本体から吸引部分を取り外してハンディ掃除機として使うことの出来る「2 in 1」構造のコードレス掃除機です。
日立 掃除機 コードレス スティッククリーナー シャンパンゴールド PV-B200G N
日立のコードレス掃除機では「PV-BH900G」に代表される、持ち手側にダストボックスを備えた、いわゆるダイソン型のスティックタイプ掃除機が現行ラインアップの主流となっていて、全6製品中の4製品がそのタイプとなっています。
残りの2つの製品のうちの1つは「2 in 1」構造となっているこの「PV-B200G」なわけですが、もう1つの製品(PV-BJ700G)は、持ち手となるスティック部分を伸縮することでスティックタイプとハンディタイプの入れ替えを行うという、これまた違う仕組みのコードレス掃除機となっています。
ダイソン型を主流としつつ、別のタイプもカバーしておくというのは、自社として最適なコードレス掃除機を技術的に追求するというより、幅広い顧客のニーズになるべく合わせていこうという、メーカーの姿勢の表れなのでしょう。その戦略が良いか悪いかは別として、さすがは巨大企業、日立の余裕ということなのかもしれません。
「2 in 1」構造をした掃除機のメリットは、ハンディタイプ部分を使った掃除が手軽に出来る、ということにあるでしょう。
一般的なスティック型掃除機は、基本的に本体はそのままで、パイプを外し、ノズルを付け替えることでハンディ型の掃除機へと変わりますが、「2 in 1」構造の掃除機は、本体から吸引機構部分を取り外してしまうので、全く別の形状をした掃除機となります。ハンディ部分を使って掃除をする際の身軽さは、一般的なスティック型掃除機よりも優れていると言えるでしょう。
その代わり高い所を掃除する際には、床用ブラシを上に持ち上げるには本体が重たく、ハンディタイプではその場所に届かなかったりするという弱点が露呈します。また、吸引機構がコンパクト=吸引力が物足りない、ということにもつながっていると言えるでしょう。ハンディ部分に床用ノズルを装着しているような構造上、ハンディタイプの掃除機と似たような長所と短所を備えているということになります。
この「PV-B200G」の床用ノズルは、自走式となっていてラクに床の掃除が出来る上に、ゴミが見やすくなるLEDも搭載しています。ハンディ部分に取り立てて特徴はありませんが、付属ノズルとして、よくある「すき間用吸口」の他に、ブラシの取り外しも可能な「ブラシ吸口」も付いて来るので、汚れの種類が異なる場所で使い分けが出来るようになっています。
吸引力もサイクロン構造も特別優れているわけではありませんが、床用ノズルの回転ブラシや、ダストケースはフィルターも含めて水洗いが可能となっていて、清潔な状態にしておくことが出来るようになっています。本体はスティック状態で自立する上に、本体の持ち手部分を折りたたむことが出来るようになっているので、スペースに合わせて収納しておきやすいという特徴もあります。
何か特別な期待をすることは難しくても、普通に使う分には十分な仕様という気はしますが、「2 in 1」構造をしたコードレス掃除機は、この「PV-B200G」だけではありません。
製品 | 本体重量 | ハンディ部重量 | 集塵容積 | 使用時間 | 充電時間 | 価格目安 |
---|---|---|---|---|---|---|
日立「PV-B200G」 | 2.8kg | 1.4kg | 0.25L | 強13分・標準40分 | 4時間 | 16,000円くらい |
エレクトロラックス 「エルゴラピード リチウムベーシック」 | 2.4kg | 1.0kg | 0.5L | 強14分・標準35分 | 4時間 | 22,000円くらい |
パナソニック「MC-BU110J」 | 2.7kg | 1.4kg | 0.6L | 強15分・標準30分 | 5.5時間 | 14,000円くらい |
東芝「VC-WL100」 | 2.7kg | 1.4kg | 0.2L | 強15分・標準32分 | 5.5時間 | 13,000円くらい |
最も有名な「2 in 1」構造のコードレス掃除機といえば、エレクトロラックスの「エルゴラピード」でしょう。舶来品ということもあり、「2 in 1」掃除機の代名詞とも言えるかもしれません。「エルゴラピード リチウムベーシック(ZB3301)」は、「エルゴラピード」シリーズの中でも安価なモデルとなりますが、スペック状でこの「PV-B200G」に大きく見劣りするところはありません。集塵容量が多い部分は有利とも言えるでしょう。ただ、基本的に価格がこの「PV-B200G」よりも高いので、ブランドにこだわる人でなければ、このモデルが特別魅力的ということもなさそうです。
逆に、パナソニックの「MC-BU110J」は、この 「PV-B200G」よりも少しスペック的に劣るモデルかもしれません。床用ヘッドは自走式ですが、LEDライトはありません。バッテリーもこの 「PV-B200G」のような「リチウムイオン」ではなく、「ニッケル水素」となっています。 このあたりは少し安価な本体価格にも反映されているところかもしれません。 といっても、この「PV-B200G」と比べて、すごく大きな価格差があるわけではありませんが、機能的にも大きな差があるわけでもないので、価格をより重視する場合は、この 「PV-B200G」よりも有利となることがあるかもしれません。
東芝の「VC-WL100」も、パナソニック「MC-BU110J」と同じような立ち位置となるモデルと言えそうです。LEDライトは無く、バッテリーは「ニッケル水素」となっています。集塵容積がこの中で最も少ないところは弱点かもしれませんが、市場価格も最も安いので、一風変わったハンディ部分のデザインが気に入れば、候補となる可能性はありそうです。
結局のところ、同じような価格帯の他のメーカーの「2 in 1」構造の掃除機と比べて、この「PV-B200G」が大きく劣るということは無さそうです。 集塵容量がちょっと少なめではありますが、スティック部分が折りたためるようになっているところなど、他のメーカーの製品よりも工夫されている感じもあります。ただ「エルゴラピード」以外のモデルと同様に、あくまでメーカーにとって品揃えの「幅」となっている製品なので、大き過ぎる期待は持たないくらいが良いかもしれません。十分な予算がある場合は、さらに高性能な製品もある「エルゴラピード」が候補となってしまう可能性も低くはないでしょう。
また「2 in 1」構造のコードレス掃除機は、バッテリーの交換を行う際に、ハンディ部分を丸ごと交換するということになる場合が多いことは注意が必要かもしれません。もちろん有償となります。この「PV-B200G」の場合、ハンディ部分の金額は6,600円+税となっており、500回の充放電が交換時期の目安となっています。
■PV-B200Gのスペック
発売 | 2019年5月 |
集じん容量 | 0.25リットル |
吸込み仕事率 | - |
運転時間 | 強13分・標準40分 |
充電時間 | 4時間 |
運転音 | - |
サイズ | 奥行170×幅270×高さ1100mm |
重さ | 2.8kg(ハンディ部 1.4kg) |
バッテリー寿命 | 充放電500回 |
バッテリー価格(ハンディ部分) | 6,600円+税 |
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