安定した人気を誇るアイリスオーヤマのふとんクリーナーの新モデルです。
モデル名の頭に「K」の一文字が付いている「KIC-FAC4」と、付いていない「IC-FAC4」の2つのモデルが存在しますが、わずかな色の違いの他、基本的な仕様はほとんど共通となっています。ただ、「K」の付いている「KIC-FAC4」の方が、ふとんを叩く回数が1分あたり1,000回多く、集塵フィルターも予備のフィルターが1枚付いてきて、排気フィルターも抗菌仕様のものとなっています。もちろん、その分価格も少し高くなっているのですが、フィルターについては後から交換も可能なうえ、たたき回数の差がどれくらい効果の差となって表れるのか、はっきりしないところがあります。そもそも、どうしてこの微妙な差でモデル名を分けなければいけないのかもよく分からないところもあるのですが、旧モデルにあたる「IC-FAC3」にも、たたき回数が少し多い「KIC-FAC3」という兄弟モデルが存在するので、メーカーにとっては何か大切な基準と理由があるのでしょう(たぶん)。
ただき回数が少なくて、最初に付属するフィルターが少ないノーマルモデル「IC-FAC4」↓
アイリスオーヤマ 超吸引 布団クリーナー IC-FAC4
たたき回数が少し多くて、最初に付属するフィルターも多い強化モデル「KIC-FAC4」↓
アイリスオーヤマ 超吸引 布団クリーナー KIC-FAC4
掃除機の床用ヘッドに持ち手が付いたような外観は、旧モデル「IC-FAC3(KIC-FAC3)」から変更はありません。
しかし、この「IC-FAC4(とKIC-FAC4)」は、これまでのモデルより、かなりパワーアップしたモデルとなっています。
まず、パタパタとふとんをたたいてゴミを浮き上がらせるという、たたき回数が、旧モデル(IC-FAC3)では、1分あたり6,500回だったのが、この「IC-FAC4」では、1分あたり14,000回とケタ違いなことになっています。
6,500回→14,000回。
2倍以上の大幅アップです。
しかし、この「IC-FAC4」の説明をよく見ると、14,000回というたたき回数について「たたきパッド6,000回+回転ブラシ8,000回」という記述があります。
え?
旧モデル(IC-FAC3)は、たたきパッドだけで1分あたり6,500回のたたき回数となっていたので、たたきパッドのたたき回数自体は減っているということになります。
そして、新たに登場した「回転ブラシ」とは、まさに通常の掃除機の床ブラシに付いているような形状のブラシです。この「回転ブラシ」は1分間に2,000回転するらしく、このブラシには毛が4列付いているので、2,000回×4列=8,000回のたたき、という計算となるようなのです。
ええ?!
ブラシの回転、しかも回転ブラシの毛の1列がふとんに接触することを「たたき」としてカウントするのは、はたして正しい方法なのでしょうか?
まあ、正しいふとんの「たたき」回数の数え方など存在しないので、ブラシの毛先の接触を「たたき」と言うことを間違いとすることも難しいわけですが、やはり「回転ブラシ」は「回転ブラシ」なわけで、言ったもの勝ちという印象を受けてしまうことは否めません。
そもそも、旧モデル(IC-FAC3)のヘッドには回転ブラシが無く、回転ブラシの無いヘッドの中にサイクロン気流を発生させることで「布団の生地にやさしく吸引」することが出来る「サイクロンストリームヘッド」という特徴ともなっていたはずですが、ふとんへのやさしさよりも、パワーを重視しよう!ということになったようです。
ちなみに強化モデル「KIC-FAC4」の場合、「たたきパッド7,000回+回転ブラシ8,000回」の合計15,000回のたたき回数相当となっています。こちらの場合、旧モデル(IC-FAC3)の強化モデル(KIC-FAC3)のたたき回数も、1分あたり7,000回となっていたので、たたきパッドのたたき回数自体は同じで、回転ブラシのたたき回数分がプラスオンということになります。
この「IC-FAC4(とKIC-FAC4)」と旧モデルとの違いは、ちょっとグレー基準なたたき回数に留まりません。
この「IC-FAC4(とKIC-FAC4)」は、ヘッドの幅が旧モデルよりも左右に5cmワイドになっているのです。旧モデル(IC-FAC3とKIC-FAC3)のヘッドの幅が25cmなのに対し、この「IC-FAC4(とKIC-FAC4)」の幅は30cmとなっています。
ワイドになると何が良いのでしょう?
そうです。幅広く掃除が出来るので、ふとんの上でヘッドを往復させる回数が減るのです。
メーカーによると、旧モデルでは2.5往復必要だったシングルサイズのふとんのお掃除が、この「IC-FAC4(とKIC-FAC4)」であれば、2往復で済むのだそうです。片道1回分の差とはいえ、家族全員分のふとん、そして毎回の掃除ごとの話となると、ずっと積み上げていけば、いつかは月にも到達するほどの差になることは間違いありません。
ただ実際に計算してみると、一般的なシングルサイズの敷ふとんは幅が100cmとされており、幅が25cmの旧モデルを使ったとしても、計算上は2往復で掃除出来てしまうことになります。まあ、ヘッドを動かす位置をピタリとズラさずに掃除をしなければなりませんし、もう少しサイズが大きくなる掛けぶとんのことを考えると、少し余裕をみておいた方が良いよね、というのがメーカーの見解なのでしょう。
そしてさらに、この「IC-FAC4(とKIC-FAC4)」は、旧モデルよりもパワーアップしたモーターが搭載されていて、吸込み仕事率が70W→100Wへと上昇しています。これは文句無しのプラス要素と言えるでしょう。
ただ、ヘッドに回転ブラシを付けて、ヘッドの幅を大きくし、パワーアップしたモーターを搭載した結果、当然ではありますが、本体が重たくなりました。
旧モデル(IC-FAC3とKIC-FAC3)は約1.6kgでしたが、この「IC-FAC4(とKIC-FAC4)」は2.2kgと、実に3割以上の重量アップとなってしまっています。基本的に掃除機の場合、軽さは正義なので、これはちょっと痛いところですが、ライバル製品と比べれば、この重さでもまだ特別重たいわけではないということが、この決断を可能にしたのかもしれません。
吸引機構や本体重量に大幅な変更が加えられたものの、細かな汚れの残り具合を検知する「ダニちりセンサー」や、温風をふとんに吹き付ける機能など、搭載している機能については、ほとんど旧モデルから変更がありません。吸引機構を変更した結果、旧モデルでは約98%以上とされていたハウスダスト除去率も約99%以上へとアップしています。軽さも大事だけど、何といってもパワーでしょ!という、腕に覚えのある人にとっては、選択しやすいかもしれないパワーアップモデルと言えそうです。
■IC-FAC4・KIC-FAC4のスペック
発売 | 2020年5月 |
集じん容量 | 0.2リットル |
吸込仕事率 | 100W |
消費電力 | 600W |
運転音 | - |
サイズ | 幅300×奥行167×高さ420mm |
重さ | 約2.2kg |
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