パナソニック「F-S1XJ」

斬新な形状をしたパナソニックの扇風機です。


スリムファン F-S1XJ-S

見ての通り、ポール型をしています。
シャープの「スリムイオンファン」をさらに一回りスリムにしたような感じです。

いよいよパナソニックもダイソンが切り開いた羽根の無い扇風機市場に参戦するということのようです。ダイソンよりシンプルでお上品な印象がするのは、高級扇風機としてはなかなか良いのではないでしょうか。

「あなただけに届ける やさしく揺らぐ風」

キャッチコピーもお上品な感じです。

しかし、「あなただけ」とはちょっと気になります。
そしてよく見ると「リビング扇とは一線を画した、パーソナルユースファン」という文言もあります。

、、、。

どうやら驚いたことに、この「F-S1XJ」は、ファミリーではなく、自分専用の扇風機のようなのです。

ちなみに、この「F-S1XJ」の本体価格は約2万円前後となっています。
自分の気に入ったものへの投資は惜しまない。完全にそんなお一人様向けの製品ということのようです。

お一人様のこだわりを満足させる要素として、継ぎ目の無い押出し加工によるアルミ素材を主要部に使用したりしているようです。「本物の素材だけが持つ質感」にこだわっているのだそうです。素材に本物も偽物も無さそうなものですが、きっとここは譲れないところなのでしょう。

さらに風を生み出す仕組みにも強烈なこだわりを持っています。
「ポール内部のループ内の圧力変動を利用して気流の吹き出し方向を変化させる流体素子技術を、扇風機に採用」しているというのです。

、、、えーと。良く分からないや。
なんて言う人はまだまだこだわりが足りないということになるに違いありません。
ともかく、この流体何とかにより、左右に広がる心地よいやさしい風が吹き出してくるようです。

わずか180mm四方のスペースに設置出来るという形状と相まり、せっかくのスタイリッシュな空間にヤボったい「扇風機」など置きたくない!というこだわりを持っている人にとっては、確かに魅力的と言えるのかもしれません。

ソファーでワインを飲んでいると、そっと脇に佇んでいる「F-S1XJ」から、さりげない風が流れるように吹いて来る。

といった感じでしょうか。

ただ、万が一あなたが「こだわりの強いお一人様」ではなく、たまにはそんな気分もあるかもなという程度の「普通のお一人様」の場合、とびきりの注意が必要な点があります。

メーカーが「パーソナルユース」とわざわざ記載しているのには明確な理由があるのです。

この「F-S1XJ」の風量は720㎥/毎時となっています。

毎時です。

他のメーカーの扇風機では、風量は毎分で記載されていることが多いです。

720㎥/毎時 → 12㎥/毎分 となります。

これは、、、少ない!

別に扇風機の風量に基準はある訳ではありませんが、他社のメイン扇風機の多くは、風量で40〜50㎥/毎分を主戦場としています。

そしてもう1つ。

この「F-S1XJ」の最大風速は2.0m/秒となっています。

これも他のメーカーの扇風機では、「分」で記載されていることが多いです。

2.0m/秒 → 120m/分 となります。

これは、、、遅い!

風速にも基準がある訳ではありませんが、他社のメイン扇風機の多くは100後半〜200m台/分の風速を主戦場としています。

風量は少なく、風速も弱い。

これが「パーソナルユース」となっている理由なのです。

「一般の扇風機のようなお部屋全体へ送風する風量はありません」

なにしろ、メーカー自身がこう断言しているのです。
これは、かなり本気で風量が弱いと考えておいた方が良いでしょう。

この「F-S1XJ」は、あくまでスタイリッシュな空間にスタイリッシュな扇風機を置いてスタイリッシュに生活している人のためだけの扇風機ということを肝に銘じておく必要があるということです。

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