Panasonic デシカント方式除湿乾燥機 F-YZKX80-W
デシカント式の除湿乾燥機です。
「梅雨、冬もしっかり除湿」となっています。
コンプレッサー式は除湿能力が周囲の気温(湿度)に大きく影響されるため、気温の下がる冬期の除湿乾燥は苦手としています。
しかし、デシカント式はヒーターを使用するので、比較的安定した除湿能力が期待出来るのです。
年間を通して除湿乾燥機能を利用したいという人の場合は、このデシカント式が有力な候補となるかもしれません。
ただ。
パナソニックの場合、デシカント式のこの「F-YZKX80」の上位に「F-YHKX120」というハイブリッド式の除湿乾燥機が君臨しています。
パナソニックのハイブリッド式の場合、通常は効率の良いコンプレッサー式で除湿し、気温が低い場合はデシカント式に切り替えるという文字通り「いいとこ取り」の機能を搭載しています。
除湿能力もハイブリッド式「F-YHKX120」が9/10リットル(1日、50/60Hz)なのに対し、この「F-YZKX80」は7.4/7.5リットルと少しパワーダウンします。
まあ、ハイブリッド式「F-YHKX120」は上位機なので、それと比べて能力が劣ってしまうのは致し方ないところではあります。
実際、本体価格を比べると上位の「F-YHKX120」の方が「F-YZKX80」より2万円弱ほど高額となっているようです。
とすると、除湿乾燥機は年間を通して使いたいのだけど、あまりお金は掛けたく無いという場合に、「F-YZKX80」が候補に上がるということになります。
しかし、デシカント式はヒーターを使用するので電気代が掛かります。
上位機「F-YHKX120」と比較すると、どれくらい違うのでしょうか?
最大パワーで衣類乾燥を行った場合、この「F-YZKX80」は2kg相当の衣類を約62分で乾燥します。そしてその際の電気代の目安は14円くらいです。
対する上位機「F-YHKX120」は最大パワーだと同じ2kg相当の衣類を約43分で乾燥します。
そしてその際の電気代の目安は11円くらいです。
「F-YZKX80」は乾燥時間が19分長く、電気代が3円多く掛かります。
これなら問題なさそうです。
別に除湿乾燥機の乾燥に立ち会っている必要はありませんし、3円の電気代が本体価格の差(2万円)に到達するには、6,667回かかります。毎日乾燥機能を使用したとしても、18年以上かかる計算となります。
やはり、コストを抑える場合はこの「F-YZKX80」が有力となりそうです。
コストを重視する場合、何も電気代が多くかかる最大パワーで運転する必要はありません。念のため、最大パワーで運転しない場合も確認しておきます。
この「F-YZKX80」の通常モードは2kg相当の衣類を約85分で乾燥します。最大パワーよりさらに23分増えるわけです。そしてその際の電気代の目安は10円くらいです。電気代はグッと下がりました。
対する上位機「F-YHKX120」の通常モードは2kg相当の衣類を約65分で乾燥します。通常モードで「F-YZKX80」の最大パワーと同じ時間とは、さすがに業界最速を誇るだけのことはあります。
そしてその際の電気代の目安は6円くらいとなっています。
あれ。
電気代の差はさらに大きくなりました。
この辺がコンプレッサー式を併用するハイブリッド式の優位なところなのでしょう。
ただ、この金額差(4円)で本体価格差を埋めようとすると、5,000回分、毎日乾燥したとしても13年以上掛かるので、やはりコストを重視する場合は「F-YZKX80」の方がベターとなりそうです。
ただ。
この乾燥時間の目安はあくまで2kg相当の衣類の場合です。
一般の家庭であれば、実際の洗濯物はもっと多いと思われるので、乾燥時間はずっと長くなります。
「時は金なり」という信条の人の場合は、イライラとさせられることになるかもしれません。
また、コスト重視の場合、この「F-YZKX80」の運転モード「音ひかえめ」には注意が必要です。
音を小さくというと、控え目な運転となって消費電力も減りそうな感じがしますが、この「F-YZKX80」の「音ひかえめ」はヒーターを多用することで音を抑えるらしく、乾燥時間も長くなる(2kgを88分)ため、消費電力量は最大パワーの時と同じくらい掛かるのです。もちろん、運転音はちゃんと小さくなります。
上位機に搭載されている1kgの少量まで自動で見分けるという「エコナビ」や、衣類乾燥した後の湿度を保って衣類へ湿気が戻るのを防ぐ「カラッとキープ」機能や、多彩な送風モード、必殺イオン兵器「ナノイー」など、機能面では上位機「F-YHKX120」に大きく遅れを取っているわけではありません。
まあ、最上位のハイブリッド式「F-YHKX120」の能力を意識しないようにすれば、自然と候補に上がって来る製品かもしれません。
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