おなじみの羽の無い扇風機デザインです。
このPure Cool(TP04)は、空気清浄機能が大幅に強化されています。
ホワイト/シルバー↓
ダイソン 空気清浄機能付タワーファン(リモコン付 ホワイト/シルバー)Dyson Pure Cool TP04WSN
アイアン/ブルー↓
ダイソン 空気清浄機能付タワーファン(リモコン付 アイアン/ブルー)Dyson Pure Cool TP04IBN
このダイソン「Pure Cool」の基本的な外観は、従来からあるタワーファンと大きく変わっていない感じがします。
しかし、メーカーの説明を見ると、この「Pure Cool」がこれまでのモデルとは少し異なるモデルだということが分かります。
まず、これまでのモデルと異なり、この「Pure Cool」の本体の正面には、小さなモニターが付いています。
このモニターは、空気中の汚れ具合を単に表示してくれるだけでなく、PM2.5などミクロレベルの粒子量、花粉などの大きめな粒子の量、さらに揮発性有機化合物(=VOC)の濃度、さらにNO2(二酸化窒素)の濃度までも表示してくれます。
、、、これは、すごい!
部屋の中のVOC濃度が瞬時に分かったところで別にどうしようもなかったりするわけですが、このモニターをジッと見ていて、汚れの数値が減っていったりすると、空気清浄機のありがたみをヒシヒシと感じることが出来そうです。
そして、この「Pure Cool」には、もはや当たり前のようにアプリを通じたWi-Fi連携機能があるので、これらの細か過ぎるくらいの空気情報は、別にモニターを見ていなくても手元のスマホでチェックすることが出来ます。もちろん、スイッチのオンオフなどの遠隔操作や、運転スケジュールもスマホで設定することが出来ます。
おまけに、この「Pure Cool」は周囲最大350°の首振り機能があり、送風範囲すらもスマホで決定することが出来るようになっています。
要するに、この「Pure Cool」は、IoTを通じて空気の見える化を実現している先端空調機器というわけです。
そしてこの「Pure Cool」には、PM2.5よりもさらに小さい、PM0.1レベルの微粒子を99.95%除去するという「グラスHEPAフィルター」に加え、有害なガスやニオイを吸着する「活性炭フィルター」が搭載されていて、空気をキレイにする力も相当に期待出来そうです。
さらに、この「Pure Cool」には、本体の後ろ側に空気を吹き出す「ディフューズドモード」というちょっと変わった運転モードも搭載されています。これは肌寒い時など、風に直接当たりたくはないのだけど、空気清浄機能は使いたいという場合に役立つのだそうです。
なるほど、色々と考えられています。
「リビング全体の空気を徹底的にきれいにする、ただひとつの空気清浄ファン」
という、ダイソンのいつもの決めゼリフが耳元で聞こえてきそうです。
ただ。
この「Pure Cool」には、大きな弱点があります。
それは風量の弱さです。
もちろん、扇風機としても使用されることを想定されているこの「Pure Cool」から吹き出される風自体の量はそれなりにあります。
この「Pure Cool」は、羽の無い扇風機シリーズでお馴染みの「エアーマルチプライヤー」技術でもって、毎秒290リットルの空気を送り出すとされています。
毎秒290リットル=毎分17,400リットル=毎分17.4㎥です。
毎分17.4㎥というと、扇風機としてはそれほどでもありませんが、空気清浄機としては飛び抜けて多い風量となります。
しかし、「エアーマルチプライヤー」技術はファンから送り出す空気以上に周りの空気を巻き込むことで風量を増大させるというのがその特徴です。
つまり、この「Pure Cool」から吹き出される空気は、その全てが高性能なフィルターを通過したキレイな空気というわけではないのです。
そして実際、この「Pure Cool」の空気清浄適用面積は、なんと、たったの10畳となっています。
えー!
しかも、この10畳という数字は、別にメーカーが厳しく見積もった自主基準などではなく、普通に国内で広く使用されている日本電機工業会の規格に基づいた試験方法によって算出された数字なのです。
それが10畳!
うん。これは狭いです。
適用面積が10畳クラスの空気清浄機というと、国内大手メーカー製品では最低ランクの製品がそれに該当するでしょう。ちなみに最大風量は毎分2〜3㎥というレベルです。
つまり、この「Pure Cool」から吹き出される17.4㎥のうち、その6分の1にも満たない空気だけが本当にキレイな空気で、残りは吹き出されるときに巻き込まれてきた普通の空気ということです。
たとえ少なくとも、キレイな空気が送り出されていることは間違いないので、この「Pure Cool」も時間をかければ広い部屋の空気もキレイにすることが出来るでしょう。ただ、その途中で誰かが出入りしたりして、他の空間の空気が入り込んでしまうと、また元に戻ってしまうという可能性があるだけです。
そんな、この「Pure Cool」の意外なくらいに低い空気清浄能力を理解して使用する分には大きな問題はありません。
狭い部屋で使用する分には全く問題ないでしょうし、たとえ広い部屋で使う場合でも、部屋の片隅に本物の空気清浄機を置いておけば、この「Pure Cool」がサーキュレーター的に空気を攪拌してくれるだけでなく、高性能なセンサーで空気の汚れ具合をモニタリングしてくれるのです。
ただそうなると、この「Pure Cool」には、扇風機+空気清浄機の1台2役という、せっかくキレイにまとまったイメージがあるだけに、もったいない感がかなり強まってしまうところが難点と言えるでしょう。
また、この「Pure Cool」に搭載されている「グラスHEPAフィルター」と「活性炭フィルター」は、その交換時期の目安がはっきりしません。交換の時期は、本体の付いているモニターやアプリを通じて確認することが出来るようになっているようですが、初めからフィルターの交換頻度目安を明らかにしておかないのは、あまり親切とは言えないでしょう。
「フィルター寿命は、空気の汚れ具合によって異なります」という、メーカーのお役所的な見解は明らかになっていますが、テストを通じてフィルターの交換頻度をメーカーが全く想定していないと考えにくいだけに不親切度合いがますます高まります。まあ、たぶんですが送風能力がそれほど変わらない旧モデル「Pure Cool Link」のフィルター交換目安が約1年なので、同じくらいなのだと思われます。
もしかすると、このお高い感じが、すっかりブランドとなったダイソン流の販売戦略ということなのかもしれません。
■Dyson Pure Cool TP04のスペック
サイズ | 高さ1054×幅223×奥行223mm |
重さ | 5.06kg |
適用畳数 | 約10畳 |
風量 | - |
運転音 | - |
消費電力 | 6〜40W |
センサー | ホコリ・ニオイ・温度・湿度 |
◼︎交換部品
「グラスHEPAフィルター」オフィシャル価格:4,000円+税
ダイソン グラスHEPAフィルターDyson Pure シリーズ交換用
「活性炭フィルター」オフィシャル価格:3,000円+税
ダイソン 活性炭フィルターDyson Pure シリーズ交換用