絶滅危惧種のコードレス掃除機。日立の自立式パワーブーストサイクロン「PV-BE700」

日立のスティッククリーナーの主力モデルには自立するタイプと自立しないタイプがあり、この「PV-BE700」は自立するタイプの上位モデルとなります。

日立 掃除機 スティッククリーナー シャンパンゴールド PV-BE700 N

日立のスティッククリーナーの主力モデルは、自立するタイプも、自立しないタイプも、両方とも名前が「パワーブーストサイクロン」となっています。自立するタイプが、この「PV-BE700」と「PV-BE400」の2モデル。そして自立しないタイプが「PV-BEH900」と下位モデルとなる「PV-BEH800」の2モデルです。

どうして自立するモデルと自立しないシリーズの名前を一緒にしたのか、何か深い意図があるのか、単に他の名前を思いつかなかったのか、真相は不明ですが、正直言って、区別がつきにくくて紛らわしいだけです。

自立するのとしないと、どっちが良いかと聞かれたら、せっかくなら自立してくれる方が良いような気がしますが、実は自立しないモデルの方が上位シリーズ扱いとなっています。

なぜなのでしょう?

実際のところ、自立するタイプであるこの「PV-BE700」の名前が、自立しないタイプと同じ「パワーブーストサイクロン」となっているのは、単に名前だけの話ではありません。

自立するタイプも、自立しないタイプも、新型の「小型ハイパワーファンモーター」を搭載していて、サイクロン機構はほとんど同じです。

さらに、押している時も引いている時も、ゴミを吸い込むというメインの床用ヘッド「パワフルスマートヘッド」も同じです。

そして、3時間半というバッテリーの充電時間も、使用出来る時間が最長で約40分(強モードは約8分)というのも同じです。

要するに掃除機としての仕様は、自立するタイプも、自立しないタイプもとても似ているのです。

では、何が違うのかというと、見た目=使い方です。

自立するタイプであるこの「PV-BE700」は、自立するだけあって、本体そのものがスティック型の構造をしていて、軸がしっかりしています。

その分、本体も少し重たくなっています。

自立しないタイプもスティック型ですが、スティック部分は延長パイプとなっていて、取り外すことが可能な構造となっています。

どちらのタイプが良いのか。

これは難しいところです。世の中にはどちらのタイプもあることを考えても、使う人によって、一長一短があるということなのでしょう。

しかし、同じシリーズで2つのタイプを揃えておく必要は無いのではないでしょうか?

なにしろ、日立のラインアップには、スティック掃除機の下位モデルとして、自立タイプで、なおかつハンディ部分を取り外すことの出来る「2in1」構造をしている「PV-BE200」というモデルもあるのです。

自立タイプを「2in1」タイプに統一すれば、「パワーブーストサイクロン」も1タイプになって、すっきりします。

またもう1点、自立するタイプであるこの「PV-BE700」には不利な点があります。

この「PV-BE700」はバッテリーが内蔵式となっていて、ユーザーが自前で交換することが出来ないのです。

自立しない「パワーブーストサイクロン」の方は、バッテリーがカートリッジ式となっていて、交換が簡単なのはもちろんのこと、予備のバッテリーを用意しておくことも出来ます。

バッテリーの交換目安は充放電1,100回なので、交換する際には本体にも傷みが来ているという可能性も十分にありますが、バッテリー内蔵タイプであるこの「PV-BE700」はバッテリーの価格も不明なら、交換費用も不明となっていて、不親切な感じがしてしまうことは否めません。

2タイプのスティック型「パワーブーストサイクロン」は、発売時期もそれほど離れていないので、よほど売れ行きに差があれば、売れ行きの良い方が生き残るということなのかもしれませんが、メーカーの扱い的には既に自立しないタイプの方が優先されている雰囲気が濃厚です。

この「PV-BE700」も、使えないコードレス掃除機ということは全く無さそうなのですが、その将来性は非常に不透明という感じがしてなりません。

■PV-BE700のスペック

集じん容量0.2L
吸込み仕事率-
運転時間強:約8分、標準:約40分
充電時間約3.5時間
運転音-
サイズ長さ230×幅255×高さ785~1015mm
重さ2.3kg(本体1.8kg)
バッテリー寿命充放電約1,100回
バッテリー価格-

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