なにしろ価格が魅力的な電動歯ブラシです。
ブラック↓
ピンク↓
ホワイト↓
Fairywillは中国に拠点を置いていて、歯のホワイトニング用品や、口腔洗浄器など電動ブラシの他にも口腔ケア用品を手掛けています。自社製品の販売を開始したのは2016年らしいので、まだ歴史の浅い企業と言えるでしょう。この「FW-507」は、アマゾンのランキングの電動歯ブラシ部門で高い順位でのランクインを続けているFairywillの代表的な製品と言えます。
その最大の特徴は、毎分40,000回の微振動でもって歯の汚れを強力に落とすという洗浄力の高さでしょう。
毎分40,000回という振動数は、フィリップス「ソニッケアー」の毎分31,000回という高速振動、パナソニック「ドルツ」の毎分31,000回のブラシストローク(ヨコ磨き)を大きく上回る数字です。もちろん、ブラシの細かな動きに違いがあったり、「ドルツ」の上位モデルであればヨコ磨きに加えて、タタキ磨きが追加されていたりするので、ブラシの振動数=洗浄力の高さ、ということにはならないわけですが、分かりやすく、インパクトのある数字であることは確かです。
また、この「FW-507」には5種類のブラッシングモードが備わっています。この運転モードの種類の多さについても、「ソニッケアー」の最上位モデル「ダイヤモンドクリーン スマート」が5種類、ブラウンオーラルBの最上位モデル「ジーニアスX」が6種類、「ドルツ」の最上位モデル「EW-DT51」が5種類となっていて、まったく引けをとりません。
さらにブラッシング時間の目安となる2分に合わせたオートストップ機能や、本体が水没しても壊れない防水機能、4時間のフル充電で30日間の使用が出来るバッテリー性能など、使い勝手についてもソツの無い特徴を備えています。
そしてなによりも大きな要素と言えるのが、これだけの機能を備えていながら、その本体価格が4,000円を下回るというお値打ち感のある水準に設定されているということです。ソニッケアーの「ダイヤモンドクリーンスマート」、ブラウンオーラルBの「ジーニアスX」、ドルツの「EW-DT51」が軒並み3万円前後~4万円という価格水準になっていることと比べれば、まさに圧倒的な低価格と言ってしまって良いでしょう。
これで性能が変わらないと言うならば、この「FW-507」の方を選ぶのが当然すぎるくらいの話となるのですが、もちろんこの「FW-507」には気になるところがあります。
まず大きな懸念は、高い洗浄力につながる毎分40,000回の高速振動がありながら、ソニッケアー、ブラウンオーラルB、ドルツの上位モデルには漏れなく備わっている、磨き過ぎを防止するような機能が無いということです。
電動歯ブラシは手で磨く普通の歯ブラシよりも圧倒的にブラッシング性能が高いために、歯ぐきなど口の中の弱い部分を痛めてしまう危険性が指摘されています。ソニッケアーでは歯にブラシを押し付ける力が強いときにセンサーで教えてくれるほか、ブラウンオーラルBやドルツでは、自動でブラシの振動数を抑えてくれたりしますが、この「FW-507」にはそのような機能はありません。電動歯ブラシの扱いに慣れている人であれば、感覚的に判断できる可能性はありますが、初心者の場合は注意する必要がありそうです。
また、この「FW-507」は確かにブラッシングモードの種類こそ多いですが、モードごとの違いはあまり明確ではありません。
5つある運転モードは、
「ホワイト」→普通の歯磨きではなかなか落ちずに歯についていたヤニ・黄ばみなどの汚れを除去します。
「クリーン」→歯の隙間の汚れまで清掃していきます。
「センシティブ」→歯ぐきの出血や歯周病など歯と歯茎が敏感な方におすすめします。
「ポリッシュ」→歯を磨きあげ光沢を与えます。
「マッサージ」→歯面と歯肉を適度に刺激し、軽くマッサージしていきます。
とそれぞれ説明されていますが、「センシティブ」は振動数を弱めることで実現出来そうなものの、「ホワイト」と「クリーン」などの違いをどうやって出すのかなどについては良く分かりません。なにしろ、ソニッケアー、ブラウンオーラルB、ドルツなど主要ブランドの場合、運転モードの他に替えブラシでも「ホワイトニング」用や「ガムケア」用などを使い分けることで効果を高めるようになっていますが、この「FW-507」で使うことの出来る替えブラシは「ソフト」と「ハード」の硬さの異なるブラシの他に「すき間磨き」用のポイントブラシがあるだけなのです。
このため、いくら「FW-507」に多彩なブラッシングモードがあるといっても、どこまで結果がともなうのかについては、ちょっと未知数な感じがしてしまいます。これについてもノーマルのブラッシングが出来れば良いよ!と割り切っている場合は大きな問題にはならないかもしれませんが、電動ブラシを使う理由として、ホワイトニングなどピンポイントな理由がある場合は要注意なところでしょう。
さらに、この「FW-507」を手掛けている「Fairywill」が海外企業だということが原因だと思われますが、日本語の説明に不十分なところがあります。アマゾンの商品説明のページでは、バッテリーの充電と持続時間について「4時間がかかって30日に使用」とあったり、「2週間をかかるだけ、健康的な口内環境をサポートします」など、何となく意味は分かるものの、露骨にカタコトな表現となっています。また、この「FW-507」のブラッシング性能について、ある箇所では「手磨きより100倍の歯垢を除去できます」と記述があったかと思えば、「歯垢除去力100%UP 手磨きとの比較」という表現もあったりして、そのブレ幅がもの凄いことになっています。このあたりはいかにもOEMの商品を展開する海外系の新興企業っぽさを感じさせるところですが、何かトラブルがあったときの日本語対応についてはもちろん、製品そのものへの信頼度についても心配になってしまうところです。
色々と気になるところはありますが、圧倒的な価格という決定的な魅力を備えていることは確かです。なにせ本体価格が7分の1未満なので、性能は半分、いや、3分の1だったとしてもOKだよ!という前向きなとらえ方をすることも不可能ではないかもしれません。この「FW-507」が初めての電動歯ブラシだという初心者には高確率で向かなさそうですが、主要メーカーの電動歯ブラシはだいたい試してみたという電動歯ブラシマスターであれば、お得に使いこなすことが出来るかどうか試してみたいモデルになるという可能性はありそうです。
■FW-507のスペック
発売 | 2018年4月 |
ブラシ振動数 | 40,000回/分 |
サイズ | - |
重さ | 55g |
連続使用時間 | 30日 |
充電時間 | 4時間 |
バッテリー | リチウムイオン |
運転モード | 5種類 |
付属ブラシ | ソフトブラシヘッド(2本)・すきま磨きブラシ(1本) |
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