところではあります。
名前はなんとなくカッコいい「パラレルフローサイクロン」
この「EC-VX700」には新しいサイクロン機構が搭載されています。
その名も「パラレルフローサイクロン」!
横文字でちょっとカッコいい感じです。
まあ、旧モデルの「スクリュープレスサイクロン」とどっちがいいかと言われると、やっぱりどっちでも良いような気もしてきてしまったりするのですが、この新しい「パラレルフローサイクロン」は旧モデルまでとは根本的に異なる性能を持っています!
なんと!
ダストカップにプリーツフィルターが不要なのです!
ワー!パチパチパチ!
昨年の最上位モデル「EC-VX600」では、サイクロン機構はありつつも、メインはしっかりとフィルターでゴミをキャッチし、そのゴミはチリ落とし機構を使って、きっちりダストボックスにふるい落とすという、昔ながらの方式にこだわっていました。
ところが、この「EC-VX700」ではフィルター&チリ落とし機構が無い=より多くのゴミをサイクロン機構で分離出来る、ということになり、これまでより格段にサイクロン機構の性能が高いということになるのです!。やった!
ただ。
これはサイクロン界の盟主であるダイソンをはじめ、国内でもいくつかのメーカーにとってはそれほど驚くには値しないことだったりします。そして、メーカーのシャープ自身も昨年発売の中位モデル「EC-LX600」で既に「2段階遠心分離サイクロン」として、ダストカップ内にプリーツフィルターが不要なタイプのサイクロン機構を搭載していたりするのです。
要するに、この「パラレルフローサイクロン」自体は特別革新的なものではありません。
「パラレルフローサイクロン」は、中央のメインのサイクロンの周囲に小型のサイクロンを8つ搭載し、より細かくゴミを遠心分離しようという構造となっています。盟主ダイソンと同じような方向性のようですが、ダイソンの最新モデルの掃除機は24個ものサイクロン構造を搭載しているので、サイクロンの数で比べるとあからさまに分が悪いです。しかも、この「パラレルフローサイクロン」の構造は昨年投入された「2段階遠心分離サイクロン」と奇妙なほど似ています。というか、同じものに見えます。
、、、。
もちろん、サイクロンの性能はサイクロンの数が全てではありませんし、昨年と同じ構造にしてはいけないということもありません。
ただ多くの場合、そんな分かりにくいサイクロン機構の性能を示すために、何ミクロンのゴミを分離出来るとか、風速がどれくらいとか、その効果のほどはともかくとしても、なんらかの数字的なアピールがされていたりしますが、この「パラレルフローサイクロン」にはそれらの数字めいたものが全くありません。
、、、。
これは「言わなくてもわかるでしょ」ということなのかもしれませんが、それを良い意味でとらえてよいものかどうか、なにしろ、これまでメーカー自身がそれほどサイクロン機構に力を注いでいなかったという雰囲気が濃厚なだけに気になるところではあります。
ただ、この「EC-VX700」の場合、サイクロン機構の先にあるお手入れ可能なフィルターは「約2年半お手入れ不要」となっており、本体の稼働に支障が出るようなゴミはサイクロン機構でだいたいキャッチ出来るようになっていると考えても良さそうです。
まとめ
毛の取りやすいヘッドとそれなりに期待できそうなサイクロン機構というのが、この「EC-VX700」の特徴ですが、国内メーカー製品らしく、ダストカップ周りや、必殺の一毛打尽ヘッドは丸ごと水洗い出来るので、手間さえ掛ければ衛生面も保てます。
手元ブラシや 伸縮して高いところや狭いところを掃除出来るノズル、ソファーやカーテン、おまけにふとんまで掃除出来る別ヘッドが付属しており、使い勝手も悪くはなさそうです。運転音を49dBにまで抑えてくれる「ナイトモード」もあったりします。
一時よりかなり控えめな扱いですが、お家芸の「プラズマクラスター」ももちろん搭載されていて、ゴミが静電気でダストカップに付着してしまうのを抑えてくれるようです。
本体サイズ、消費電力、運転音なども、どれも最高とは言えないものの、そこそこと言えるレベルにはありそうです。チリ落とし頼みから転換した初のサイクロン掃除機と考えると、なかなか手堅いところまでまとめて来た製品なのかもしれません。
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