実は静かにもなっているパナソニックの世界最軽量掃除機「MC-JP510G」

パナソニック「MC-JP510G」

パナソニックの「大人」=「シニア」向け製品シリーズ「Jコンセプト」の掃除機です。

ホワイトゴールド↓


Jコンセプト MC-JP510GS-W ホワイトゴールド

ピンクゴールド↓


Jコンセプト MC-JP510GS-P ピンクゴールド

軽さで勝負!

本体の重量はわずかに2kg、ホースやノズルを付けた標準重量でも3.6kgという超軽量タイプの紙パック式掃除機です。何しろこの「MC-JP510G」は「世界最軽量」を名乗っています。なので軽いのは、まあ当然といえば当然なのかもしれません。

しかし、この本体2kg、付属品込みで3.6kgという数字は、いったいどれくらい軽いのでしょうか?

主なメーカーの最軽量モデルを本体の重さ順に並べてみます。

ダイソン「DC-48」(サイクロン式)→本体重量2.7kg、標準重量4.75kg
シャープ「EC-QX310」(サイクロン式)→本体重量2.4kg、標準重量3.8kg
三菱電機「TC-EXF7J」(サイクロン式)→本体重量2.4kg、標準重量3.6kg
三菱電機「TC-FXF5J」(紙パック式)→本体重量2.4kg、標準重量3.6kg
日立「CV-PC500」(紙パック式)→本体重量2.3kg、標準重量3.9kg
東芝「VC-C4A」(サイクロン式)→本体重量2.2kg、標準3.5kg

さすが世界最軽量!

この「MC-JP510G」の2kgという本体重量はライバルメーカーの軽量モデルを並べてみても、確かに軽いです!

しかし。

ダイソンを除くと、その差は200gから400gにおさまっています。軽いには軽いですが、キャニスタータイプの掃除機は基本的に持ち歩いたりするものではないので、その差をどこまで実感できるかは、本体の動かしやすさなど、その他の要素にも影響されそうです。

さらにヘッドやホース部分を装着した標準重量でみると、その差はダイソンを除いて最大でも300gしか差がなく、サイクロンでも紙パックでも同じ重さという不思議な三菱電機の軽量掃除機「Be-K」シリーズの2モデルには並ばれ、なんと東芝「VC-C4A」に至っては、軽さで逆に100g上回られてしまっています。

、、、。

これは「世界最軽量」モデルとしては、ちょっとイタい感じです。

軽さ以外でも勝負!

幸いなことに、この「MC-JP510G」は「世界最軽量(本体)」ということだけがウリなのではありません。

目では確認出来ない約20μmのゴミを感知することの出来るセンサーを搭載し、床用ヘッドを外したところに「子ノズル」を備え、さらに手元用にもブラシを装着しています。床用ヘッドと「子ノズル」の先端にはLEDライトまで備えています。拭き掃除効果のあるヘッドを装着していて、パナソニックおなじみのエコナビも搭載されています。

これらの機能はパナソニック製掃除機のメインストリームであるサイクロン式の上位モデルと比べても、大きく見劣りするものではありません。

要するに、ともすれば単に簡易なだけのモデルとなっている軽量モデルも多い中で、この「MC-JP510G」は軽さだけでなく、機能的にもしっかりしている製品ということなのです。

実は前年モデルと大差ない、、、しかし!

「世界最軽量」で機能もそれなりに充実しているとなると、これはなかなか有望な製品だ!という可能性が出てくる訳ですが、気になるところがない訳でもありません。

それは、この「MC-JP510G」は、前年モデルとなる「MC-JP500G」とそれほど変わらない製品だということです。

最大の特徴である軽さはもちろんのこと、本体サイズ、消費電力、吸込仕事率、主だった機能まで軒並み同じ仕様なのです。本体のカラーは微妙に違いますが、当然外観だってそっくりです。

軽さが同じで機能も同じとなると、別に前のモデルで良いよ、、、という雰囲気になってしまうのは否めません。

だって、その方が安いだろうし、、、。

ところが。

現時点で、この新型「MC-JP510G」と旧型「MC-JP500G」の価格は42,000円前後を中心にして数百円しか違わなかったりします。

、、、。

さすが、市場経済。同じような製品は、同じような価格になっています。神の見えざる手が働きまくりです。

しかし!

実は、この新型「MC-JP510G」は旧型「MC-JP500G」と比べて、ホースの内径がわずかに(2mm)細くなっています。

これにより、ホースの柔軟性がアップして、手の中で「ホースが暴れにくい」ことで手元での左右動作がラクラクになったのだそうです!

「暴れる」ホース。うーん、怖いです。まあ、実際は大して暴れないのでしょうが、少しでも「暴れない」方がベターなのは確かです。

そして!

「暴れない」ホースだけでなく、新型「MC-JP510G」では、旧型「MC-JP500G」と比べて、運転音の最大値が63dB→59dBへと減少しています。

、、、。

同じような本体をしていて、同じような機能なのに、騒音は減少。

これって結構スゴいことなのではないでしょうか?

しかし、メーカーはこの運転音の減少について、あまり触れていません。

なぜ、この改良点のことをもっと強調しないのでしょうか?

ここで、また他のメーカーの軽量モデルの運転音を確認してみます。

ダイソン「DC-48」→運転音:ヒミツ
シャープ「EC-QX310」→運転音:57〜64dB
三菱電機「TC-EXF7J」→運転音:59〜64dB
三菱電機「TC-EXF5J」→運転音:58〜65dB
日立「CV-PC500」→運転音:51〜57dB
東芝「VC-C4A」→運転音:58〜63dB

パナソニックの「MC-JP510G」は57〜59dBなので、まあ健闘していると言えそうです。

しかし。

日立「CV-PC500」の運転音:51〜57dBという数字が突出しています。

しかも、よりによって日立「CV-PC500」は、このパナソニック「MC-JP510G」と同じ紙パック式です。さらに日立「CV-PC500」も、この「MC-JP510G」と同じく安価モデルではない紙パック式掃除機で、スペック的にも侮れない製品だったりするから厄介です。

この「MC-JP510G」について「静かになりました!」と大々的にアピールしてしまうと、もっと静かな製品である、日立「CV-PC500」にもスポットライトが当たってしまう可能性がありそうです。

製品発表前のさる重要会議において、

コホン、、、運転音には触れないでおこう。、、、分かるね。

みたいなオトナな判断がなされた、ということなのではないでしょうか!(憶測)

まあ、しかし、新型「MC-JP510G」と旧型「MC-JP500G」とを性能で比べた場合は、新型「MC-JP510G」の方がベターだということは言えるのではないでしょうか。市場経済の力も盲信は禁物ということなのでしょう。

まとめ

この「MC-JP510G」は、本体については「世界最軽量」で、機能が充実しているという分かりやすい性格をしており、掃除機に軽さを求める場合、有力候補として上がってくる可能性は十分にありそうです。

ただ、紙パック式にもかかわらず、最大300Wと吸込み仕事率が低めとなっており、パワー的には少し物足りない感じもします。本体の外観は上品な織り目模様となっており、ガツガツとパワフルに掃除をすることはイメージ的にも合わないということなのかもしれません。

旧モデル(MC-JP500G)より運転音が抑えられているなど、性能的には向上していますが、装着する紙パックは最高品の「AMC-HC12(3枚入)」で200円値上がっており、1ヶ月に1枚紙パックを使用したとすると、単純計算で紙パックコストが4,000円→4,800円へと1年で800円増えることになります。

決して悪い製品ではないと思われますが、同じようなコンセプトの製品だと思われる日立「CV-PC500」と、じっくり見比べられてしまうと、重さ以外の細かな性能と付属品の点で少し分が悪い感じがしないでもありません。

コメント

  1. うさこ より:

    500と510の違い、とてもわかりやすく参考になります。
    ホースが少し違うということは、直販店などGSタイプにオマケについてくる
    曲がるスキマノズルの型番や内経も異なって共用品(同じノズル)でないのでしょうか?

    510と520の違いについては如何でしょう?
    色々ネット上でさがしても違いが、どうしてもわからず、こちらにたどり着きました。

    • yoimono より:

      コメントありがとうございます。

      パナソニックの 「MC-JP510G」 は、前作の「MC-JP500GS」よりもホースの内径は細くなっていますが、すき間用ノズル(AMC60R-MV0P)は前作と同じ型番となっているので、接続部は同じ構造となっていて、おそらくノズルは共用できるのだと思います。「GSタイプ」についても同様だと思います。

      すき間用ノズルの共用についてはパナソニックのこちらのページで確認できると思います(「対応する本体商品」の一覧にモデル名の記載があります)。

      https://ec-club.panasonic.jp/ITEM/AMC60R-MV0P_1__

      「MC-JP510G」と後継の「MC-JP520G」については、はっきりと違うのは付属品だと思います。

      「MC-JP520G」には「すき間用ノズル」、「MC-JP520G」には「3段伸縮ロングすき間ノズル」が付属します。

      その他の仕様については、新しい「MC-JP520G」の方が持ち手のハンドルが改良されているようですが、入手できる画像などでは判別できませんでした。実機をよく見て比べないと分からないレベルの違いなのかもしれません。

      個人的には「MC-JP510G」と「MC-JP520G」は付属品を除けば、ほぼ同じと判断してしまいますが、正確を期す場合はメーカーさんに問い合わせてみた方が良いと思います。「MC-JP510G」に「GSタイプ」のノズルが装着できるかどうかについても、実機で確認したわけではないので、万全を期す場合はメーカーさんに問い合わせて頂いた方が良いと思います。