コレはちょっと厳しいかも。ハイアールのロボット掃除機

中国の誇る総合家電メーカー、ハイアールのロボット掃除機。
JAPAN QUALITYをうたう「AQUA」ブランドでの登場です。

ハイアール アクア「AQC-RB100C」



AQUA ロボットクリーナー AQC-RB100C(W)

驚いたことに、この「AQC-RB100」の最大の特徴は「お手入れ」が簡単ということのようです。

ゴミ捨てがダストボックスの中身をそのまま捨てるだけでラクだったり、サイドブラシがマグネットで取付けられているので、簡単にはずすことが出来るのだそうです。

、、、。

まあ、お手入れが簡単だということ自体は、別に悪いことではありません。

ただ、残念なことに、ロボット掃除機にとって一番重要なことは、お手入れが簡単ということではないのではないでしょうか?

まずはしっかりと掃除をした上で、お手入れがカンタンということであれば、プラスとなるのは間違いありません。

しかし、この「AQC-RB100」の場合、その肝心の掃除能力がちょっと不安なのです。

不安な掃除能力その1→ロボットの知能が未知数

通常、ロボット掃除機のアピールをする場合、そのロボット掃除機がいかに賢く部屋の掃除をしてくれるのか、という説明がこれでもかと繰り返されます。

何とかナビゲーションシステムやら、何とかセンサーやらを駆使して、そのロボット掃除機が、どれだけ効率良く、またはいかに丁寧に掃除をしてくれるのか、という説明が小難しく、それっぽく語られていることが多いのです。

このロボット掃除機に任せておけば大丈夫。

そんな、雰囲気を醸し出そうとするわけです。

しかし、この「AQC-RB100」にそんな説明は一切ありません。

少なくとも、部屋を細かく区切ってスピード重視で掃除して行くのか、ともかく念入りに掃除をしていくのか、どのようなルートで掃除を行うのかの説明くらいあっても良さそうものですが、大胆に「省略」です。

、、、。

これは驚きです。

ロボット掃除機「AQC-RB100」の知能については秘められているため、とんでもなく高性能という可能性もゼロではありませんが、その逆もあり得ます。

不安な掃除能力その2→知能以外の能力も心もとない

この「AQC-RB100」が不安なのは知能についてだけではありません。

ロボット掃除機としての運動能力も頼りない感じなのです。

他のロボット掃除機と同じく、段差を感知して落下を回避するセンサーがこの「AQC-RB100」にも搭載されているのですが、「約7cm以下の段差の場合、床の色、状態により、段差と認識せずにそのまま進み、落下する場合があります」とあります。

落下する!

それはマズいのではないでしょうか。

しかし、実は他社のロボット掃除機の場合でも、センサーが反応しにくい状態では段差で落下してしまう可能性はゼロではありません。

ただ、この「AQC-RB100」の場合、他社のロボット掃除機にあるような進入禁止エリアを作る装置や器具が見当たらないのです。

こうなると、怪しい段差の近くには障害物を置いたりして物理的にロボット掃除機の進入を防ぐほかありません。

正直言って、これは面倒です。

また、段差を乗り越える能力も、この「AQC-RB100」は約1cmまでとなっており、1.5cm〜2cmくらいが多い他のロボット掃除機と比べると、わずかではありますが確実に見劣りします。

さらにスイッチを入れると最大90分稼働してくれるというのは長くて良いのですが、充電に掛かる時間は6時間となっており、ロボット掃除機の代表選手ルンバの3時間と比べると大きな差をつけられています。

だいたい、この「AQC-RB100」はタイマーで作動させる場合には先に動作時間を設定することとなっていますが、どんな動きをするかも分からないロボット掃除機の掃除時間をどうやって決めろというつもりなのでしょうか?

引っ掛かってしまう段差への対応や、稼働時間など、この「AQC-RB100」をしばらく使ってみないと感じがつかめなさそうな点がいくつもあるということは、ちょっと不安です。

肝心の「お手入れ」もやっぱり不安

そして、ショッキングなことに、この「AQC-RB100」の最大の特徴である(はず)の「お手入れ」についても、気になる点があります。

まず、ゴミ捨てが簡単だということについては、他社の製品と比べてズバ抜けて簡単な仕組みという訳でもないので、あまりメリットはありません。

ただ、サイドブラシがマグネットで取付けられていることについては便利だと言えそうです。

そんなに頻繁に外すものでもないかもしれませんが、いちいちドライバーを出して来たりする必要がないのは確かに楽でしょう。

気になるのは、この「AQC-RB100」ではフィルターの手前に市販のティッシュを挟むことが正式に推奨されていることです。

ティッシュを挟むことで、フィルターの目詰まりが防げるのだそうです。

小さいゴミも大きいゴミも、何でもかんでもフィルターでゴミを止めていると、すぐにフィルターがダメになってしまう、、、。

そうだ!

フィルターを使うまでもない大きなゴミは、ティッシュで受け止めてしまえば良いんだ!

、、、。

おそらく、そういうことなのでしょう。

しかし、それで良いのでしょうか?

たぶん、というか確実にティッシュのメーカーはティッシュペーパーをそのような用途で使うということを想定していないと思うのですが、家電メーカー的にはアリなのでしょうか?

メーカーとして、ティッシュに代用させるのではなく、ティッシュの代用となるようなものは作れないのだろうかと考えてしまいますが、この「AQC-RB100」に限らず、普通の掃除機においてもティッシュをフィルター代わりとする方式はあったりするので、もしかすると、このティッシュフィルター方式は奇跡的なほど効率が良い方法なのかもしれません。

ちなみに、この「AQC-RB100」の取扱説明書には「ティッシュペーパーは市販の2枚1組のものを使用」するよう明記されています。

、、、。

細か過ぎです。

また、この「AQC-RB100」ではHEPAフィルターを使用していますが、このHEPAフィルターは水洗い出来ることになっています。非常に細かな精度が要求されるHEPAフィルターを水洗いしてしまうのはちょっと無謀な感じもしますが、他の製品でもしばしば見かける仕様です。

特別頑丈なスペシャルHEPAフィルターだったりするのかもしれませんが、この「AQC-RB100」には、このHEPAフィルター1枚しかフィルターが無いようなので、汚れが多い場所で動作させると(ティッシュを挟まない場合は特に)ゴミが集中し過ぎて、HEPAフィルターとしての当初の性能はすぐに失ってしまいそうです。もしかすると、どのみちすぐに性能がなくなってしまうから、水洗いしてもOKだよ!という前向きな悟りの境地に入っているのかもしれません。

フィルターについては、取扱説明書によると「吸引力が弱くなってきたら」交換となっています。

フィルターの性能が弱くなっても、吸引力が弱くなっても、どちらにしても定期的に交換すれば問題無いよね!ということなのかもしれません。

まとめ=音は静かで良いのかも

実はこの「AQC-RB100」には、「低騒音」という長所があります。

この「AQC-RB100」の運転音は50dBとなっており、数値を公表している他のロボット掃除機の運転音は55dBくらいが多い印象なので、どちらかというと静かなロボット掃除機と言えるでしょう。

この「低騒音」という特長が、ロボット掃除機にとって一番重要なこととは言えない、という点がこれまた残念なところではありますが、うるさいのと静かなのとどちらが良いかという2択にググッと思い切って絞り込めば、静かな方が良いことは間違いないので、これが「AQC-RB100」を選択する際の決定打となる可能性もなくもなくもなくもないのかもしれません。

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