パナソニック MC-SR530G
Panasonic サイクロン式掃除機 MC-SR530G-P
「フィルターレスでお手入れラクラク、持って軽々。 “ダブルメタル”プチサイクロン誕生」!
だそうです。
ちょっと怪しげなダブルメタル
普通は「ダブル」と言えば、同じようなものが2つあったり、2倍であったりすることを指します。
なので、当然「ダブルメタル」と聞けばメタル的な何かが2重になっていたり、2倍あることを想像してしまったりするのですが、この「MC-SR530G」の「ダブルメタル」とはそのような意味ではありません。
何と、この「MC-SR530G」の「ダブルメタル」とは、1段目のサイクロン部の中でゴミを分離する役割を担うメッシュ状の部品「ステンレスガード」と、2段目のサイクロン部の内部が静電気によるゴミの付着を防ぐために「メタルコーティング」されているということで「ダブルメタル」と称しているのです。
メーカーによる説明では、「メタル部品1→ステンレスガード」、「メタル部品2→メタルコーティング」となっていて、「2つのメタル部品を採用」=「ダブルメタル」とされています。
なるほど、確かにステンレス=メタルです。
しかし、果たしてメタルコーティング=メタルなのでしょうか?
これは金メッキが金ではないというのよりは少しはマシかもしれませんが、メタル度は相当低いと言わざるを得ません。
そもそも「ダブル」という言葉で、メッシュ状のフィルター的な部品と、それとは異なる部品へのコーティングをつなげてしまうところからして無理がありはしないでしょうか?
怪しげな「ダブルメタル」があなどれない
色々と怪しげな「ダブルメタル」ではありますが、その効果は侮れません。
「第1のメタル」の「ステンレスガード」は面に対して斜めに穴を開けるという特殊な加工が施されており、この「ステンレスガード」の外と内では回転する気流の向きが異なるというなかなかのクセモノです。
これにより、ゴミや髪の毛などが通過しにくい構造となっており、なんとこの「ステンレスガード」だけでゴミの約99%をキャッチしてしまうというのです!
なんだ、じゃあこの「ステンレスガード」だけで良いんじゃない?
と、そんな邪念がゆらゆらと立ち上って来そうなものですが、そこはさすが国内最強を誇る家電メーカー、パナソニックです。
99%なんかじゃ満足しない!のです(たぶん)。
そこで、第2の刺客、じゃなくて「メタル」、「メタルコーティング」の出番です。
「ステンレスガード」をもってしても分離できなかった細かいゴミを8気筒の遠心分離ユニットでさらにふるいにかけます。これで、99%だったゴミの分離率が99.9%へと上昇します。
99→99.9!
わずか、コンマ9%です。
第1の「ステンレスガード」と第2の8気筒部分は、パッと見、同じくらいのサイズの部品に見えますが、実は「ステンレスガード」が99の仕事をしているのに対し、8気筒は0.9しか仕事をしていないのです。
これはちょっと効率的にいかがなのでしょう?という感じがしなくもありませんが、巨大メーカーが完璧を期すとはこういうことなのでしょう(たぶん)。
そして、驚くべきは「第2のメタル」、「メタルコーティング」は実際のところ、ゴミの分離には全く役に立っていないという事実です。
「メタルコーティング」は静電気を防止することで、8気筒部分で分離された細かなゴミをスムーズにダストボックスに落とすという役割しか果たさない、ものすごく受け身な印象しかないのです。
、、、。
これで「ダブルメタル」と言われてしまっては、第1のメタルである「ステンレスガード」は納得しないのではないでしょうか?
ゴミの分離の99%という大役を担う「ステンレスガード」からすれば、作業の仕上げに近い残りの0.1%の仕事をしている「8気筒部分」はまだ何とか「同僚」という感じがあるかもしれませんが、「メタルコーティング」など、ほとんどオマケにしか見えないに違いありません。
メーカーが「ダブルメタル!」と連呼するたびに、「ステンレスガード」、そして、もしかすると「8気筒」君までも、フツフツとやり場のない怒りを溜め込んでいるという可能性も無きにしも非ずですが、ともかくトータルで考えれば、99.9%のゴミが分離出来ますよ!というわけです。
驚きの軽さ、本体2.6kg!
この「MC-SR530G」のもう1つの特徴が単純に「軽い」ということです。
本体の重さは約2.6kg。
ノズルや、ホースなども軽量化が図られており、本体に加え、ホースやヘッドなどを含んだ重さでも約4.2kgしかありません。
ダイソン「Fluffy」→5.19kg
東芝「トルネオV VC-MG900」→4.6kg(本体3.2kg)
シャープ「EC-VX700」→4.7kg(本体3.1kg)
三菱電機「風神 TC-ZXE30P」→4.5kg(本体2.9kg)
各メーカーのサイクロン掃除機とのトップモデルと比べてみても、海外生まれのMr.ダイソン氏は論外にしても、国内の競合モデルにも全くヒケはとりません、というか現時点では勝っているのです。
まとめ
この「MC-SR530G」は、「ダブルメタル」は怪しいものの、名より実を取るアプローチにより、それなりの性能をもつサイクロン機構と、文句のない軽量性により、なかなか魅力的な製品となっています。
そして、もともとパナソニックはオマケの小ワザも苦手ではありません。
当然のことながら、この「MC-SR530G」にもヘッドにLEDライトが組み込まれていたり、センサーでゴミの有無を教えてくれたりして、ハイテク感も備えています。
他のトップモデルと比べると、実際に掃除をする肝心なヘッドにそれほど力が注がれてなさそうな印象はありますが、それはまあそこそこは期待できると前向きに考えると、大きな欠点はなさそうな製品と言えそうです。