丸みを帯びた外観が特徴的な三菱電機のふとん乾燥機です。
ダークブラウンのカラーと相まって、レトロな雰囲気が漂います。
三菱電機 フトンクリニック ふとん乾燥機 ダークブラウン AD-X80-T
そして、レトロなのは外観だけではありません。
メインの機能であるふとんの乾燥についてもレトロというか、昔ながらのマットを敷いて乾燥する方式が採用されています。最近は本体の先端やホースをふとんの中に差し込むだけの準備が簡単なタイプのふとん乾燥機が主流となりつつある中、三菱電機はマット式にこだわっているのだそうです。
その理由は「マット式なら、おふとんのすみずみまで」熱がいきわたるという、至極当然のものです。
ふとんの中にマットを敷いて温めるのと、ふとんの端から温風を吹き込むのと、どちらがふとんがより温まるのか?
考えるまでもなく、マットタイプの方が強力にふとんを温めることが出来るでしょう。
しかし、マットをふとんの上に拡げてセットするという手間が面倒だったために、準備が簡単なふとん乾燥機が登場し、その存在感を高めて来ているのです。
手間を減らしつつ、ふとん乾燥の効果を高める。ふとん乾燥機として評価されるためには、この要望に取り組む必要があります。そして、この「AD-X80」が出して来た答えは!
なんと!むしろ手間を増やす!
ええー?!
驚きの答えです。
これまでのマットタイプのふとん乾燥機の場合、まず敷ふとんを床に拡げ、その上にふとん乾燥機のマットを拡げ、その上に保温用として掛ふとんを乗せるという方式が一般的でした。
もちろん、この「AD-X80」はそのような使い方も出来ます。しかし、この「AD-X80」の場合、従来のマット式のように敷ふとんと掛ふとんの間にマットを挟む方法は、単にふとんを乾燥させたい場合に使います。
え、それだけでいいんじゃないの?
という気がしてしまいますが、この「AD-X80」は、従来のふとん乾燥からさらにレベルアップした能力を持っているのです。
実はこの「AD-X80」に付属してくるマットは従来のものよりも大型になっています。この「AD-X80」の場合、普通のふとん乾燥ではなくダニ対策をする際には、まず敷ふとんを床に拡げ、その上にダニ対策をしたいふとんを置き、さらにその上に付属マットを拡げます。そしてマットを通常サイズよりも拡げて、拡がった部分をダニ対策をしたいふとんに巻き込むのです。ふとんの頭側と足側はマットの中に差し込めるようになっています。こうして、ダニ対策をしたいふとんをマットでほぼ包み込んでしまうのです。最後にマットの上に掛ふとんを2枚使い、掛ふとんを横にして頭側と脚側にそれぞれ1枚ずつ置くことでマットを完全に見えない状態して完成です。
うん、これはなかなか準備が大変そうです。
そして普通サイズのふとんで約90分温めた後、マットにくるんだダニ対策をしたいふとんを裏返して、もう1回同じようにセットしてまた90分温めてダニ対策が完了となります。
このダニ対策モードはその名も「ダニパンチ」、そして、従来よりも大型のマットは「ヒートパンチマット」と言うのだそうです。ダニは50℃の熱で20〜30分、60℃の熱ならわずかな時間で死滅するのだそうです。この「AD-X80」の「ダニパンチ」モードだと、ふとんの表面を約60℃、中綿も約55℃にすることが出来るそうなので、ダニ対策に高い効果が見込めるというわけです。
手間を減らしつつ、ふとん乾燥の効果を高めることがふとん乾燥機の理想だとして、たとえ手間の部分の得点が低くても、ふとん乾燥の効果の部分で高得点を獲得すれば、確かにトータルでの得点で勝負できる可能性はあります。
徹底したダニ対策。これが三菱電機の出した答えというわけです。
ふとん1枚をダニ対策するのに、どれだけ他のふとんを使うのか、という感じもしますが、アレルギーなどの関係で何よりもダニ対策が重要だというときに簡易的なふとん乾燥機では力不足に感じてしまうということも確かにありそうです。手間を惜しまず、ともかくダニ対策をバッチリしたい!という場合には、実に有力な候補となってくる製品と言えそうです。
■AD-X80のスペック
サイズ | 幅355×奥行161×高さ314mm |
重さ | 3.6kg |
消費電力 | 680W |
乾燥時間(ふとん標準) | 約45分 |
乾燥時間(ダニ対策) | 約180分 |
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