非力でそんなに静かでもないけど、人気ありげな空気清浄機。Levoit「LV-H132」

シンプルな円筒形をしています。
本体上部にはライトが付いていて、その青白い光からはどことなく近未来感も漂って来ます。

ホワイト↓


ブラック↓


この「LV-H132」という製品についてまず気になるのは、性能面よりも「Levoit」という名前にあまり馴染みが無いということでしょう。

「Levoit」というのはブランド名で、企業としては「Etekcity」というらしいのですが、残念ながらどちらにしても日本国内では著名とは言えないでしょう。「Etekcity」はアメリカを拠点に、ヨーロッパ、北アメリカ、アジアで製品を販売しているそうですが、アメリカでの企業の設立は2012年と新しい会社で、海外サイトを見ても企業情報はあまり多くありません。新しい会社なので、これから実績をグイグイと伸ばしてくる可能性もありますが、製品の説明のカタコト感などを見る限り、少なくとも日本で有力なブランドと認知されるには、まだ時間が掛かりそうな雰囲気が濃厚です。

この「LV-H132」という空気清浄機が、アマゾンのランキングで上位に位置していることは事実です。しかし、この「LV-H132」には気になる点がいくつかあります。

この「LV-H132」は高さが32cm、直径が19cmの円筒形をしています。最小クラスの空気清浄機ではありませんが、比較的コンパクトな製品です。特に重さが2.5kgというのは、かなり軽いと言えるでしょう。

製品がコンパクトだということは、使う側にとって、たいていの場合は良いことです。

ただ注意しなければならないのは、この「LV-H132」が風量を明確にしていないということです。

アマゾンの商品説明には「風量CADR:68㎥/h」という記載がありますが、これがそのまま風量だとすると、毎分1.13㎥ということになります。

これは空気清浄機の風量としては、かなり少ない数字となります。

たとえば、シャープの空気清浄機で最も風量の少ない「FU-H30」でも、最大風量は3㎥/分あります。その「FU-H30」の「弱」モードのときの風量が1.0㎥/分なので、1.13㎥/分という風量はそれとあまり変わらないということになります。

そんなに弱い風量で空気清浄機としての役目を果たすことが出来るのか、だいぶ不安になってきますが、もちろん風量なりに狭いスペースで使えば、理論上は全く問題ないはずです。最大風量3㎥/分の「FU-H30」の適用面積が約13畳とされていることを考えると、その1/3となる4畳半くらいのスペースくらいが、この「LV-H132」に合った広さということになるのかもしれません。

もちろん、「風量CADR:68㎥/h」という見慣れない表記の数字がこの「LV-H132」の風量をそのまま示しているわけではないという可能性もあります。

実際、この「LV-H132」の英語版マニュアルでは、適用スペースは約12㎡(約7畳)とされているので、4畳半よりは広いスペースでも使えるのかもしれませんが、使用面積などの条件がはっきりしない以上、基本的にパワーに関してはこの「LV-H132」にあまり大きな期待をしない方が良い感じがします。

また、この「LV-H132」にはホコリやニオイなどを感知するセンサーの類が付いていないので、風量を一度設定したら、変更するか、電源を切るまでその風量で運転を続けます。最大風量もそれほど強くなさそうなので、3段階あるという風量を変更する必要はあまりない感じがしますが、この「LV-H132」は、パワーが小さい割には運転音が大きめということにも注意が必要です。

この「LV-H132」の運転音は最小で25dB、最大で50dBとされています。

最小の運転音はともかく最大の運転音は風量と比べたときにちょっと大きめの運転音です。

さきほどのシャープ「FU-H30」の運転音は最小で23dB、最大でも44dBです。

この「LV-H132」はサイズがコンパクトで軽量な分、騒音を抑える構造にするのが難しかったのかもしれませんが、狭い部屋で使った時に運転音が大きいというのは、長時間使うことが多い空気清浄機の場合、あまり望ましい仕様とは言えないでしょう。

もちろん、この「LV-H132」にも良さそうな点を見つけることはできます。

最大の魅力は、フィルターの交換が簡単ということです。交換の際は、本体の底からフィルターを入れるだけです。好意的に考えれば、フィルターを交換する際に本体をひっくり返す必要があるため、本体が軽いというのは、たとえ騒音を犠牲にしても譲れないポイントだったのかもしれません。また、フィルター交換時期を教えてくれるランプも付いています。

フィルター価格は2,000円くらいなので、特別高価ではありませんが、この「LV-H132」の本体価格を考えたとき、半年のタイミングできっちりフィルターを交換していくと、フィルター価格の累計があっという間に本体価格を上回ることになりそうです。

この「LV-H132」は、不透明かつ、あまり強力では無いと思われる風量、そして、それにもかかわらず大きめの運転音という、空気清浄機としては大きな弱点を抱えていて、何か革新的な機能を持つわけでもありません。

よし、空気清浄機はこの「LV-H132」に決まりだ!

とまで気持ちを駆り立てるのは、なかなか簡単なこととは思えません。

ですが、アマゾンで一定の支持を得ていることを考えると、コンパクトなサイズとデザインに加えて、スペックとは関係の無い、何か謎めいた魅力がこの「LV-H132」にはあるということなのかもしれません。

■LV-H132のスペック

サイズ高さ320×幅190×奥行190mm
重さ2.5kg
適用畳数-
風量-
運転音25〜50dB
消費電力9〜28W
センサー無し
交換品フィルター

■交換部品
交換用フィルター(交換目安:約6ヶ月)

Levoit 空気清浄機 交換用フィルター(LV-H132-RF)

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