衣類の乾き残りを光で示してくれる三菱電機の衣類除湿乾燥機「MJ-120MX」

赤外線を利用したセンサー「部屋干し3Dムーブアイ」を搭載した三菱電機の衣類除湿乾燥機です。





「部屋干し3Dムーブアイ」は、温度センサー、湿度センサー、そして赤外線センサーを用いて衣類の乾き具合を検知し、送風する仕組みです。

この「MJ-120MX」は「部屋干し3Dムーブアイ」がどこを乾き残りと感知しているかを光ガイドで照らすことで分かりやすく示してくれるようになっています。もしも光ガイドが的外れなところを照らしてしまうようなことがあると、「部屋干し3Dムーブアイ」という仕組みそのものへの信頼感が揺らいでしまうことになりかねませんが、まあそれだけ自信があるということなのでしょう。

そして、通常はセンサーにより自動で動くこの光ガイドをマニュアルで動かし、送風の狙いを定めることも可能です。これにより、どうしてもすぐに乾かしたい少量の衣類があるときに、ピンポイントで乾燥させることも出来るというわけです。

温度を感知するために赤外線を利用する三菱電機の「ムーブアイ」機能は、エアコンなどにも搭載されていて既に一定の評価を得ている仕組みです。

洗濯物の濡れている部分を探して、そこを狙って送風してくれるなんて、もうこれ以上ない効率の良さのような気がするわけですが、この「MJ-120MX」の2kg相当衣類の乾燥目安時間は約64分となっています。これに対し、スピーディーな衣類乾燥を特徴とするパナソニックの衣類除湿乾燥機を見ると、最速モデル「F-YHPX200」は同じ2kg相当の衣類を約40分で乾燥させます。「F-YHPX200」は1日の除湿量が最大20リットルという、かなりのハイパワーモデルなので、1日の除湿量が12リットルであるこの「MJ-120MX」と比べるのは若干無理があるかもしれません。

しかし、同じパナソニックの除湿乾燥機でこの「MJ-120MX」とほぼ同クラスと思われる1日の除湿量が最大12.5リットルである「F-YHPX120」の場合も、2kg相当の衣類を最速約43分と、この「MJ-120MX」と比べてかなりの早さで衣類乾燥をしてくれるのです。

、、、。

「部屋干し3Dムーブアイ」って、大したことないんじゃないの?

という疑問がムクムクと膨らんできてもおかしくはないでしょう。

ただ。

パナソニックの高速系衣類乾燥除湿器は、コンプレッサー式にヒーターを組み合わせたハイブリッドタイプの除湿乾燥機です。高速乾燥をするためにはヒーターを使う必要があり、その際の商品電力は最大で715W(F-YHPX120)にも達します。この「MJ-120MX」はヒーターを搭載しておらず、消費電力は最大でも385Wにしかなりません。

なるほど!消費電力がそんなに違うなら、乾燥時間に差があっても仕方ないよね!

と思いたいところですが、パナソニックのハイブリッド除湿乾燥機には、ヒーターを使わず消費電力を重視した運転モードもあり、消費電力が225W/245W(50Hz/60Hz)と、この「MJ-120MX」よりも低くなります。そして、その場合でも2kg相当衣類の乾燥時間は約65分となっていて、この「MJ-120MX」よりたった1分余計に時間が掛かるだけなのです。

、、、。

恐るべし、パナソニック製ハイブリッド衣類乾燥除湿器の乾燥スピード、というわけです。

乾燥スピードでも、消費電力でも敵わないということになると、この「MJ-120MX」はだいぶ不利な立場に立たされるわけですが、そこで存在感を発揮するのは、やはり「部屋干し3Dムーブアイ」です。

「部屋干し3Dムーブアイ」は衣類の乾いていない箇所に集中的に送風を行います。パナソニックのハイブリッド除湿乾燥機も衣類の量を見分けて送風を変化させる「エコナビ」を搭載していますが、個々の衣類の乾き具合を検知しているわけではありません。厚手の衣類の襟や脇部分など乾きにくい部分の乾き具合を比べてみれば、この「MJ-120MX」の方がベターという可能性はありそうです。乾燥のスピードよりも乾きの質で勝負というわけです。

まあ、結局のところ衣類除湿乾燥機の運転が終わったときに、ちゃんと乾いているのであれば、どのように乾かそうと構わないという場合が多そうですが、この「MJ-120MX」の「部屋干し3Dムーブアイ」は衣類乾燥時だけでなく、除湿運転のときも湿気の溜まりやすい箇所を感知して送風方向をコントロールしてくれるようなので、特に湿気が溜まりやすい箇所が部屋にあるという場合は、この「MJ-120MX」がの方が有力候補に浮上してくることもありそうです。

逆に、衣類除湿乾燥機を選ぶときに「部屋干し3Dムーブアイ」の機能にちっとも魅力を感じないということになると、この「MJ-120MX」が候補となる可能性は、ほとんど無くなってしまうということも言えるでしょう。

■MJ-120MXのスペック

タイプコンプレッサー式
除湿能力(1日)11/12L(50/60Hz)
衣類乾燥時間64分(2kg相当衣類)
消費電力325/385W(50/60Hz)
除湿面積(木造)14畳/15畳(50/60Hz)
除湿面積(プレハブ)21畳/23畳(50/60Hz)
排水タンク容量約3.0L
サイズ高さ534×幅360×奥行210mm
重さ13.5kg

コメント